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幸せの量産

トヨタが掲げる新たなミッションは『幸せの量産』。(PRESIDENT ONLINEから)

同社が昨年発売したFCV(燃料電池車)「MIRAI」は究極のエコカーと呼ばれていますが、価格が高く、水素ステーションの設置が進んでいないことから国内での販売は0.02%にとどまっています。
これに対しトヨタは中核システムである燃料電池システムをトラックやバス、重機のメーカーに外販することで、 量産化を実現してコスト低減につなげ、そのことでFCVを普及させる戦略に打って出ました。

筆者は、SDGsが重視され利益追求だけでは市場から評価されない時代において、同社が 11月に発表した『幸せの量産』をミッションとする新しい経営理念「トヨタフィロソフィー」を、「 企業が今の時代に目指すべき道を考えれば必然」だとしています。

一方、これまでも同社には経営理念が掲げられていましたが、経営者の交替や業績の浮沈によって形骸化してきたという事実もあります。
これに対し筆者は、「フィロソフィーは決してゴールではない。スタートポイントだと思っている。今後、状況が変わり次のトップが悩んだ時に羅針盤として活用してもらえればいいと思っている。利益を追求することは悪いことではないと思う。出した利益を何に使うのか、だれのために使うのか、そういったことを理解した人間をつくっておくことが大事なのではないかと思っている」とした豊田章男社長のコメントに触れ、「 経営者だけでなく社員が自分の血肉となるように経営理念を理解して、迷った時には理念に戻って考えられるかどうかが大切なのだ」としています。

トヨタが「幸せの量産」を持続的に実行できるかどうかは、社長と従業員の間に立ち、 社長の思い・考えを伝えるとともに社員の考えを会社の戦略に盛り込んでいく機能と 、消費者や株主など多様なステークホルダーの絶え間ないチェック機能が欠かせないとしています。

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