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【輸入手続全体の流れ🚢】信用状(L/C)を発行する輸入者の実務について🔥:貿易実務検定C級対策 No.76

今回からは「輸入手続」がメインです🚢
イントロダクションとして、輸入の開始
となる売買契約に基づくL/Cの発行依頼

という手続きからみていきましょう。

①輸入取引の流れ
②信用状の発行依頼
③為替予約
④保険契約
という4つをメインに
要点を整理していくことにします🔥

※前回までは「輸出手続」に主眼を
置いていたことにはご留意ください🙏


前回のお復習い💖

貿易実務検定C級合格💮

輸入取引全体の流れ🌟

何より、貿易実務を理解するために
以下のような「全体像」を
イメージできることが大切になります💞

出所サイト

それでは、以下に簡略ながら
輸入取引全体の流れを整理します💞
※在来船かつ自家揚げの場合

①売買契約の締結
輸出者(外国)⇔輸入者(自国)

②L/C発行依頼
輸入者⇒L/C発行銀行(自国)

③為替売予約🔖

④L/C発行の通知
L/C発行銀行(自国)⇒通知銀行(外国)

⑤L/C発行の通知
通知銀行(外国)⇒輸出者(外国)

⑥輸出承認、許可などの申請など
輸入者⇒経済産業省、主務官庁
⑦許可・承認などの受領
経済産業省、主務官庁⇒輸出者

⑧予定保険申込み🔖
輸入者⇒保険会社
⑨予定保険の締結
保険会社⇒輸入者

⑩荷為替手形・船積書類の提出🌟

輸出者(外国)⇒買取銀行(外国)

⑪手形の買取り(代金の立替え)
買取銀行(外国)⇒輸出者

⑫船積通知(Shipping Advice)🔖
輸出者(海外)⇒輸入者(自国)
⇒海上輸送の開始「モノ」は出航🚢

⑬荷為替手形・船積書類の送付
買取銀行(外国)⇒L/C発行銀行(自国)

⑭確定保険の付保と保険料支払
確定通知により、確定保険に
※保険料の支払もこのタイミング🔖

⑮手形の呈示
L/C発行銀行(自国)⇒輸入者(自国)

⑯代金の支払い(D/P手形を想定)
輸入者⇒L/C発行銀行
⑰船積書類の交付(D/P手形のため)
L/C発行銀行⇒輸入者

⑱コルレス契約による代金決済

L/C発行銀行(自国)⇒買取銀行(外国)

⑲通関・荷受け依頼
輸入者(自国)⇒海貨業者(自国)
⑳貨物の到着案内
船会社(自国)⇒輸入者

㉑船荷証券・船積書類の交付
輸入者(自国)⇒海貨業者

㉒船荷証券(B/L)の提出🔖

海貨業者⇒船会社

㉓荷渡指図書(D/O)の交付
船会社⇒海貨業者

㉔D/Oとカーゴ・ボート・ノートの提出🔖
海貨業者は、荷渡指図書(D/O)と
検数表に基づき作成された
カーゴ・ボート・ノートを
本船に対して提出をします。
※貨物は保税地域に搬入されている📦

㉕輸入申告
海貨業者⇒税関
㉖輸入許可
税関⇒海貨業者
※保税地域から貨物の搬出🚚

㉗貨物の引取り

海貨業者⇒輸入者🎁

このような流れ①~㉗で
輸入者は、貨物を輸入できるのです。

なお、輸入業務のうち
為替予約と保険契約の締結は
輸出の業務と共通していますね👀

それでは、輸出の場合との
相違点について考えていきましょう。

信用状(L/C)の発行✨

輸入信用状の開設とは、銀行が
自分の信用を輸入者に貸すこと
つまり、銀行の与信行為ですね👀

このように銀行の与信を受けようと
する場合には、あらかじめ銀行に
貿易取引関係の基本約定書を
差し入れることが必要となります📚

なお、約定書(Agreement)とは
輸出者または輸入者と取引銀行との
貿易金融に関する基本契約書であり
以下のような約定書が該当します。
①銀行取引約定書
②外国為替取引約定書
③商業信用状約定書

信用状の発行依頼🏦

L/Cの開設は、基本契約書となる
包括的かつ継続的な「商業信用状約定書」を
差し入れている銀行に対して
開設を依頼するたびに
「信用状開設依頼書」を通して行います📝
※開設のたびに「商業信用状約定書」を
差し入れる必要はありません🔖

なお、注意事項については
とにかく不明確な表現を避けること
タイプミスなどが原因でディスクレを
発生させないようにすること
など、丁寧に行うことを留意していれば
問題無いと思いますね📝

ただし、信用状統一規則(UCP600)
条文が信用状の一部となっていること
は覚えておいて損はないでしょう👀

輸入信用状開設(発行)依頼書の掲載事項

それでは、英語と一緒に
輸入信用状開設(発行)依頼書
文言を確認していきましょう💞

出所サイト

①L/C発行を依頼する銀行名(TOP)
②信用状の通知方法(以下の3つよ))
・郵送(AIRMAIL)
・プレリミナリーケーブルアドバイス方式
・フルケーブルアドバイス方式
③発行依頼人=輸入者🔖(左上)
APPLICANT'S NAME AND ADDRESS
④受益者=輸出者(右上)
BENEFICIARY'S NAME AND ADDRESS

⑤通知銀行:③の下
ADVISING/NOTIFYING BANK
※輸出者からの指定が無い場合
記載せず、L/C発行銀行の任意とする。

⑥信用状金額(数字):④の下
CREDIT AMOUNT
⑦信用状有効期限
EXPIRY DATE OF CREDIT
⑧最終船積期限
LATEST DATE FOR SHIPMENT
⑨分割船積みの可否:⑤の左下
PARTIAL SHIPMENTS
ALLOWED/PROHIBITED

⑩積替の可否:⑤の右下
TRANSHIPMENT
ALLOWED/PROHIBITED
⑪積出地、仕向地
SHIPMENT FORM ○○ TO ✖✖

⑫手形の期日:⑦&⑧の下
DEFERRED PAYMENT AT
□AND BENEFICIARY'S DRAFT
□AT SIGHT   □AT __

⑬手形の名宛人
DRAWN ON YOU OR
YOUR CORRESPONDENTS
FOR ____ INVOICE VALUE
・YOU⇒信用状開設銀行
・YOUR CORRESPONDENTS
⇒コルレス先(補償銀行)に該当

⑭必要書類と通数
ACCOMPANIED BY THE
FOLLOWING DOCUMENTS

⑮B/L上の荷受人(指図式)
MADE OUT TO ORDER
AND BLANK ENDORSEMENT

⑯B/L上の運賃支払い表示
FREIGHT (PREPAID/COLLECT)
⇒インコタームズとの関連🔖

⑰B/L上の貨物到着案内先
NOTIFY: APPLICANT

⑱商品名(簡潔に)
COVERING(brief description)

⑲貿易条件(建値)
TRADE TERMS/FOB/C&F/CIF (PLACE)

⑳その他の条件
SPECIAL CONDITIONS
㉑手数料負担区分
ALL BANKING CHARGES~~

㉒信用状統一規則準拠文言
THIS CREDIT IS SUBJECT TO THE
UNIFORM CUSTOMS AND PRACTICE
FOR DOCUMENTARY CREDITS~~

このようなことが信用状に
記載されていることを
ざっくりと覚えておきましょう!
※特に英語は大切です💞

出所サイト

信用状発方法方法(お復習い)

信用状を発行すると発行手数料が
また発行後に信用状条件の変更を
しようとすると手数料がかかります💦

またL/C発行銀行から輸出地への通知銀行
への信用状の発行方法には
①郵送
②プレリミナリーケーブルアドバイス方式
③フルケーブルアドバイス方式
の3つがあることは、信用状の受領
という論点において整理した通りです💞

為替予約(Exchange Contract)💵

輸出の場合と同じく、輸入においても
将来の代金決済に備えて
為替変動リスクを回避するために
輸入者は銀行と為替予約を締結
することになります👀

なお、輸出の場合には、海外の輸出者へ
外貨で代金を支払う時に相場が発生する
ことになりますので、銀行に円を払って
外貨を売ってもらう「為替売予約」

なる点は覚えておきましょう🔖

保険契約とインコタームズ2020

それでは、最後に保険契約です。
インコタームズ2020版の復習も
一緒に関連付けていきましょう💞

FOB:本船渡し
FCA:運送人渡し
CPT:運送費込み
CFR:運賃込み、などの貿易条件により
輸入者が保険を付保する場合には
保険契約を締結する時点で保険会社への
申告内容にまだ不確定な項目がある
という場合も想定されます。
※船名や貨物の数量など

しかし、この場合においても
貨物の損害をカバーするために
貨物の船積前に保険を付保することが
必要になりますので、通常は
その不確定な項目はそのままにして
「予定保険」を付保することになります。
なお、保険会社はこの契約時に
予定保険証券を輸入者に発行します👍

そして、契約時に不確定だった項目は
その後、輸出者の船積通知によって
確定しますので、そのタイミングで
改めて保険会社に確定申込みをします。

確定保険へ切替えるタイミングで
保険料を支払うこともポイントです🔖
この際には、確定保険証券
(Definite Insurance Policy)

輸入者に対して発行されるのです👍

本日の解説はここまでとします!
輸入取引全体の流れ
信用状の発行依頼手続き
そして、輸入者側からみた
為替売予約、保険契約について

ご理解いただけたでしょうか??

次回は、輸入時における規制や
法令による許可・承認等の取得

というテーマを取り上げます👍

貿易実務のエキスパートを目指したい🔥

私が挑戦する貿易実務検定®
貿易に関連する自分の実務能力・知識が
どの程度のレベルにあるのかを客観的に
測り証明することができる検定です。

実際に、商社・メーカー等においては
勤務年数ごとに貿易実務検定の各級合格が
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貿易に携わる企業への勤務・転職・就職等を
お考えの方、インターネットによる個人輸入を
行う方や国際舞台で活躍を目指す方にとっても
「貿易実務検定®」は幅広く活用できますので
活躍のチャンスが広がるのではないでしょうか?

きっと私たちの生活に密接な「貿易」実務に
対する知識を身につけることで
これからの人生における選択肢も増え
もっと有意義なものになることでしょう


私も2024年4月から商社へ勤務する予定ですので
貿易実務のエキスパートを目指していきたいです!

そして、私の将来的な理想像である
「世界と日本を繋ぐ架け橋のような人財」を
体現できるように努力していきたい
と思います🌏

まずは、初級レベルの該当するC級の取得
目標に、コツコツと勉強して参ります🔥

最終的には、B級、そしてA級の取得を目標に
英語学習も含めて取り組んでいきます!

※なお、本稿はあくまで試験対策の内容です。
したがって、実際のケースとは異なる場合や
簡略化した点が若干ありますが、その点に
関しましてはご了承ください🙏

これからnoteでアウトプットするなかで
皆さまに「貿易実務」の魅力を
お伝えできたら幸いです!
ぜひ、最後までご愛読ください📚

なお、本投稿シリーズ作成における
参考資料は、以下の通りです。

英語の学習にも繋がりますので
勉強するモチベーションが
より一層高まりますね✨       

おすすめマガジンのご紹介🔔

今後、さらにコンテンツを
拡充できるように努めて参りますので
何卒よろしくお願い申し上げます📚

最後までご愛読いただき誠に有難うございました!

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