見出し画像

テクニカルライターの仕事って〇〇

テクニカルライターって何してるの?とよく聞かれることがあります。自分も初めて聞いたときはどんな仕事をする職種なのかが想像できませんでした。

そこで、この記事ではテクニカルライターについてテクニカルライターについて紹介し、どんなことをしているかを知っていただけますと幸いです。

テクニカルライターとは?

テクニカルライターとは、家電や自動車などの製品やソフトウェアなどのサービスの使用方法や手順を明確に伝えるためのマニュアルやドキュメントを作成する専門家です。

主に製品やサービスのマニュアルを作成することが多く、読んだ人が製品を操作する知識を持っていなくても製品やサービスを操作できるようにする手助けをしています。

テクニカルライターの仕事の流れ

テクニカルライターは図のような流れで仕事しています。

テクニカルライターの仕事の流れ

お客さんを訪問して製品・サービスについてヒヤリングする

マニュアルを書く上で、どんな人をターゲットとしてマニュアルを書くのかをお客さんと打ち合わせします。
自分が書いていたマニュアルは産業機械の大型機械だったので、機械の操作や保守、据え付け、修理をする技術者を対象にマニュアルを書いていました。

実機を取材する

実際にお客さんの製品である実機を操作して製品の特徴や操作手順について取材します。
特にマニュアルは安全に使用できる方法を書かないといけないので、通常の操作方法のほかに危険な操作方法も取材します。
また、操作している様子を写真や動画に撮っておくことでマニュアルに使う素材を確保したり、操作手順の確認をしたりします。

マニュアルの構成を決定する

目次やレイアウトをお客さんと打ち合わせて決定していきます。ほとんどはお客さんが持っているマニュアルを見せてくれるので、それに沿ってアウトラインや目次を決定していきます。

イラストを作成する

意外だと思われますが、テクニカルライターは文章を書くだけではなくイラスト作成や写真の修正技術が必要になることが多々あります。

イラストは製品の図面から分解図を作成したり手順をフローにしたイラストなどさまざまなものを作成します。

また、マニュアルを書く製品は発売前のものが大半なので、既存の製品が写っている写真を修正して発売する製品の画像を作成します。

マニュアルを作成する

取材したメモや写真、作成したイラストを構成されたマニュアルに組み合わせながらマニュアルを作成していきます。
マニュアルはCMS(Contents Management System)で1テーマごとに管理されているため、もし部分的な修正があってもそのテーマ部分を修正するだけでいいので楽に作成できます。

マニュアルの内容をチェックする

マニュアルが完成すると内部のチェックとお客さんのチェックをします。内部のチェックでは誤字やアウトラインの崩れがないかをチェックします。
お客さんのチェックでは正しい手順で操作が説明されているかや使用している写真は大丈夫かなどをチェックしてもらいます。

チェックするときはマニュアルを印刷して紙を見ながら赤ペンでチェックしたりします。
また、内部とお客さんのチェックは2〜3回くらい繰り返しながらマニュアルの内容とアウトラインを整えていきます。

マニュアルを納品する

マニュアルが完成したらいよいよ納品です。製造業のお客さんの場合だと印刷したマニュアルとデータが入ったCDを納品します。
マニュアルの容量が大きかったりする場合はUSBで納品することもあります。

余談ですが、操作を教えてくれた技術者の方々とマニュアルを見ながら製品の完成秘話や次の製品のマニュアルについて話すのはとても楽しかったです。

テクニカルライターに必要な能力3選

取材力

いいマニュアルの基準は「その記載で製品を安全に操作できるか」です。効率的な操作方法でも操作する人がケガをする方法や商品が破損する方法は記載してはいけません。

取材前に、似たような製品のマニュアルをお客さんからお借りし、製品を操作しているイメージや疑問点などを確認します。

取材している時はイメージした操作で大丈夫なのかやケガをしてしまうポイントやそれを防止する対策はどんなものがあるかを技術者に伺います。

取材後は取材内容から図解で描くこと、文章で書くこと、イラストにすることをおおまかに分解します。

画像編集力

意外に思われるかもしれませんが、画像の編集能力やイラストの作成能力もテクニカルライターにとっては重要な能力のうちの一つです。

マニュアルの対象となる製品は発売前のものとなるため、完成品がありません。
そこで、似たような製品の写真を撮影し、写真を加工することで完成品のような写真を作成します。
また、取材時に人やほこりが写っていることもあるので、写真を加工して製品のみの写真を作成します。

イラストは写真からボタンの線画を書き起こしたり3Dモデルから作成したりしています。
写真だと背景などの説明に関係ない部分まで表示されますが、線画イラストにすると説明する部分のみが表示されるので伝わりやすいマニュアルができます。
また、線画に引き出し線を入れることでより伝わりやすくなります。

構成力

マニュアルを書くときは文章をどのように構成するかを考える力が必要です。
ほとんどのマニュアルでは以下のような構成で作成されています。

マニュアルの構成例

見出しで章全体について説明し、危険事項や注意事項は見出しの次に記載します。本文は手順を順番に記載し、製品の操作フローや製品のボタン配置などのイラストがあれば挿入します。

まとめ

いかがでしたでしょうか?テクニカルライターについてやマニュアルがどのように制作されているか、テクニカルライターに必要な能力について解説しました。社内マニュアルや手順書を書く参考になれば幸いです。

この記事が参加している募集

サポートよろしくお願いいたします! いただいたサポートの一部ははクリエイターとしての活動費に使わせていただきます! ※ サポートの一部は子供たちの教育などの団体に寄付する予定です。