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冬学期の開始

冬学期がようやくはじまった。

ゲッティンゲン大学は総合大学で、日本でいうところの工学部を除くすべての学部がそろっている。興味があれば他の学部の講義も取ることができるのだが、あまりに多すぎて興味のある分野の授業を探し出すだけでも骨が折れる。

学部と言っても、特に理科系は日本の学部のくくりよりもだいぶ細分化されている。過去に多くのノーベル賞受賞者を輩出したという経緯が影響しているのかもしれない。物理学部なんかは結構日本人の留学生も多いそうだ。あと、森林系の学部が独立しているのも日本では考えられない特徴。もっともこれは歴史的な経緯があるようで、1970年代までは森林学部はハン・ミュンデンに別組織としてあったらしい。ちなみに、森林学部の修士1回生では僕以外にもう1人。彼は学部からドイツで勉強しているとのことで、修士もドイツ語のコース。ついでに森林学部の留学生の出身国の構成で驚いたことを挙げると、コロンビアをはじめとする南米の学生が多いことと、東アジアからの留学生がとても少ないこと。後者は森林学部だけの特徴で、大学全体では中国人留学生がとてもたくさんいます。後、アメリカ人に一人も会っていないというのもユニークな点。北米からの留学生はほとんどいないんだそう。

日独150周年記念事業の一環でJapanTageというイベントが学内で開催された

かつて受講した日本の大学や大学院の講義と比べると、かなり親切に教えてくれる印象が強い。もっとも、僕が日本で大学生だった90年代当時は授業でパワーポイントが使われるなんてこともなければ、授業で使った資料をすぐに学内のデータベースにアップロードできるシステムなんてのもなかったから、今は日本の大学でもこのぐらい親切に先生が教えてくれるようになっているのかもしれない。

後、変わっているのがテストの仕組み。テスト週間というのが3~5週間設定されていて、事前に必ずテストを受講する旨登録しなくてはならない。授業を受けること自体は必ずしも登録がいらない=出欠は取らないのだが、このテスト登録だけは必ずするように、とオリエンテーションでしつこく言われた。おそらくだが、万が一それを忘れてしまった場合、ドイツ人メンタリティーからすると後から登録してくれるという融通はないのだろう。

さらに驚くのは、各授業毎のテストの日時を先生側から指定してくることはほとんどないこと。僕のコースでちゃんと指定してきたのはDeanである教授一人だけ。他の授業では「テストの日時についてはみなさんの意見を聞きますので、来週までに取りまとめてきてね」と言われてとまどった。僕のコースのとりまとめは僕がすることになったので、今、フェイスブックとメールを駆使して調整している最中。お客さんがいる仕事ではないのでのんびり構えているけど、やはりそれぞれの希望があるので調整になかなか手間がかかる。9月から一緒の友人たちは性格もわかっているからやりやすいけど、直前に到着してまだあまりよく知らない学生も数人いたりして、ちょっと大変。

テスト日程については、日本式に『何月何日何時から』と先生が一方的に決めてくれるほうが断然よい。どうせ受けなくちゃいけないんだし、そんなべらぼうに難しい内容ではないし(わざわざ大学院に来る連中が関心のある分野のテストをしくじるとは思えない)、日程がタイトになっても大丈夫だと個人的には思います。


オリジナル版公開日:2011年10月27日

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