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山口周さんの「ニュータイプの時代」を読んでみた

数ページ読み進める中で「モノの過剰化」と「問題の希少化」という言葉で仕事とは、ということから今の世の中の流れや時代を表している。
そしてこれからの時代で活躍する人材を「ニュータイプ」というふうに表現されている。

ニュータイプとは問題が枯渇し問題が希少化しても、その問題を自ら提案する能力がある。山口さんが定義するニュータイプと今までのオールドタイプの細かな説明も書かれている。
この書かれ方はとても理にかなっているので確認してほしい。

そして面白い表現をしていると思うのが今の世の中にある仕事の大半は「クソ仕事」だということ。このクソ仕事とは実質的な価値を生み出さない仕事のことを指しているのだが、この表現がとても好きだ。

自分が今やっている仕事はクソ仕事なのか一度考えてみてもいいかもしれない。
クソ仕事だからといってバカにしているわけではなく、価値を生み出さない仕事なのであればもっと楽しんで仕事をすればいいと思う。その仕事自体が価値を生み出していないのだからなくなったって問題ない。それであれば自分がやる意味を自分でつくって楽しめばいい。いい意味でクソ仕事なのだから。

続いてモチベーションと経営資源についての話が出てきます。経営資源である【ヒト・モノ・カネ】のうち唯一、可変性なのがヒトです。そのヒトが最大限のパフォーマンスを発揮するためにはモチベーションが必要である。そして現代のヒトのモチベーションの上げ方として「意味を与えられるかどうか」ということが書かれています。これもニュータイプとオールドタイプの例えを細かく書いてあり、世の中のヒト達が敏感になるのは、その時代時代に不足しているものが多い。
時代が変わったとか簡単に言うけど、本書ではなぜどのように変わったのかをわかりやすく書いてある。

時代が変わった要因の一つにインターネットの普及がある。これについては私も思うところがあったが、正直私の考えなんて考えに入らないくらい市場が変わっている。
その例えとして「グローバル×ニッチ」「ローカル×メジャー」をあげている。
これはざっくり説明すると、どこの市場でどれくらいの知名度を目指すかという言葉だが以前であれば「ローカル×メジャー」でしか勝負できなかった。しかしインターネットが普及したことで「グローバル×ニッチ」のほうが効率が上がった。
ちなみにだが業界によってどちらがいいかは変わるのでそこだけ注意頂けると助かる。

そして山口さんの言葉でとても勉強になった言葉が「役に立つ」「意味がある」の分け方です。役に立つものは1つしか必要なく、意味のあるものは何個あってもイイと言う話。
役に立つもので勝負すると企業の体力勝負になるので私たちは絶対に意味があるで勝負したほうがいい。
そして現代社会において役に立つよりも意味があるもののほうが価値が高いという事実。
なぜならば意味は他人にコピーできないからだ。更にエラーの話が出てくるが人間の世界でいう「エラー」これは悪いイメージがあると思う。しかし本書ではエラーは悪いものではないと書かれている。私も読んだときに思ったがエラーとは箱や型に当てはめようとするときに当てはまらないものをエラーと呼んでいるだけに過ぎないのかもしれない。人間が効率よく生産性を上げるためだけに排除してきた部分ということだろうか。
エラーがその定義であれば、これからの時代にはエラーというものは必要不可欠になる可能性がある。とても面白い考え。

そして人が能力を発揮するときに必要不可欠なのがモチベーション。このモチベーションは外部要因のモチベーションよりも「内発的動機」の方が能力を発揮する。
給料や社会的評価をモチベーションにすることよりも自分がこうしたいとかこうなりたいということのほうが高い能力を発揮するということが世の中にはとても多い。

そしてモチベーションについて深堀りして書かれているのが「コナトゥス」コナトゥスとは本来の自分らしい自分であろうとする力で何かをやったり体験したりしたときに活力が高まる感じがあればコナトゥス的には良くて活力が低くなる感覚があれば悪いらしい。この感覚は人それぞれ違うがこれからの時代にはこのコナトゥス通りの動きが必要になるとかかれている。書かれていることの殆どがしっくりきていてまさかここまで、長文の記事になるとは思っていなかった。

過去の経験論ですら通用しない時代がくる。だから過去の経験をベースに行動してはいけない。これが次に書かれていること。これって思っている以上に考えや行動を固定化してしまう。
先輩や上司の武勇伝ってなんの価値もないように過去の経験や知識には今以上に価値がなくなってくる。
そして世の中を変えるのは大きなリーダーではなくても構わないと続く。
大きなリーダーシップももちろん大切だがリーダーシップが大きければ大きいほど命令に近くなるのかもしれない。そしてリーダーシップが小さければ共感を得られてその小さなリーダーシップが集まり世の中を変えられるくらいの大きな波に変わる。
案外、時代を動かしているのは個人の違和感なのかもしれない。

結局のところ、需要と供給の関係だということ。そしてこの需要と供給に固定はなく常に流動的であることを忘れてはいけないのかもしれない。
更にはリーダーシップは権威から生まれるものではなく問題意識から生まれるものだとも書かれている。
問題意識を持ったものが権威を持つわけでもない。
この辺も区別することを本書を読んで納得させられた。

最後にこの本に感想を伝えさせてもらうが、正直にお伝えさせてもらうと、とても考えさせられるし、物事の本質を的確に捉えているように本だとも思う。
この本は久しぶりにじっくりと時間をかけて読んだ本だからぜひこの本は読んで頂きたいと感じた。
オススメする理由として山口さんの個人的な意見や感情がほとんどなく世の中をフラットな情報で分析しているような感覚になれたからだ。

情報量が少し多いので時間に少しだけ余裕のある人は読んで頂きたい。

まつでした。またね。

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