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なぜデザイナーは優しいのか?

デザイナーは優しい人が多いと感じます。私は転職し数社経験してきましたが、どの会社に所属するデザイナーも皆優しかったです。

それはなぜでしょうか?詳しく書き留めます。




1. 何を目的として業務遂行しているのか

デザイナーが何の為に業務をしているのか書き出してみました。

・事業貢献のために
・クライアントの成功のために
・ユーザーのために
・課題解決のために
・セールスマーケのために
・デザイン組織のために
・逼迫している仲間のために
・データ整理を仲間のために
・思いやりある返信を相手のために
・言葉に気を付けた指摘を相手のために
・即理解できる図解を皆のために
・エンジニアのために
・誰でもできる作業を皆のために
…など

デザイナーは常に自分以外の「誰か・何かのために」業務をしていると思っています。仕事なので当たり前ではないか、どの職種も同じではないか、と感じるかもしれませんが、事実このような方が多いかなと思います。

また、自身が生み出したデザインに対してFBを受けるのはとても辛い。その辛さが分かっているが故に、相手へのFB/指摘/言葉遣いに人一倍気を遣うのもデザイナーの特徴でしょう。


2. デザインをつくる際に大切にしたい3つ

デザイナーのことをさらに深く知る必要があります。

次に、デザイナーが最も長い時間向き合っている「デザインを生み出すプロセス」のなかで何を大切にしているのか、すべきなのか、について考えていきます。ここにも優しさが隠れています。

大きくは以下の3つだと考えています。
・コンセプト
・印象形成
・自分の感情

非常に大きくざっくり全体像を掴んでいますが、以前書いた記事の図解でいうと1と2は以下のようになると思います。


3. コンセプトと印象形成の違い

タイミー5周年記念サイトで説明します。

コンセプト:人生の輝き
タイミーが目指す「新しい働き方」とは何か。それは、それぞれのライフステージにおいて、全ての働く人が自身の望む働き方を実現し「輝く」こと。そしてタイミーが、人生のどの場面でも働く人に寄り添っていくこと。

印象:多幸感、親近感
サイトを見たユーザーの皆様が「タイミーらしさ」を感じ共に幸せな気持ちになってもらえるようなお祝い感のある印象を与える。

印象はコンセプトではありません。そこを分けて考えることができれば「何をつくるべきか」の理解が早くなります。


4. 常に対峙する「自我の封印」

コンセプトや印象を言語化・具体化していくなかでは「自分はこんなデザインが好きだ」という嗜好は一切必要ありませんし、誰からもそのような意見は求められません。それがデザイナーという職業です。

常に自我を封印した状態で、想いを届けたい誰かのために、デザインの先にいる誰かのために、創造しています。

あらゆるペルソナと向き合い日々新しい表現を模索していく必要がある我々コミュニケーションデザイナーは、一つの表現手段ではなくあらゆる表現手段を装備しておくことが、自身と組織の可能性を広げます。


5. 自分の感情が動くか、を問う

誰かのために、課題解決のために、日々自分という個性を閉じ込め、客観性の中にある最適解を探し続けているデザイナーが「良いデザイン」を生み出すために必要な価値観があります。

それは「自分がワクワクするかどうか」です。

優秀なデザイナーはこれを見落としがちであると私は思います。コンセプト、印象形成、課題解決、もちろん全て重要ですが、デザインをつくる過程や最後にこれを自分に質問してほしいのです。

自分がつくったデザインが単純に「素敵だ」と感じるかどうか、寝て起きた次の朝、その次の日に見ても、自分の感情が動くかどうか。要件を全て満たした上で「自分はどうしたいのか」という一歩先の主体性。実はこれが何よりも大切にすべきことなのではと思っています。


まとめ

自我(主体)を封印し相手のことを深く考えるという、優しく思いやりのある業務内容と性格であるからこそ、大切な基準を忘れがちになってしまうのだと感じます。

デザインという人の感情にはたらきかける素晴らしい概念を大切にするために「自分の感情」を大切にしてほしいと強く思います。

主観的・客観的と聞くと、どうしても軽視されネガティブな印象のある「主観」ですが、そこには「主体性」が存在していると思います。その話はまた別の記事で書きたいと思います。




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