三浦尚志

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三浦尚志

研究者 大阪出身 既婚 2児の父 勤務地つくば 趣味はお酒と音楽 週の半分は東京の四ツ谷~永田町をうろうろしています 研究テーマは住宅の暖冷房設備 加えて住宅の省エネ基準の評価を作ってます 1件でも多く良い家が建つお手伝いをしたいです

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住宅の環境設計(温熱環境や省エネ)に関することを学びます。住宅の省エネルギー基準や正しい環境工学に基づき、家の暖かさや寒さ、省エネなどを定量的に評価する方法を学び、住宅を設計する際に、間違ったうわさ・宣伝などに惑わされることなく、しっかりとした軸を持って判断できる力を養います。

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あまり使われていない付属部材の評価について(1)

建築物省エネ法(住宅)では窓に付属部材をつけた場合の評価として、付属部材をつけた時のηd値が表形式で提供されています。外付けブラインドや和障子の値を見ると、他の列の値よりも圧倒的に値が小さい。例えば二層Low-E複層ガラスの日射取得型が0.64、日射遮蔽型が0.40、その差0.24なのに対して、同じ日射取得型のガラスに外付けブラインドをつけると0.15にまで減らすことができます。 このように、付属部材による日射遮蔽効果は抜群なのにもかかわらず、建築物省エネ法ではほとんど利用

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    • 水蒸気と水(2) 〜水と水蒸気、結露〜

      前回、物質には3つの相があって、気体・液体・固体、あるいは気相・液相・固相ということを説明しました。特に、水の場合は、気体・液体・固体の場合をそれぞれ特別に、水蒸気・水・氷と呼ぶことを説明しました。 今回は少し水蒸気に着目して説明したいと思います。 水と水蒸気の状態ここに、何かビンのような水を入れる容器があったとします。この中には水が入っています。水は、なんとなく、分子同士が拘束しあってドロドロと動いている状態であるということを言いました。顕微鏡レベルでの話です。余談です

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      • 水蒸気と水(1) 〜水蒸気の正体〜

        注:圧力をあげると気体が液体、固体になっていくの部分で若干の間違いがあっため、加筆・修正しました。(2024.2.12) 水蒸気を勉強することは大切なことです。一般的に水と呼ばれる分子、分子記号で言うとH₂Oですが、これが気体の状態にあるのを水蒸気、液体の状態にあるのを水、個体の状態にあるのを氷と言います。 水蒸気とは何か?良く聞く言葉なので、なんとなくはわかっていると思います。空気中に水蒸気が多い状態を湿度が高い、水蒸気が少ない状態を湿度が低いといいます。水蒸気を含む空

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        • エアコン(8) 〜カタログに表記される効率について〜

          前回、蒸気機関の仕組みを通してカルノーサイクルについて勉強しました。 蒸気機関は高温から低温に熱を移動させることによって動力を生み出す仕組みでした。ヒートポンプは逆で、動力を与えることによって低温から高温に熱を流す仕組みでした。細かい部分では色々と違いがあるものの、大雑把な言い方をすると、ヒートポンプは蒸気機関の逆、蒸気機関が熱から力を生み出す仕組みであり、力から熱を生み出す仕組みがヒートポンプであると理解してください。 また、カルノーサイクルとヒートポンプサイクルを比較

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          建築物省エネ法(住宅)では窓に付属部材をつけた場合の評価として、付属部材をつけた時のηd値が表形式で提供されています。外付けブラインドや和障子の値を見ると、他の列の値よりも圧倒的に値が小さい。例えば二層Low-E複層ガラスの日射取得型が0.64、日射遮蔽型が0.40、その差0.24なのに対して、同じ日射取得型のガラスに外付けブラインドをつけると0.15にまで減らすことができます。 このように、付属部材による日射遮蔽効果は抜群なのにもかかわらず、建築物省エネ法ではほとんど利用

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          水蒸気と水(2) 〜水と水蒸気、結露〜

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          前回、物質には3つの相があって、気体・液体・固体、あるいは気相・液相・固相ということを説明しました。特に、水の場合は、気体・液体・固体の場合をそれぞれ特別に、水蒸気・水・氷と呼ぶことを説明しました。 今回は少し水蒸気に着目して説明したいと思います。 水と水蒸気の状態ここに、何かビンのような水を入れる容器があったとします。この中には水が入っています。水は、なんとなく、分子同士が拘束しあってドロドロと動いている状態であるということを言いました。顕微鏡レベルでの話です。余談です

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          水蒸気と水(1) 〜水蒸気の正体〜

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          注:圧力をあげると気体が液体、固体になっていくの部分で若干の間違いがあっため、加筆・修正しました。(2024.2.12) 水蒸気を勉強することは大切なことです。一般的に水と呼ばれる分子、分子記号で言うとH₂Oですが、これが気体の状態にあるのを水蒸気、液体の状態にあるのを水、個体の状態にあるのを氷と言います。 水蒸気とは何か?良く聞く言葉なので、なんとなくはわかっていると思います。空気中に水蒸気が多い状態を湿度が高い、水蒸気が少ない状態を湿度が低いといいます。水蒸気を含む空

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          水蒸気と水(1) 〜水蒸気の正体〜

          エアコン(8) 〜カタログに表記される効率について〜

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          前回、蒸気機関の仕組みを通してカルノーサイクルについて勉強しました。 蒸気機関は高温から低温に熱を移動させることによって動力を生み出す仕組みでした。ヒートポンプは逆で、動力を与えることによって低温から高温に熱を流す仕組みでした。細かい部分では色々と違いがあるものの、大雑把な言い方をすると、ヒートポンプは蒸気機関の逆、蒸気機関が熱から力を生み出す仕組みであり、力から熱を生み出す仕組みがヒートポンプであると理解してください。 また、カルノーサイクルとヒートポンプサイクルを比較

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          エアコン(7) 〜カルノーサイクル〜

          「ベーシックプラン」に参加すると最後まで読めます

          これまで、エアコンの原理を、ヒートポンプ回路を用いて説明してきました。ヒートポンプ回路では、圧縮機、熱交換器、膨張弁が重要な役割を担っていました。そして、それぞれのパーツについて詳細な解説を行いました。 今回からは、具体的な機械・部品の説明から離れて、ヒートポンプの効率に着目して説明していきたいと思います。 まず、ヒートポンプ効率を議論するはじめとして、逆カルノーサイクルについて触れたいと思います。

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          エアコン(7) 〜カルノーサイクル〜

          エアコン(6) 〜熱交換器〜

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          前回、前々回と、ヒートポンプサイクルを構成する重要な部品である圧縮機と膨張弁について説明を行いました。 今回は、熱交換器について説明します。 様々な熱交換器熱交換は非常に重要な技術です。エアコンに限った技術ではありません。 例えば、車のエンジンは放っておくと高温になりすぎるので、エンジンから出た熱をなるべく放熱するために熱交換する仕組みがあり、その熱交換する部品をラジエーターと言われます。 あるいは住宅の設備では、ガス給湯機や石油給湯機のように、ガス・石油を燃焼室で燃

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          エアコン(6) 〜熱交換器〜

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          エアコン(7) 〜カルノーサイクル〜

          これまで、エアコンの原理を、ヒートポンプ回路を用いて説明してきました。ヒートポンプ回路では、圧縮機、熱交換器、膨張弁が重要な役割を担っていました。そして、それぞれのパーツについて詳細な解説を行いました。 今回からは、具体的な機械・部品の説明から離れて、ヒートポンプの効率に着目して説明していきたいと思います。 まず、ヒートポンプ効率を議論するはじめとして、逆カルノーサイクルについて触れたいと思います。

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          前回、前々回と、ヒートポンプサイクルを構成する重要な部品である圧縮機と膨張弁について説明を行いました。 今回は、熱交換器について説明します。 様々な熱交換器熱交換は非常に重要な技術です。エアコンに限った技術ではありません。 例えば、車のエンジンは放っておくと高温になりすぎるので、エンジンから出た熱をなるべく放熱するために熱交換する仕組みがあり、その熱交換する部品をラジエーターと言われます。 あるいは住宅の設備では、ガス給湯機や石油給湯機のように、ガス・石油を燃焼室で燃

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          エアコン(5)~膨張弁~

          前回、ヒートポンプ回路の説明を行いました。 暖房運転は室外から室内に熱を運び、冷房運転は室内から室外に熱を運ぶというように、熱の流れる向きが逆になります。 ヒートポンプ回路は、圧縮機・熱交換器・膨張弁・そしてもう1つの熱交換器という4つのパーツに成り立つということを説明しました(次図)。 そして、この4つのパーツの位置は同じで、冷媒を流す向きを逆にすることで、暖房と冷房とで熱の流れる向きを切り替えることができることを勉強しました。 ただし、圧縮機の場合は、入口と出口が

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          エアコン(5)~膨張弁~

          エアコン(4)~暖房と冷房の切り替え・圧縮機~

          これまでヒートポンプ回路について説明してきました。前回、より現実的な冷媒(R410A)を想定した温度設定に説明を変更し、さらにこれまで便宜的にピストンを用いて回路の説明をしてきたところを、実際と同様に冷媒が圧縮機・熱交換器・膨張弁・熱交換器を通る説明に変更しました。 圧縮機・熱交換器・膨張弁・熱交換器、この4つの部品がエアコンのヒートポンプサイクルを理解するうえでキモとなります。 これらの部品を説明する前に、ここで説明している図は冷房を前提とした図でしたので、暖房を前提

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          エアコン(4)~暖房と冷房の切り替え・圧縮機~

          多様な住宅空調設備を評価するための暖冷房負荷計算の開発(4)

          前回からの続きです。 本記事は、令和4年度国立研究開発法人建築研究所講演会で講演した内容をもとにしています。講演会では時間的な制約があったため、この内容をもとに、大幅に加筆(&修正)しています。 講演会の動画はこちらから視聴できます。 住宅の暖冷房エネルギーの消費量の予測に暖冷房負荷計算は欠かせません。この記事では、新たに暖冷房負荷計算を開発する狙い・意義・概要について説明します。 まとめ計算した結果 開発した負荷計算の計算結果の例を次に示します。 このような形

          多様な住宅空調設備を評価するための暖冷房負荷計算の開発(4)

          エアコン(3) ~ヒートポンプの回路~

          前回、ヒートポンプの仕組みについて解説しました。次の図のようにシリンダー内の空気を圧縮したり膨張させたりして熱を吸放熱させることを説明しました。 ここで効率的に熱を運ぶために、温度を上げて熱を蓄えるのではなく、蒸発潜熱を活用して熱を蓄えることを説明しました。今回、この圧縮、放熱、膨張、吸熱のサイクルを蒸発潜熱を用いて書き換えたいと思います。 蒸発潜熱を活用したヒートポンプサイクルそれでは、先ほどのシリンダーを使ったサイクルの図を、少しリアルな温度に書き換えたいと思います

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          エアコン(3) ~ヒートポンプの回路~

          エアコン(2)~蒸発潜熱・ヒートポンプに使われる冷媒~

          前回より前回、ヒートポンプ技術の概要について説明しました。圧縮~放熱~膨張~吸熱のサイクルを繰り返すことによって、温度が低いところから温度が高いところに熱を流すことができることを説明しました。 今回、もう少し、ヒートポンプ技術の細かい部分について見ていきたいと思います。 吸熱と放熱次図は前回説明した圧縮、放熱、膨張、吸熱のサイクルです。今回、この、放熱と吸熱の部分について見てみます。 まず、放熱です。図の右上の部分を見てください。図では、シリンダー内部の温度は70℃と

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          エアコン(2)~蒸発潜熱・ヒートポンプに使われる冷媒~

          エアコン(1) ~ヒートポンプ基礎~

          今年(2013年)の夏はとても暑かったです。連日、猛暑でした。外に出ると、暑さにやられて、何をする気にもなりません。 猛暑日でなければ、暑さの原因は強い日差しで、外の温度は意外と涼しい場合があります。外が涼しいのであれば、徹底的に日射を遮り、風を取り入れて室内を涼しくすることもできます。しかし今年の夏のように、連日猛暑日が続き、外の空気が40℃近くまで上がるような場合は、エアコンをつけるしかありません。 夏の冷房に欠かせないエアコン。今回、エアコンの仕組みについて説明を行

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          エアコン(1) ~ヒートポンプ基礎~

          多様な住宅空調設備を評価するための暖冷房負荷計算の開発(3) ~開発中の暖冷房負荷計算の概要~

          前回からの続きです。 本記事は、令和4年度国立研究開発法人建築研究所講演会で講演した内容をもとにしています。講演会では時間的な制約があったため、この内容をもとに、大幅に加筆(&修正)しています。 講演会の動画はこちらから視聴できます。 住宅の暖冷房エネルギーの消費量の予測に暖冷房負荷計算は欠かせません。この記事では、新たに暖冷房負荷計算を開発する狙い・意義・概要について説明します。 開発中の暖冷房負荷計算の概要全体像 開発している暖冷房負荷計算はデータの流れとして

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          多様な住宅空調設備を評価するための暖冷房負荷計算の開発…

          多様な住宅空調設備を評価するための暖冷房負荷計算の開発(2) ~暖冷房負荷計算・建築物省エネ法における暖冷房負荷計算~

          前回からの続きです。 本記事は、令和4年度国立研究開発法人建築研究所講演会で講演した内容をもとにしています。講演会では時間的な制約があったため、この内容をもとに、大幅に加筆(&修正)しています。 講演会の動画はこちらから視聴できます。 住宅の暖冷房エネルギーの消費量の予測に暖冷房負荷計算は欠かせません。この記事では、新たに暖冷房負荷計算を開発する狙い・意義・概要について説明します。 暖冷房負荷計算暖冷房負荷を決定する熱取得と熱損失 暖冷房負荷は室内が取得する熱と損

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          多様な住宅空調設備を評価するための暖冷房負荷計算の開発…

          多様な住宅空調設備を評価するための暖冷房負荷計算の開発(1)~背景~

          本記事は、令和4年度国立研究開発法人建築研究所講演会で講演した内容をもとにしています。講演会では時間的な制約があったため、この内容をもとに、大幅に加筆(&修正)しています。 講演会の動画はこちらから視聴できます。 住宅の暖冷房エネルギーの消費量の予測に暖冷房負荷計算は欠かせません。この記事では、新たに暖冷房負荷計算を開発する狙い・意義・概要について説明します。 背景シミュレーション 近年、住宅をはじめとし、建築物のエネルギー消費量を削減することが、ますます重要になっ

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          建築物省エネ法の外皮の評価の微妙な部分

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