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脳みそはいっぱいあった方がいい

開業準備にあたって進めている事の一つに「厨房設計」がある。
料理人にとって自分の料理を作る場は自分の自己表現の場であり
ゲストに最高の状態で料理を届けるために最高の動線を導き出したいところ。

フランスで働いているときは休みの日はほぼ一日中街のカフェに入り浸って未来の自分のお店を創造していて当然必要な厨房機器は「こんな料理をしたいからこれがいる」「こうやって食材を保存したいからこれがいる」などなど想いを膨らませていた。

とはいえ必要な厨房機器があったとしても結局のところ物件が決まらないとそれが全部入れられなかったりコストの問題で違うものにせざるをえなかったりするので、できる限り事前に頭の中ではっきりと描いておかないといけないなと実感する。

ハッキリと映像が出てくるか

まだ工事もしてない段階だけど物件を決めた大切なポイントが1つあって、それは「ハッキリとレストランの映像が浮かび上がるか」というところ。

大阪の「HAJIME」の米田シェフの本にいい物件に出会うと「レストランの姿が見えた」「まるでそこに設計図が浮かび上がるような」現象が起こると書いてあってそれを覚えていた。ただ米田シェフの場合は何十軒と見て回ってそういうものに出会われたらしいんだけれど僕はそれが一発目に来てちょっと戸惑った。


初めて足を運んでその建物を見たときに「ここは厨房にしたいな」「ここをエントランスにしてこういうアプローチで入って」などその景色が実際に想像できた。
まだ着工もしていないしお店自体もできていない僕が言うのもおかしな話なんだけれどこれから独立するために物件を探す人は一つの物件の選択基準として持っておくといいかもです✩


厨房業者さん

厨房設計に話を戻そう。
料理人によっては自分で図面を引いちゃう人もいるらしいし全部自分で機材などを決めて買う人もいるみたいなんだけれど残念ながら僕はそんな能力一切持ち合わせていないのでプロの厨房業者さんに図面や機材の提案はしていただいている。
選んだ会社は「フジマック」さん。


レストラン関係者の人で知らない人はいないぐらいの会社ですね。
フジマックさんにお願いした経緯は昨年、一昨年と広島の尾道の浄土寺で行われたフランス人シェフのイベントに調理補助で参加させていただいたときにお寺の土間に仮設の厨房を設置されていたのがフジマックさんだったから。

そのときのレイアウトがめちゃくちゃ動線がバッチリで仮設でもこんないい厨房に仕上げてくれる業者さんならきっとレストランの厨房レイアウトもきちんとして下さるなと思ったのがきっかけだった。

そして念には念をおして最初の見積や物件に対してのレイアウト案を他の業者さんにも依頼して値段やレイアウトや機材の良さを比べてみた。
比べるとその差がきっとわかりやすいし人によって相性もあるので比較するのはオススメ。



打ち合わせ、打ち合わせ、打ち合わせ


フジマックさんに大体の厨房レイアウトのイメージや必要な機材をお伝えして図面におこしてもらう。フジマックさんも当然商売でやってらっしゃるので売りたい商品、あとは優しさからこんなのもあった方が良くないですか?と提案してくださる。


ただそこはいくら厨房作りのプロとは言えど「厨房をデザインする人」と「実際に料理する人」は見てる角度が違ったりするので違うなと思ったところやいらないと思ったものはハッキリとお伝えして、自分の理想に近づけるにはここから他に何かアイデアはありますか?というやり取りを何度も何度も繰り返していった。


想いを巡らして創造していると自分も新たにアイデアが生まれたりするからその度に見積りや図面をやり変えてもらっているし、こないだはせっかく出してもらった見積もりから出来る範囲でコスト抑えたい旨をお伝えしたらフジマックさんは快く対応して下さった本当にありがたい。

現時点での図面
いい面でも悪い面でも誰かの参考になれば。


**脳みそはたくさんあった方がいい

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厨房設計を通しても実感するのだけど本当にコミュニケーションだなとつくづく。


僕はいろんな能力が人より低くてあんまり頭はよろしくない。
だから自分の能力を高く見積もらず人の力を借りれるところはさっさと借りちゃう。


コミュニケーションを取っていると自分の見てない視点からのアイデアが出てくるからやっぱり脳みそは一つよりも複数集まった方がいい。

これは僕が一人で料理するんじゃなくてスタッフを雇う理由や椅子に拘ったり器に拘ったり顔が見える食材を使う理由にも繋がっている。
広島の宮島口という地方の郊外に人に足を運んでもらうには「そこに足を運ぶ価値のあるもの」を作らなければいけなくて僕一人の力では無理ゲーで勝負はついてる。(まあでもリスクは取ってチャレンジはする)



とにかく自分の力を高く見積もってはダメでコンクールで勝ったからとかフランスの三ツ星で働いたとか、広島のミシュランの星つきレストランだとかは県外の人ははっきり言って誰も知らない。(広島のミシュラン取ってる方すいません。でも事実現実はそうだと思います)

レストランは料理はもちろん、レストランに関わるあらゆるものをアウトプットできる場所なのでいろんなヒト、モノ、コトが混ざり合っちゃったほうがいい。
食を通して素敵な風景が見たいっす✩

#開業準備 #料理 #コラム #思うこと #レストラン #厨房作り #設計 #コミュニケーション



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