恋愛・結婚で極楽浄土は現れない。
最近、ネット上でよく見かける言葉。
「弱者男性」
なぜか恋愛・結婚の文脈で使われることが多い。
いつもそこに通底する価値観がある。
「恋愛」「結婚」している人生の方が絶対に上、というもの。
だから、「恋愛」「結婚」できない自分の人生は下に位置していてダメ、という思考になるのだろう。
恋愛・結婚はただ、恋愛・結婚としてただそこにあるだけで、実は「人生」とあまり関係ない。
「人生」は「人生」の問題であり、「恋愛」は「恋愛」の、「結婚」は「結婚」の問題がある。
恋愛も結婚もただステータスを表すのみで、結婚する1秒前から1秒後にスーパーマンか何かに変身するわけでもない。
その前でも後でも、同じように空気を吸い、食べて寝る。これが繰り返される。
恋愛・結婚した瞬間に、目の前に極楽浄土が突然現れて、そこに入るわけでもない。
その前だろうが後だろうが、道を歩いていて人にわざとぶつかられたら痛いし、モヤッとする。
熱したヤカンに触れば火傷する。
暑ければ汗をかくし、とても寒ければ身体は震える。
太陽は変わらず眩しい。
食べなくて済むようにもならない。
「世界」は相変わらずそこにある。