アメリカで開花した、ベトナム生まれの辛~いチリソース
アメリカでタイ料理やベトナム料理レストランを訪れると、必ずといっていいほど、ミドリ色のフタに赤いソースの入ったボトルがテーブルの上に置かれています。最近は、日本でもカルディや輸入食材店で見かけるこのソース、「シラチャ―ソース」という名の調味料です。
シラチャーソースとは
シラチャ―ソースとは、とうがらし、酢、ガーリック、砂糖をベースとした非常に辛いホットチリソースのことです。
真っ赤なチリソースの色に、特徴的な緑色のフタが目立つルックスで、フタをクルクル回すとソースが少しずつ出てきます。
本当に辛いですが、一度使い始めると、何度もかけたくなる中毒性の高いソース。ベトナム料理のフォーとの相性はバツグンによく、さっぱりしたフォーのスープにシラチャーソースを混ぜると、何も考えずにひたすら飲んでしまいます。
シラチャーソースが生まれるまでの話
シラチャ―ソースは、アメリカの食品メーカーHuy Fong Food社が開発したソースです。ですから、アメリカで生まれた調味料ですが、発祥地は別の国です。
このソースの開発者は、1975年、ベトナムからボート難民として渡米したデイビット・トラン氏です。Huy Fong Food社の創始者でもあります。
彼は、ベトナムで生まれ、ベトナムに暮らし、シラチャーソースの原型となる調味料をすでに開発していました。その後、1980年にボート難民としてアメリカにやってきて、ロサンゼルスに留まりました。
無一文だった彼は、シラチャーソースの原型である調味料をチャイナタウンで売り始めました。すると、またたく間に人気の調味料となったそうです。
ちなみに、Wikipediaを見ると、トラン氏の干支は酉年であり、ロゴのニワトリはそこから来ているとか。
ベトナムに根付いている中国の文化が垣間見れますね。
ベトナムで手に入るシラチャーソース
現在、ベトナムでもシラチャーソースを購入することができます。
私が使っているのは、このメーカーのもの。
見た目が、かなりHuy Fong Food社のものと似ておりますが(笑)、ベトナムで生まれた調味料ですから、良いんでしょうね。
納豆に混ぜて食べると、少し辛さがマイルドになり美味しいですよ。
ボート難民のサクセスストーリーが詰まっている、辛くて美味しいシラチャ―ソースの話でした。