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エアコン(8) 〜カタログに表記される効率について〜

割引あり

前回、蒸気機関の仕組みを通してカルノーサイクルについて勉強しました。

蒸気機関は高温から低温に熱を移動させることによって動力を生み出す仕組みでした。ヒートポンプは逆で、動力を与えることによって低温から高温に熱を流す仕組みでした。細かい部分では色々と違いがあるものの、大雑把な言い方をすると、ヒートポンプは蒸気機関の逆、蒸気機関が熱から力を生み出す仕組みであり、力から熱を生み出す仕組みがヒートポンプであると理解してください。

蒸気機関とヒートポンプ

また、カルノーサイクルとヒートポンプサイクルを比較して、そのサイクル、圧縮〜放熱〜膨張〜吸熱のサイクルが、カルノーサイクルの逆回しになっていることから、ヒートポンプサイクルのことを逆カルノーサイクルと呼ぶということを説明しました。

カルノーサイクルとヒートポンプサイクル

カルノーの理論では、効率の上限値、つまり理論的な効率、カルノーの理論効率は次のように表すことができることを学びました。そして、効率を考えた時、蒸気機関は熱から力を生み出す仕組みですから、効率の分母は熱、つまり石炭を燃やす量、効率の分子は得られる力・仕事となります。一方、ヒートポンプの効率は、ヒートポンプは力から熱を生み出す仕組みですから、効率の分母は力、つまり圧縮機を回すのに使われる電力、分子は移動する熱となります。分母と分子が逆です。従って、ヒートポンプの理論効率はカルノーの理論効率と分母と分子が逆の関係になります。

蒸気機関とヒートポンプの効率の定義

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