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政治経済学から考察するタピオカ論

みなさん、いきなりですが、タピオカ好きですか?今回は、なぜここ数年で日本におけるタピオカの消費量が急激に伸び、少なからず東京都内でタピオカ店を見ない日が無くなった理由を紐解こうと思う。

まず、タピオカとは、何か?飲み物の中に入っているあの黒いデカイ丸いやつは何か?実は、意外にみなさんタピオカの存在そのものを深く考えたことが無いのではと推測する。

タピオカとは、キャッサバの根茎から製造した澱粉(でんぷん)であり、それを使った料理のことを指す。みなさんは、売店で売られているタピオカをイメージされると思うが、実は、タピオカとは、菓子の材料や料理のとろみ付け、結着剤、紙の強度を上げるための薬剤の原料としても重要な存在である。

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キャッサバは、あまり日本では馴染みが少ないかも知れないが、南アメリカ、北東ブラジルで取れることが多く、根茎に多くのデンプンを持つことから、世界各地で重要な作物として栽培されており、食用や工業原料として広く利用されている。

また、タピオカには小麦粉が含むグルテンがなく、タンパク質もほとんどない。水分を加えて加熱すると糊化しやすく、抱水力が強いのが特徴である。

上記の写真を見られ、「あれ、私が知っているタピオカじゃない?」と一瞬思われた方は多いと思う。なぜなら、私たちが知っているタピオカは、以下の写真のような状態で消費者に届けられる方だ。私たちが普段見ているタピオカは、糊化させたタピオカを容器に入れ、回転させながら雪だるま式に球状に加工し、乾燥させたものである。これらは、「スターチボール」「タピオカパール」、中国語では「粉円」などと呼ばれる事が多い。

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私は、この黒い物体が入る飲み物「タピオカ」が、中国や台湾などの中華圏では昔から比較的親しまれていたものの、なぜ最近日本で爆発的に流行ったのには、主に3つの理由が存在すると考えられる。それらは、「女子高生」「SNS」「中国&台湾」で構成される。

タピオカブームの火種漬けは、「女子高生」

2021年の農業情報学会のアンケート調査によれば、流行に敏感な女子学生の 36.8%が既に6-7年以上前からタピオカドリンクを飲んでいたと回答している。これは、良く言われている事だが、高年齢層よりも若年層の方が圧倒的に新しい情報や商品に対しての理解度が高く、偏見を持たずにタピオカという当時日本ではまだ馴染みにないドリンクが女子高生コミュニティーを通じて存在が広まった。

Tiktokとの利用者増加により、より文字文化から動画文化へシフト


Tiktokは、日本において、2018年頃から10-20代の若年層を中心に大きな流行を見せ、新語・流行語大賞で「TikTok」がノミネートされたり、JC・JK流行語大賞2018で「TikTok」がアプリ部門1位に浮上した事で、女子高生を中心に一気に動画や画像でのメッセージ共有文化が広がった。Tiktokは、日本で爆発的な認知度を遂げたことで、タピオカの存在を日本全国に共有する重要なチャネルとして活躍した。

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「中国&台湾」勢による日本進出

以下の写真は、Google Trendによる「タピオカ」と「ゴンチャ」の人気度の動向である。よく見てみると、どちらも2019年にワード検索数が爆発的に伸びている。私自身もよく中国や台湾に留学していた時に、ゴンチャやココなど中国&台湾で大手タピオカチェーン店舗でタピオカを堪能していたが、私が2018年に留学していた頃には、既に東南アジアや韓国などでタピオカブームが来ていた。アジアでは、コーヒーは一部の地域で消費されていると言いつつも、甘い飲み物を男性女性関係なく気楽に飲むことが欧米圏と比較すると、多いと考えられる。ゴンチャが2019年頃に日本に上陸し始め、店舗数を増やして来たことは偶然かも知れないが、ゴンチャなど中国や台湾の巨額な資本が入った外資系タピオカチェーンが東京に来たことで、急激にタピオカを飲める場所が日本に増えたことは事実である。

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Google Trendによる「タピオカ」の人気度の動向

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Google Trendによる「ゴンチャ」の人気度の動向

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最後に

最近は、新型コロナウイルスの感染症対策の観点から、まだ外出する人はビフォアコロナよりも少ないかも知れない。しかし、中国や台湾では、タピオカは出前をし、大学の教室や実家に届けて飲む方がむしろ多いので、今後日本にも「どこかでタピろう」が外出中だけでなく、家でも楽しむ文化が根付くことを期待したい。

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