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『独白』

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#冬

掻き消された想い

まっ白な雪の中に指で文字を刻んだ。

明日にも消えちゃいそうな

震えた文章を書いたよ。

なぜなら僕の想いは

誰にも届きそうにないから。

雪のように積もる想いも

寒さに震えた感情も

何もかも踏み潰されて凍りついてしまった。

凍った僕の心は春を待ち、叫んでいる。

宵、酔い

静寂包む 冬の夜の街

酔いの漂う 熱い吐息

世界を覆う 黒い天蓋

空に散りばむ 儚い星に

故郷想う 孤独の空に

風に吹かれて

木枯らしに舞うゴミを見た。

世界はそれを無視し、呆れたけれど、

ぼくは微笑み、そして泣いた。

冬の風はぼくの空白を吹き抜けていった。

風の強い午後に          12/26