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『もっと気になる社会保障』『ちょっと気になる社会保障V3』『ちょっと気になる政策思想』…

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『もっと気になる社会保障』『ちょっと気になる社会保障V3』『ちょっと気になる政策思想』『ちょっと気になる医療と介護』『年金、民主主義、経済学――再分配政策の政治経済学Ⅶ』『医療介護の一体改革と財政――再分配政策の政治経済学Ⅵ』など、他には『再分配政策の政治経済学』Ⅰ~Ⅴ等。

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勿凝学問(学問に凝る勿れ)

解題昔々、勿凝学問(学問に凝(こ)る勿(なか)れ)というタイトルで、いくつも文章を書いていた時代があった。どのくらいの本数を書いてきたかというと、こんな感じ――これまで合計すれば400数本も書いてきている。 こうした元気の良いことは、まぁ50歳までだなっと考えていたから、書いた本数はそうした感じになっている。その後は、どこかで講演などをして、講演録もあるから記録でも残しておこうと思って書き残してきた程度である。次のリンク先に、過去の勿凝学問があるのでお手すきの時にでも・・・

    • 高齢社会対策大綱の策定のための検討会での発言録

      明日の授業のために急ごしらえ (第5回以降は、急ごしらえ以降の追加分) 高齢社会対策大綱の策定のための検討会(令和6年2月~) - 内閣府 (cao.go.jp) 第5回会議(2024年5月20日)提出資料 第4回会議(2024年4月15日)○権丈構成員 日頃、医療・介護・年金の世界にいる者からしますと、住宅政策の充実とかまちづくりは心より推進してもらいたい話になります。  2013年の社会保障制度改革国民会議では、「ヘルスケアをベースとしたコンパクトシティ」づくりを言

      • 老後は金沢よりも福井がいいかなという、医療や介護の話

        勿凝学問431昨晩、ブラタモリで福井をやっていた。 セレクション 「福井 〜福井のルーツは“消えた都市”にあり!?〜」 - ブラタモリ - NHK 僕としては500年間忘れられていた一乗谷の入り口に、なぜ「城戸」という地名が残っていたのか、いや、「城戸」という地名が残っていたのに、なぜ500年間忘れられていたのかが知りたいところだったが、そこは問にもなってなかった・・・。 ブラタモリ福井編を見たのを機会に、6月に福井に行って医療の話をしたときの講演録をnoteに貼り付けて

        • 年金周りでの後悔先に立たずの人生選択

          勿凝学問430  公的年金に関することで選択ミスをすると、取り返しの付かない話になるために、結構辛い人生になる。たとえば、早い年齢からの繰上げ受給を選択して、長生きしてしまった場合は、後悔先に立たず、という残念な思いをすることは想像できる。 後悔するカマキリ君  先日、あるところで年金の話をしてきた(依頼は「長期給付の課題と展望」、つまりは公的年金)。後日、事務局の窓口となっていた人から、次の連絡がくる。 そこで、次の返事を送る。  ここでいう、「カマキリ君」というのは

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          指定労働時間と、年収の見えない「壁」

          勿凝学問429賃金と指定労働時間のセットで提示される就労条件次は、1981年に大学に入学した年の「経済学」の授業で使われていた教科書、西川俊作先生著の『経済学』の一文である。 今の時代、ほとんどの場合、この文章にある「雇われ労働」である。雇われの身の雇用者は雇う側の雇用主によって提示される「賃金と指定労働時間のセット」の就業条件を受諾するか否かを決定する。普通に見られる、当たり前の光景である。次のような状況をみてみよう。 次はどうだろうか。 次の図は、2007年に出し

          指定労働時間と、年収の見えない「壁」

          勤労者皆保険と従来の適用拡大論議の距離

          勿凝学問428第5回経済前提専門委員会(2023年8月24日)での発言  勤労者皆保険と従来の適用拡大論議は異なるもの。そういう話を先日した。  時、第5回社会保障審議会年金財政における経済前提に関する専門委員会(2023年8月24日)――以下、経済前提専門委員会と呼ぶが、この会議については、次のnoteの冒頭を参照。 公的年金の財政検証、生産関数そして全要素生産性など|kenjoh (note.com) この日は、有識者ヒヤリングとして河野龍太郎氏が「日本の潜在成長率

          勤労者皆保険と従来の適用拡大論議の距離

          公的年金の財政検証、生産関数そして全要素生産性など

          勿凝学問427 財政検証という仕組み日本の公的年金は、5年に一度、財政検証という健康診断を行っている。律儀な日本らくし、今は、むこう100年先まで見越した試算を行っているわけだが、そうした国は他にはない。 財政検証で行われている試算は、投影projectionであり予測forcastではない。この考えは公的年金を理解する上で、最重要な考え方である。と言っても、その事実を受け入れたくない人たちは、財政検証は投影であるとう事実を無視した年金論を展開し続けていたりはする。どうも、

          公的年金の財政検証、生産関数そして全要素生産性など

          コーホート戦略を遺族年金に速やかに

          勿凝学問426先月の年金部会で遺族年金・加給年金が議論される(第6回社会保障審議会年金部会2023年7月28日)。先日、東京くらし方会議の事務局(東京都産業労働局)との打ち合わせの際に、そのあたりの話を例として、コーホートで政策を変えるくらいの意識の大切さを説明したので、彼らに年金部会で話したことの意図を紹介するためにまとめてみる。 資料 あの日の発言は、『ちょっと気になる「働き方」の話』の中の次の文章がベースにあった。  ちなみに250万年を24時間に例えると、一世

          コーホート戦略を遺族年金に速やかに

          レントシーキング社会における低い生産性

          勿凝学問425 「年金財政における経済前提に関する専門委員会」というのが、社会保障審議会年金部会の下にある。5年に一度の公的年金の財政検証という投影(プロジェクション)を行う際の経済前提を議論する会議である。 第4回専門委員会(2023年6月30日)では、法政大学の山田久先生が招かれ、「スウェーデンの賃金・雇用システムとわが国への含意」を話された。 山田先生の資料  山田先生の話の核は、「産業、雇用構造がダイナミックに変化して実質労働生産性が向上する。その実質労働生産性

          レントシーキング社会における低い生産性

          就業調整で失っているものは何か

          勿凝学問424昨日(2023年7月25日)の記事の紹介 2023年7月25日、次がアップされたので、noteでも紹介しておきます。 【一筆多論】年収の壁と厚生年金ハーフ 佐藤好美 - 産経ニュース (sankei.com) 「いくら何でも、無防備過ぎるのではないか。」――いいですね。そして、厚生年金ハーフの説明として次もよし。 そう。厚生年金ハーフは、「手取り減が生じる人たち」しか対象にしていない。そのあたりが分かっていない論者もいたりするが、まぁ、昔から間違い続けた人

          就業調整で失っているものは何か

          マクナマランの誤謬と医療経済学

          勿凝学問423『日本病院会雑誌』から毎年夏前になると、銷夏随筆というエッセイの依頼がくる。銷夏とは、暑さをしのぐこと――これまでのものは次。 銷夏随筆(2017年~) 今年は、次のようなエッセイを書く。 銷夏随筆「マクナマランの誤謬と医療経済学」『日本病院会雑誌』2023年7月号

          マクナマランの誤謬と医療経済学

          歴史を踏まえ未来を創る社会保障政策論

          勿凝学問422様々な図がカラー版になった記念すべき講演録? 2023年3月9日に浜銀総研に頼まれて話したこと――於 横浜駅前の崎陽軒本店の講演会場。『Best Partner』の編集者がなかなかすばらしく、リード文をはじめ、見出しなども、ともて良い感じでまとめてくれる。そして様々な図が、カラー版になった記念すべき刊行物(?)。 『Best Partner』2023年7月号より 2024年『Best Partner』での出口さん、神野先生との鼎談 前回、『Best Part

          歴史を踏まえ未来を創る社会保障政策論

          時々おもしろく驚かせてくれる東京新聞――こども未来戦略会議から9日後

          勿凝学問421支援金制度(仮称) 2023年6月13日に、こども未来戦略会議は、第6回を開いて報告書をまとめている。その報告書には、次の文章がある。 すると、9日後の6月22日のことである。 東京新聞の「視点」なるほど。 この記事をみて、10数年前の2009年のことを思い出す。 下記に紹介する記事は、2009年7月26日の東京新聞の社説である。 当時の様子を描写するとすれば、翌日7月27日に民主党は「マニフェスト」を発表。16.8兆円は埋蔵金や予算の組みかえででてくるとし

          時々おもしろく驚かせてくれる東京新聞――こども未来戦略会議から9日後

          「専業主婦の年金3号はお得だ」って誰が言った?

          勿凝学問420 6月26日が、東洋経済オンラインのインタビュー記事がアップされて1ヶ月だった。6月26日時点、すなわち公開1ヶ月時点での「月間アクセスランキング」は次――1ヶ月経つと対象外となるという仕組みのようで。 この記事は、インタビュアーの野村明弘記者のオンライン記事として配信されていたので、ここにnoteにまとめておこうかと思う。 東洋経済オンラインの会員記事は次。 ・「専業主婦の年金3号はお得だ」って誰が言った? 慶応大・権丈氏が語る「年収の壁」論議の愚かさ |

          「専業主婦の年金3号はお得だ」って誰が言った?

          適用拡大から適用除外規定の見直しへ

          勿凝学問419適用拡大が、先日の年金部会の議題であった(2023年5月30日)。そこで、次のように話している。 第4回年金部会での発言あの日の全文を――いや、まだ発言しないつもりでいたら、いきなりさされてしまい。 議論の優先順位適用拡大から適用除外規定の見直しへ  被用者保険の適用除外規定は図を描いて考えたらいい 適用

          適用拡大から適用除外規定の見直しへ

          こども未来戦略方針がまとめられた日

          勿凝学問418第6回こども未来戦略会議で、「こども未来戦略方針(案)」が議論され、出席者全員による承認を得る。会議終了後に、「こども未来戦略方針」が閣議決定される(2023年6月13日)。 第6回こども未来戦略会議での発言 当日の発言は、次である。 本当は、改革時にはおよそ7割が反対していた04年年金改革が、今は、国際的に次のような評価を得ていることも発言に組み込みたかったのだが、限られた時間の中ではムリだったため断念。 韓国に送った日本の公的年金保険について次は、来週

          こども未来戦略方針がまとめられた日