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【国際貿易論✨】要素賦存量によって決定されるHOSモデルと貿易メカニズム:Chapter⑤

【国際貿易論】シリーズにおいては
私が現在、熱心に学習している内容である
国際経済学の分野について
アウトプットしていきたいと思います👍

今回の記事は「ヘクシャー・オリーン・サミュエルソンモデル(=HOS model)」について解説していきたいと思います🔥

ヘクシャー・オリーン・サミュエルソンモデル(以下、HOSモデル)は「生産要素賦存量」によって貿易パターンが決定されるということをメインに理論が展開されていきます📝

ヘクシャー・オリーン・サミュエルソンモデルについて:Part⑤

前回の記事(下記URL)よりHOSモデルについての解説を始めました


ぜひPart①からご覧になって、本投稿を読み進めていただけると更に理解を深めていただけるのではないかと思います💖

確認:HOSモデルに使用する表記一覧

HOSモデルの説明において以下の記号を用いることとします

存在する財は、2種類(第1財、第2財)、2つの生産要素(資本:K、労働:L)からHOSモデルは成り立っています📝

yi:第 i 財の生産量
αKi:第 i 財の資本投入係数
αLi:第 i 財の労働投入係数
※規模に関して収穫一定の生産技術より
 各財の投入係数は一定となります
資本集約度

$$
Capital  intensity: αK_i / αL_i
$$

K:資本の総量(資本賦存量)
L:利用可能な労働の総量(労働賦存量)
r:資本レンタル w:賃金率

第 i 財の単位費用関数

$$
C_i(r,w) = r ×αK_i + w ×αL_i
$$

HOSモデルの仮定より
第1財は資本集約的な財
第2財は労働集約的な財でありましたから
以下の生産要素投入係数による関係式

$$
(αK_1/ αL_1)>(αK_2/αL_2)
$$

が成立していましたね📝
また、この式を変形して整理すると
以下のようになりますね

$$
(αK_1 /αK_2)>(αL_1/αL_2)
$$

※この関係を必ず念頭においてくださいね✨
以降は、これらの記号を主に使用しながら解説していきます📝

要素価格均等化定理について

以下では、要素価格均等化定理について解説します
これはHOSモデルより付随的に導かれる国際貿易を説明する上で大切な定理になります👍

要素価格均等化定理とは
「2国間で自由な貿易を行うことによって、両国間で2財の相対価格が均等化すると、生産要素の相対価格も均等化する」という定理になります

今回の投稿では、国際貿易を理解する上でどのように生産要素が移動し、またその報酬率(r,w)が影響を受けるのかということを分析していくことにしましょう👍

価格と平均費用の一致

HOSモデルの仮定における完全競争市場に
おいて長期的な産業の均衡では
生産されている財の価格と平均費用は一致することになります

要するに、財を生産する企業の
超過利潤はゼロということにも換言できます

なぜならば、企業の利潤関数

$$
Profit  Function :\\π=p_i×y_i -({αK_i×r+αL_i×w}×y_i)
$$

より式変形をすると、「yi>0」(=すべての財は正の数量で生産されている)ことより

$$
Price =Average  cost:[  p_i=αK_i×r+αL_i×w ]
$$

が成立しているならば「価格=平均費用」と
なる損益分岐点において
企業の超過利潤はゼロとなるため
産業の長期的な均衡が実現するのです✨

すなわち、以下の関係式が実現しています

$$
Longrun   Equilibrium: \\C_i(r,w)≡r×αK_i+w×αL_i=p_i」
$$

ここで、完全競争市場において各経済主体は
プライステイカーでありますから
財価格を所与として考えていきますと・・・

価格に等しい単位費用を実現する
資本レンタル率(r)と賃金率(w)の関係を
表す方程式を得ることになります

これが、要素価格フロンティアを
形成すること
になります💖

要素価格フロンティア

生産要素価格の決定メカニズム❤️

財価格が与えられると、それに対応するように

$$
C_i(r,w)≡r×αK_i+w×αL_i=p_i
$$

上記の式が変動します
すなわち、財を1単位生産するための
平均費用が「財価格=平均費用」という関係を満たすまで、上昇するのです⤴

前述した

$$
p_i=αK_i\times r+αL_i×w
$$

の関係式は財を生産する企業の超過利潤が
ゼロとなる条件式でもありましたから

このメカニズムを通して
各生産要素価格(r&w)の均衡が
求められることになるのです✨

具体的に定式化して求めると
以下の2式が成立します

$$
「C_1(r,w)≡r×αK_1+w×αL_1=p_1」\\
「C_2(r,w)≡r×αK_2+w×αL_2=p_2」
$$

第1財は「資本集約的な財」であり
第2財は「労働集約的な財」であるので

$$
(αK_1/ αL_1)>(αK_2/αL_2)
$$

が成り立つことは自明であります

よって、上記に記述した
各財の要素価格フロンティアを形成する方程式の「傾き」が、各生産財部門において
異なることがわかりますね👍

$$
w=-(αK_1/αL_1)×r+p_1/αL_1・・・①\\
w=-(αK_2/αL_2)×r+p_2/αL_2・・・②
$$

また、生産要素投入係数の比率は
絶対値で考えてみますと

$$
|αK_1/αL_1|>|αK_2 / αL_2|
$$

より、第1財の要素価格フロンティアを表す方程式のほうが「傾き」が急であることがわかりますね👍

総じて、①式、②式の連立方程式の解により
生産要素価格が決定する均衡点が導出されることになるのです

図解:要素価格フロンティアと生産要素価格の決定メカニズム

図解:要素価格フロンティア

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こちらのマガジンにて
エッセンシャル経済学理論集、ならびに
【国際経済学🌏】の基礎理論をまとめています

今後、さらにコンテンツを拡充できるように努めて参りますので
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます📚

Ending:最後までご愛読いただき誠に有難うございました!



あくまで、私の見解や思ったことを
まとめさせていただいてますが
その点に関しまして、ご了承ください🙏

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