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人間ドックを受け終わったら

 今回は人間ドックを終わった後のお話をしたいと思います。
人 間ドックが終わった後、皆さんはお手元に届いた結果を見てどうしていますか?
 中には、再検査を受けてください。という結果をそのままにしている人はいないでしょうか。

ご受診者さんのお話

 先日、人間ドックを受けた後の結果説明をさせて頂いた際、こんな方がいらっしゃいました。
「おととし、胃がんの手術したんだよ」
よくよくお話をお伺いすると、一昨年、当院で人間ドックを受けて頂いた方でした。
 人間ドックの検査の中にも胃の検査として、胃カメラやバリウム検査が受けられるのですが、その方はバリウム検査を選択されました。

 その後、お送りさせて頂いた結果では胃について、再検査をしてくださいとご案内させていただいたのですが、その方は未受診だったようなのです。

 当院では、再検査が必要な方が該当する項目に一定期間ご受診がない場合、受診を促すご案内のお手紙をお送りしているのですが、その方も、お手紙をみてご受診をされたとのことでした。
 人間ドックの検査結果はみてもよくわからない。とおっしゃられる方が多いので私たちも工夫を凝らして作成しているのですが、まだまだ努力が必要だなと感じるばかりです。

結果には何が書いてあるの?

 さて、人間ドックの判定にはいろいろなものがあります。代表的なものを示していきたいと思います。

・異常なし
・軽度異常
・経過観察
・再検査
・要精密検査
・治療中

それぞれ簡単に意味を説明すると

・異常なし
文字通り異常なしです。基準と比較して差がなかったという意味でとらえて頂けたらと思います。

・軽度異常
基準と決められている数値から少し離れているものの、治療をしましょう、再検査を受けましょうと言うほど数値などが基準から離れているわけではないので、様子を見ましょうという意味になります。

・経過観察
定期的に様子を見せてほしいという意味です。この「定期的に」という間隔は、指示があればそれに従ってもらえればよいですし、特に具体的な期間が示されていなければ次の健康診断、人間ドックのタイミング・・・など1年に1回ほどのペースで前回の時と変化がないかを確認ができる機会を設けてねというメッセージになります。
ここに、「生活習慣の改善をして」のようなコメントが追加されている時は、次の健康診断等の機会までその改善を続けた生活をして欲しいという意味になりますので、指示されたことを実施してみてください。

・再検査
検査の結果が基準とされる状態と離れているのですが、検査した日に、たまたま異常だったのか、他の日でも異常なのかを調べる必要があるというメッセージです。同じ検査をすることが多いのですが、その際、「お酒を控えて」、「食事を改善して」など再検査を受けるまでの間に生活の注意点などが伝えられることがあります。その時にはそれに従って生活をして、再検査に臨んでください。

・要精密検査
 同じ体の部分を調べるにも方法はたくさんあります。人間ドックの結果からその部位を違う検査方法で見せてほしいというのが要精密検査の意味になります。エコーの検査をした部位をCTで見せてほしいなどが例に挙がります。様々な方法がありますので、ご受診者様の状態に合わせた検査を選択して検査をします。

・治療中
 すでにその異常値だった検査項目を医師がフォローしている状態と捉えることが出来ます。主治医の先生に今回の人間ドックの結果を是非見せて頂き、指示をもらえるといいのではと思います。

人間ドックの目的とは

 人間ドックの役割の一つに「早期発見・早期治療」というものがあります。病気を早く見つけて早く治療が開始できた方が、治しやすかったり、患者さんも通院期間が短くできたり体の負担が少なかったりすることが多いのでメリットが高いのです。
 その為、人間ドックで使う「基準値」というものは、治療のために使う「基準値」よりも少し厳しめに設定されていることが多いです。
 少し早めに注意を促して治療に繋げようとしているわけですね。
 また、そうすることで治療しなくてはいけない状況を防ぐこともできるのです。例えば血糖値が少し高めなので、生活を注意してもらうことが出来れば、糖尿病になることを防ぐことができますね。

 人間ドックを受けられた皆さんは是非結果をよく確認して、もし病気があった場合に早期に発見、治療に繋げたり、それ以前に病気になるのを防ぐツールとして人間ドックを有効活用して頂けたらいいなと思います。


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