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お仕事の内容③書籍の執筆

今回は、自分がサラリーマンを卒業してやっている仕事のうち、中年世代のスローな自立を支援する書籍の執筆について書いていきたいと思います。

なお、仕事とはいえ、まだ出版できていないですし、企画は通っているものの最終的には内容を見て判断と言われているので、ほぼ趣味の範疇です。

中年世代のスローな自立とは

中年世代のスローな自立とは、中年世代(主に40代、後期中年として50代)のスロー(2・3年程度をかけた)な精神的・経済的な自立のことを指します。

きっかけ

私は2020年の新型コロナウィルスの感染拡大による社会のうねりに危機感を覚え、自立したビジネスパーソンとなるべく活動を始めたことは、いつかの振り返り記事でも書かせていただきました。

そのこと自体は嘘ではないのですが、その危機感を覚える前提として、おそらく数年の間、組織とそれに属する自分に対して不満がありました。

組織は組織のていを保つための組織内部だけのコスプレ的なルールが必要で、それに属する個人は、個人の想いよりも所属する組織のコスプレを優先して踊らなければならないことが多くあります。

組織の中で期待されていたり注目されていたりする組織や個人は、自らの都合に合わせて独自の解釈を加えたり、コスプレの範疇でのローカルルールを作れたりするのですが、大半のそうでもない人たちは、自分がコスプレをしていることにも気づかず、良かれと思って必死に踊っています。

また、コスプレに長く浸かった組織や人たちに「なぜこうなっているのですか?」「なぜこうできないのですか?」と問うても「そういうルール(のコスプレ)だから」という答えしか返ってこないことが多く、なんだかなぁ、と思っていたんだと思います。

この絵はかなり悪意がある。全部DALL-Eのせいだ。

とはいえ、根本的な不満は組織のルールがどうこうということではなく、納得できないルールとリズムに合わせて踊ることでしか生きていけない自分に対する葛藤だったと思います。

嫌なんだけど、そこにいるしかない。
全てが嫌なわけではない。大半はいいことばかりで、たまに嫌なことがあるだけだ。
だったら、一部の嫌なことは片目をつむり、そこにあるものがあたかも善きものであるかのように立ち振る舞った方が気持ちが楽だ。
なので、イヤイヤでもそう見せずに踊ろう。それしかないじゃん。

そう納得したことにして、自分の心から目を背け、ゆっくりと心の瑞々しさを失って行ったんだと思います。

そんな中、新型コロナウィルスの感染拡大によって、在宅勤務が推奨され、社会がうねり、自社に限らずどこの組織もうまく対処できてない様をたくさん見て、危機感を覚えると同時にある意味では
「今がチャンスだ。」
と感じて、副業を始め、失敗を繰り返し、たまに成功して、いろんな人と仕事に助けていただき、今の私があります。

危機感が芽生えたのが2020年の4月。会社を辞めて独立したのが2022年の9月末ですので、自立の準備期間は2年半程度かかったことになります。

で、この経験を間近で見ていたある方から、
「まつけん、それ、知りたい人がおると思うで。本、書いたら?」
と進められ、なるほどなと勘違いして、ニュースピックス主催のビジネス書籍企画クラスに通い、ディスカヴァー・トゥエンティワン創設者の千場さんの指導を受け、現在執筆中です。

なお、執筆を続けているうちに、個人の自立に対する自分の解像度を高める必要があることを感じ、現在は筆を置き、『副業者100名、副業を始めようと思っているけど始められない人100名』へのオンラインヒアリングを進めているところです。

当初は2024年3月までにヒアリングを終えたいと思っていたのですが、業務多忙を言い訳に進捗が芳しくないので、今日からヒアリングのお願いと予約を入れていきたいと思います。

副業をすでに始めている方で、この種のオンラインヒアリングに協力してもいいな、と思っていただける方は、ぜひ、下述のリンクの副業実践者へのアンケートにご協力いただけるとありがたいです。よろしくお願いします。

では、今回はここまで。次回も頑張るぞ。

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(おまけ)
今回はおまけとして、現在企画・執筆・取材中の書籍の前書きを共有します。ご笑覧ください。
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はじめに  

 100歳まで生きてしまう時代へ 

「大企業に入れば、一生安泰」かつて、日本にはそう言う価値観がありました。 

それは「新卒で入った会社で勤めあげたら、会社からの十分な退職金と国からの年金で、悠々自適に過ごせる」という、昭和の高度成長期にサラリーマンを過ごした大先輩がたが作ったサラリーマン神話から生まれたものです。

 一方で現実は、サントリーホールディングスの新波社長が提唱して物議を醸した45歳定年制度や、経団連や世界のトップ企業であるトヨタの経営者からの発言にもあるように日本の終身雇用制度は崩壊することが「決定している未来」です。

 加えて日本の年金制度も崩壊しています。国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、現在は、高齢者1人の生活を4人の現役世代で支えています。それが2040年(たった16年後)には、現役世代2人でひとりの高齢者の生活を支えなくてはなりません。そうなれば、年金支給開始年齢はさらに高まり、ひとり当たりの支給金額も減らさざるをえません。その状況の中、多くの人々が100歳まで生きることになる。これも「決定している未来」です。

 問題はそれだけではありません。今、40代後半〜50代前半を過ごす我々第二次ベビーブーマーの多くは、働きがいにも課題を感じています。40代半ばになると、出世する個人としない個人の選別もひと段落し、自分の役職の天井が見えてきます。
その結果、多くの中高年サラリーマンが自分の仕事のやりがいを失い、毎日を「こなす」、働かないおじさん化し、やがて「働けないおじさん・おじいさん」になっていく。それも日本の「決定している未来」です。

 わたしたち中年世代はその決定している未来に直面し、環境の変化に対応せざるを得ません。必要なことは、決定している未来を冷静に分析し、それに備えて考え方を変え、具体的な行動をはじめることです。

いつか終わるコスプレだと分かっていても

 みんなで同じような言葉遣いをし、似たような服装をして、誰かが言った正しそうなことを「大事ですね」としたり顔で言い合うサラリーマン組織は、ある意味では「コスプレ会場」のようなものです。経営者が作った世界や価値観にうまく染まり、文化に合わせて上手に踊れる人が評価され、より良い舞台(仕事)と称号(役職)を与えられる。

 ただ、そのコスプレもいつか終わりが来ます。それが退職の日です。コスプレ会場の中で大事とされた立ち振る舞いやノウハウは、コスプレ会場の外では役に立ちません。

 しかし、わたしたち中年の多くは、中年ならではの事情を抱えています。それが誰のせいであろうと何のせいであろうとも、結果としては、昨日と同じ今日を迎え、今日と同じ明日をくりかえすループから抜け出ることができません。そしてそんな毎日に、不安を抱えて生きています。「自分はこのままで良いのだろうか」と。

 本書の狙いはわたしたち中年が「決定している未来」に備えるための具体的な考え方と行動の始め方を共有することです。

なぜ「スローな自立」を支援するのか。

 ご挨拶が遅くなりました。この本の著者、松木健治と申します。
 2002年に東京急行電鉄株式会社に入社し、2022年に卒業。今は、独立プロジェクトマネージャーとして、企業や行政からプロジェクトリーディング業務を受託したり、独立事業者仲間と新規事業を手がけたりして生計を立てています。
 また、2020年から始めたコーチングや、オンラインコミュニティ活動、企業と連携した副業支援などを行い、主に自分と同世代のミドル層の個人としての自立を支援する活動を続けています。

 会社を辞めて独立事業者として生きているわたしのところには、同世代のサラリーマンの方がたから「どうやったら会社を辞められるのか」「どうやったら起業できるのか」というご相談を頂きます。しかしわたしは、拙速な転職や、独立をお勧めしません。特に同世代からの相談に対しては、中年だからこそできる経済的・精神的な自立のすすめ方を推奨します。

 将来に不安を抱え、現状に不満を持ち、その環境をどうにか変えたいと思う気持ちは理解できます。しかし、我々中年世代のサラリーマンは会社から生活のための十分な収入を得ており、今すぐたくさん稼ぐ必要はありません。で、あれば、今の仕事を続けながら、自分が「好きで・得意で・やれる」ことを見つけて、細々と、そしていつか自分の「生きがいと生活を両立する」くらいを稼げるようになる準備をすればいい。それがわたしの提唱する「スローな自立」です。

 そして、なぜわたしが「スローな自立」を支援するかといえば、それがわたしたち中年層にできる「未来の日本を元気にする方法」だと信じているからです。

”副業ができない”は思いこみ 

「会社で禁止されているから副業ができない」
そういうご意見をよく聞きます。でも、よく考えてください、就業規則は就業時間の中の立ち振る舞いを決める規則です。就業時間以外の活動を縛ることは不可能です。

「会社の中はルールよりも人間関係。副業をしていることがバレたらどういう冷遇を受けるかわからない」
 そういうご意見もよく聞きます。それはその通りでしょう。でも報酬を受けなければ? ボランティアやプロボノをして副業を見出す準備を進めることはできないでしょうか? いつか環境が整った時のために、信頼の貯金と貯めておく活動は副業と呼べないでしょうか?
 今や「副業ができない」なんていうのは、行動をしてない人の思い込み、もっと言えば行動をしない言い訳にすぎないのです。

中年だからできるスローな自立への道

 では、具体的に何をどう進めればスローに自立できるのか。本書の章立てを説明することで、流れを共有させてください。

 序章では、本書で提唱する個人の自立とは何かを共有します。また、我々が自立をしないことによる将来予測を行います。統計やデータを引用しますが、多くのことは既知の内容でしょう。復習のつもりで「ふんふん」と通読してください。なお章の最後では、わたしたち中年が自立することの意味についても改めて考えてみたいと思います。

 第二章では、なぜわたしたち中年が自立できないのかを紐解きます。私たち中年は、中年ならではの自立できない事情を抱えています。でも、それは本当でしょうか。これまでの私の経験や世の中の状況から、冷静にその前提を疑ってみますので、あなたの状況に照らし合わせながら読み進めてください。

 第三章では、副業を実践されている方々100人へのヒアリングを共有します。中年らしい副業の始め方やその内容、続け方などについての分析も行いますので、もし自分がこういう副業をしていたらどうだろうかと、ワクワクして読み進めてください。

 そして終章では、100人のヒアリングとわたしの経験から抽出した、中年だからこそできるスローな自立のはじめ方を具体的に5つのステップでお伝えします。ぜひ、一つひとつの行動を実践し、自分らしい自立への歩みを進めていただければと思います。

 想像してください。今、この本を手に取ってくださっているあなたが、ゆっくりとマイペースに自立するための力を手に入れ、気がついたら自分の得意なことで「この道5年」あるいは「この道10年」のベテランになっている姿を。会社から役職定年を言い渡されたときに、会社からの報酬だけに頼らずに生きていけるとしたら。会社に残るか、あるいは卒業するか、経済的にも精神的にも自由であったら。どうでしょう。

 十分にイメージできましたでしょうか。
 では、早速ページをめくり、あなたらしいスローな自立をスタートしましょう。

以上

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