『VOREAS GREEN DEAL宣言』全文
VOREAS GREEN DEAL宣言は、我々ヴォレアス北海道がスポーツチームとして活動してきた中で、違和感を抱き、課題意識を持った「経済」、「環境」に関わるの問題の解決へと向かっていくための宣言です。
1.「VOREAS GREEN DEAL宣言を掲げる理由」
スポーツチームであるヴォレアス北海道が、なぜこのような「VOREAS GREEN DEAL宣言」を発表するに至ったのか...その原点は、これまでプロスポーツチームとしてホームゲームなどのイベントを運営した結果、”ある違和感”を抱いたからです。
スポーツとは「健康的」で「クリーン」な活動だと言う社会的なイメージがあり、また我々は実際に「健康的」で「クリーン」であるべき存在です。ですがスポーツチームの活動にはこれらのイメージとは相反する事実が多く隠されていることに気が付きました。
例えば、イベントを通して排出される飲食物の容器、レジ袋、紙チケットなどの「ゴミ」は年間どれだけ排出され、それらは何処へ行くでしょうか。その他にも、会場設営に用いられる大量の消耗資材など、イベントのたびに沢山の「ゴミ」が排出されていることはスポーツの輝かしい側面の陰に隠れているため、あまり知られていないのではないでしょうか。また、健康的なイメージのあるスポーツイベントの物販ブースには、多くの場合、大量の砂糖や添加物が使用されたジュースや高カロリーなスナックが当然のように提供されています。 そしてこれらの不健康でクリーンで無いものは、スポーツを取り巻く「経済社会」や「環境」、そして「チームサポーターの身体」
に影響を与えているのです。
スポーツチームとして、本当にこれで良いのか。このまま地球環境や、サポーターの健康をないがしろにした経済活動を続けてもよいのか。そんな、”違和感”がありました。
そんな違和感を抱きながら、改めてヴォレアス北海道のPhilosophy、スポーツチームとしての使命、起こすべき行動を考えました。そこで、我々は「『地球環境』と『ヒトの健康』...その両方を守り、誰もが安心してスポーツを楽しむことができる未来」「我々が残すべき持続可能な未来」のために活動する、「VOREAS GREEN DEAL宣言」を発表するに至りました。
2.「今ある問題」
現在、世界には、自然環境の破壊に伴う気候の変動、自身や家族の健康を損なうジャンクフードの氾濫に起因する生活習慣病の増大など、大小様々な課題があります。これらの課題を解決するために、いま世界では様々な動きがあります。国連が主導するSDGsを始め、米国のグリーンニューディールやEUの欧州グリーンディール、日本でも菅総理の所信表明演説において、2050年までにカーボンニュートラルの実現を目指すことを決めました。また、だれもが知る大企業でも、Appleは2030年までにカーボンニュートラルの実現を表明し、Googleは既にカーボンニュートラルを達成、次のゴールとして2030年までのカーボンフリーを目指しています。しかし、これらの活動は、大企業だけのものなのでしょうか?
SDGsを はじめとする新しい枠組みは、すべての企業・自治体に具体的なアクションが求められています。 劇的でなくとも、誰もが、ほんの小さな一歩から活動できる時代が来ています。
一方で、世界的な課題解決の主流は、”FAST SOLUTION”であると言えます。例えば、20xx年までの”全面”EV車への切り替えなど、これは日本では2035年までの実現を目指していますが、これらのソリューションは「実現すべき未来を、道筋をスキップして直接現在に落とし込む」ような急速な課題解決を目指しています。
しかし、経済環境においてもまた自然環境においても、その変化は”緩やか”でなければいけません。急速な変化に耐えられるのはごく少数の経済的に”強い”立場にある企業・個人だけで、多くの企業・個人は変化に対応しきれず、必ずどこかに社会的・経済的な歪みを生じます。「誰も取り残さないことは不可能(全員を連れて行くことは不可能)である」...これはイノベーションの宿命とも言えます。しかし、現状の”FAST SOLUTION”では、あまりにも多くを取り残してしまうと危惧しています。私達は、皆さんを取り残さず、できるだけ多くの人を未来へ連れていきたい。
3.「目指す事」
そのために、「VOREAS GREEN DEAL宣言」を通して、「経済を良くする環境活動」と「環境を良くする経済活動」の両輪、そしてその”中道”を重視して、段階的に変化をすすめることで、「持続可能な未来への”公正な”移行」を実現するための活動を進めてまいります。変化に際して取り残される人がおらず、誰もが利益を享受し、未来へ歩みを進めることができるということです。
「経済を良くする環境活動」とは、”FAST SOLUTION”に対しての、”SLOW SOLUTION”というべき活動で、環境負荷の高い製品・活動の即時停止ではなく、削減、置き換え、段階的に環境負荷を(ネガティブから)ゼロに近づける、そのための手段を提供致します。
「環境を良くする経済活動」とは、より直接的に持続可能な社会を実現するための”FASTな”活動、より直接的に環境へポジティブな影響を与える活動の実践を指します。
この両者のバランスを取り、我々のみならずパートナー企業やサポーターの皆さま、だけでなくより多くの人々と共に活動することで、時代に取り残される人を一人でも少なく、そしてより多くのアクションを通して、持続可能な社会の堅実かつ速やかな実現を目指します。
4.「VOREAS GREEN DEAL宣言の基準」
① 安全であり、安心であること
安全:危険がない状態 安心:安全が保たれている状態 (危険がないことが保証されている状態)(身体的・精神的持続可能性)
② 適正価格であること
地域の可処分所得を考慮して、多くの方が手に取りその恩恵を受けられるモノ。生産者にも適正な利益を配分できるもの。(経済的持続可能性)
③ 便利すぎず、不便すぎないもの
④ 世界基準であるもの
小さな輪の中で満足するものではなく、ユニバーサルな観点で誰もが納得するすること
⑤ (できれば)日本発、日本の精神が組み込まれているもの
⑥ 幸福増進に資すること
幸福をないがしろにした禁欲的なディストピアではなく、他の人を不幸にせずとも幸福を感じられること。
⑦ 上記が守られ、それを誇りに思うことができること
5.「VOREAS GREEN DEAL宣言の4つのゴール」
①2025年までに、パートナー企業の石油エネルギー使用量を10%削減する。
※ただし、一方的な削減を強いるのでは無く、経済性を考慮し、代用エネルギー、削減案、業務効率化を提案する事によって実現する
②2030年までに、全てのヴォレアス商品から化石燃料由来の原料を排除
③2030年までに、全ての連携協定自治体の医療費を5%削減する。
※パートナー企業とサポーターに対し健康についての情報や活動、プロダクトを通じて啓発することで実現
④2030年までに、全てのパートナー企業とサポーターに対して、VOREAS GREENDEALに連なるアクションを実行してもらう
※これらのゴールの実現に用いられたパートナー企業の技術を、VOREASが発信する。
6.「結び」
今、時代の潮流は大きく変化しています。
世界では、米国のグリーンニューディールやEUの欧州グリーンディールが先行し、日本においても、菅総理が所信表明演説で2050年にカーボンニュートラルを目指すことを宣言しました。
あらゆる企業が、地球環境との関わりを「私事」として捉え、持続可能な社会を全セクターで実現しなければならない時代がついにやって来たのです。地球から資源を得て、糧としている我々はもう「他人事」のようには過ごせなくなりました。
私達はこの目指すべき世界のために、解決策を計画し行動を起こさねばなりません。
しかし同時に、変化は緩やかでなければなりません。
これまでの急速な経済的発展において我々は、共に歩むことのできるはずだった沢山の人々をその場に置き去りし、「仕方がない」などと尤もらしい理由をつけて、切り捨てていきました。私たちは今度こそ「公正な移行」を実現しなければなりません。
誰もが安心してスポーツを楽しむことができる未来を作る。そのために、私たちは「VOREAS GREEN DEAL宣言」を通して「環境を良くする経済活動」と「経済を良くする環境活動」を両輪とする事業を実施し、誰も取り残されず、参加する誰がその人ぞれぞれの幸福を実感できる未来の実現を志します。
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