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始まる前から諦めない

ドイツに勝った。
サッカーのことをよく知らない私であっても、この事実がどれだけ衝撃的なことかわかってしまう。
ワールドカップで優勝したことがあるチームに勝つ。
ジャイアントキリングとはこのことか。
この衝撃的な事実を知って、私は初めて今サッカーのワールドカップが始まったことに気がついた。
それほどまでにワールドカップに興味がなかった。

正直、あまり好きではなかった。
事前の組み合わせやチームの成績で一喜一憂している報道が昔から好きになれなかった。
事前の結果が悪ければ、日本代表をボロボロに叩きまくり、事前の結果が良ければ、これでもかとヨイショする。
まるで模試の成績が悪ければお前はダメだと言いまくり、模試の成績が良ければおだてる予備校の講師。
今回もそう。
まだ大会が始まっていないにも関わらず、組み合わせが悪いからといって諦めムード。
もう興味もなくす。

そんな逆風の中で日本代表の選手たちは戦った。
監督、スタッフ、選手。
メンタルが強くないとこんな状況で戦っていられない。
自分の国の代表に対して、自分の国のメディアが諦めろと言わんばかりの報道。
味方が後ろからナイフを突き付けているかのよう。
けれども彼らは諦めなかった。
戦って勝つ。
そのために自分たちができることは全部やる。
そのくらいの気構えで大会に臨んだことだろう。
諦めた瞬間、投げやりなった瞬間、不貞腐れた瞬間、可能性はゼロになる。
諦めなければ可能性はゼロじゃない。

サッカー日本代表が戦う姿は、私たちに大切なことを教えてくれた。
始まる前から諦めない。
最初から諦めていたら、それはすでに負けた証拠だ。
少なくともカタールにいるサッカー日本代表チームは最初から諦めていなかった。
翻って日本にいる私たちはどうだったか。
始まる前から諦めていなかったか。
最初から諦めていなかっただろうか。
大会に向けて必死になっていた日本代表に対して、ボロボロに非難していなかったか。
別にな何でもかんでも非難してはいけないとは言ってない。
勝って欲しいから改善すべきところを非難するのは当然。
だけれども、最初から諦めるのは違うと思う。
そこにあるのは、本気で勝つ気があるかどうか。
覚悟の問題。
高校野球では判官贔屓するくせにサッカーでは自分の国が弱いと応援しないのは、流石にカッコ悪いと思う。
そんな厄介な国民に後押しされているサッカー日本代表チームに同情してしまうけれども、是非ともこのワールドカップも本気で勝ちに行って欲しい。

スポーツの世界には、最初から負けが決まっている試合などないのだから。
始まる前から諦めない限り。

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