転職3ヶ月でベンチャーを退職して無職になった理由
私はオウンドメディアの運営を行うITベンチャーに転職してわずか3ヶ月で退職した。
銀行からベンチャーに転職した理由
転職した背景にあるのは銀行員時代に感じていた
・資産運用=危険、怖いといったマイナスなイメージを払拭したい
・若い人がもっと投資を身近に感じてもらえるサービスを作りたい
という思いだった。こうした現状を解決するためには
金融リテラシーを上げるべく、メディアを利用したアプローチをするか、ウェルスナビのようなロボアドの企業に入社することだったが、ウェルスナビはエンジニアの募集が殆どだった。
オウンドメディアで若者と接点を作り、リードナーチャリングしていくという手法があることを知り、顧客に金融商品を販売するわけではないが、間接的に資産運用の啓蒙活動やハードルを下げることに寄与できる。
これだ、と思った。
私が思い描いていたキャリアプランとしては
まずセールス職として入社してゆくゆくはwebマーケティングにも携わっていき、転職してロボアド関連の企業に行きたいと思っていた。
ベンチャーに入社してすぐに担当を持つ
「よっしゃ、やってやるぜ」と息巻いて田舎から引越しをして上京した。
担当はセールス職ではなく、マーケティング職だった。
最初は少し戸惑ったが、
「新しいポジションを担当できるなんて最高」
「webマーケティングか、夢の実現に直結していて最高」
「やりながら覚えていこう」とキラキラした気持ちを持っていた。
実際、PV/UUすら知らない状態だったが、新しい知識を身につけていくのが楽しかった。
しかし、入社して2ヶ月目にして事件は起きる。
自分が引継ぐ案件を担当していた前任担当者の女性が病んで休職してしまった。
私の推察だが、彼女は業務量が多くパンクしていた。
そこから自分がフロントとしてクライアントを4社担当することになった。
まだ仕事の全体像が掴めていない状態でやるのはとても厳しく、業務が全く終わらない。Googleアナリティクスの使い方だってままらない、一つやるにもとてつもない時間がかかった。
それに基本的な知識やスキルがない中で考えても何の解決策も生まれてこない。仮説を立てるためには現状を把握して、仮説立てるだけの知識や経験が必要になるが、私はその全てを持ち合わせていなかった。
webマーケティングのド素人集団
先輩にも相談していたが、何を質問しても「基本的には間違っていないと思います」としか返ってこなかった。なんでこんなフワッとした回答しかこないのかと疑問に思ったがすぐに分かった。
この会社は新卒2年目の人がメインプレイヤーで、加えて中途入社半年程度の人で構成されていた。そこに広告代理店出身者は殆どいなかった。
誤解を恐れずにもっと言うと、webマーケティングの専門を装ったド素人集団だった。
そのため殆どの案件では炎上していた。
「どうしたら成果出るんですか?」
「ちゃんと試作考えているんですか?」
「オウンドメディアは効果が出るまで時間がかかるのはわかりました。どうしたら効果が上がるのかについて聞いているんです」
「PV/UUを達成することを目的としているわけではないんです。わかっていますか?」といつもクライアントに詰められていた。
引き継いだ段階から既にクライアントの温度感は高くなってしまっていた。
クライアントからしたら結果も出ないものに多額の予算を出すなんてドブに金を捨てるようなものだから当然だ。費用対効果が悪すぎて解約されている案件も多かった。
そして困った時の「オウンドメディアは効果が出るまでに時間がかかるものですからね」と言ってその場をやり過ごす。
その繰り返しだった。
この現状を変えなければいけないと思い、webマーケティングをやっている大学時代の友人に相談したり、スポットコンサルを利用していた。
精神的に追い詰められていく
しかし、根本的な解決はできずに、次第に精神的に限界を感じていた。
「中途採用は即戦力。早く自分のバリューを出さなければいけない」
「新卒の子はバリバリ頑張っている。中途入社の自分はもっと圧倒的な価値を出さなくてはいけない」
「でも実際は何もできない」、「なんとかしなければいけない」
と思うほどに空回りして行き、どんどん焦りと自己嫌悪に陥って行った。
ふとした時に
この環境下でやり続けることに意味はあるのだろうか、と思った。
転職することで今までの経験が活かせなかったり、働き方にギャップがあるのは覚悟していたが、この辛さは本質的なものなのか?と疑った。
答えはノーだ。
この会社で数年勤めても何のスキルもつかないと思った。
そして、成長して仕事を回せるようになるよりも先に自分が壊れると思い、逃げるように退職してしまった。
当時は朝5時に起きて夜12時まで仕事をしていた。土日も仕事していた。ただ自分は労働時間に関してはベンチャーに飛び込む覚悟をしていたので長時間労働は覚悟していた。また、自分自身のスキルが高くなれば労働時間は短縮できると思っていたのでこの辺に関しては不満はなかった。
ベンチャーで働く覚悟がなかった
退職後、ずっと落ち込んでいた。
自分の無力さを痛感し、何もできない自分に腹が立って情けなかった。
短期離職した自分は人生終わってしまった。と。
営業職を軸にキャリアを始めることができれば変わったのではないかと思ったし、自走力や受身な姿勢ではダメと言われているが、「何も1から全て教えてくださいとは言わないけど、流石にきついわ」というのが正直な本音だ。
段階的なステップを踏むことができれば状況は変わったのかもしれない。
でもそう思うこと自体が甘えなのかもしれない。自分で全てやってやるという気概が足りなかったのは事実。スキルがなかったのも事実。
自分にはベンチャーで働くという覚悟ができていなかった。
それが全てだ。
そして、無職になりました。
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