見出し画像

相手にマウントを直接感じさせない「マウントを取る技術」の巧妙化について

マウントを取る事。

それは相手に対して優位であることを示す機会。

結果として、相手をコントロール出来たり、すごいと言われることで承認要求を満たすことも可能。

それらを求めることで、比較することが好きな多くの人は幸せを感じる。

もちろんこれらは相手からすごいと思われる可能性もある一方で、嫌われる要素も多分に含まれている。

「この人ただ自慢したいだけなのだな」と感じさせてしまって、会話を敬遠されるようになることも多くあるに違いない。

そのように相手に感じさせないように、いかに発言を巧妙に言い換えて反発や攻撃をかわすか。

ほんのわずかなことに対して、さも自然に自分のほうが上であるかのように発信できるのか。

この部分について、マウントを取る技術の巧妙化・進化がとても発展してきているように感じる。

特にSNSが発達してからは、ますますこれらが巧妙化しているように感じる。



例えとして、高年収エリートサラリーマンがさらっとやっている巧妙マウントとして、以下のものがあったりする。

例:
・この会社は本当にひどい。人があまりいないことを理由に、今日はニューヨーク、来週はロンドン、その次の週までに東京での講演会・資料発表含めて全部自分にやらせようとしている。時差ボケがつらいというのに、全く考慮してくれないのを何とかしてほしい。

・周りの人たちが学歴が半端ないし、頭の回転速度が速くて優秀すぎて、ついていくのが本当に大変。自分自身よくこの環境に入ることが出来たなと思ったけど、劣等感しか感じなくてとてもつらい。

・職場に近いところに住もうとして、六本木のそれなりのところを買ってみたけど、家計が火の車だよ。おまけに住んでいる住民があまりにもしっかりとしすぎていて、自分もしっかりしないかと思うととても窮屈すぎる。


時差ボケ自慢や、周りが優秀なことで感じる劣等感、金銭面での苦労や住んでいる場所の人間トラブルなどの話を披露する。

実は本人が大変な思いや苦しんでいるフリ、劣等感を感じているフリをして、実はものすごい状態の自分であるということをさりげなく示す。

世界中を忙しく飛び回るエリートサラリーマンである自分、優秀と言われる企業に所属していること、高級タワマンに住めるほどのエリートであることを示すエピソード。

これらの例については、相手からの直接攻撃を受けないように、自然な形で絶妙な形で成立させる。

苦労していることや困っていること、それらについて困っているような内容について、人は反発を示しにくい。

さらっと優位に立つために、敢えてこのような形で発信する人も、増えてきているような気がする。




他にも世の中には様々な形で示す、巧妙なマウントが存在する。

・有名な人、権威や権力者から呼び出されること
⇒自分のコネクションにものすごい人がいることを示す
・好奇心旺盛で多趣味で、お金がかかってどうしようもない
⇒自分自身が教養に溢れていること、それが出来るほどお金持ちであることを示す
・仕方なく滑り止めで、○○大学に行くことになった
⇒○○大学が超一流大学である場合、当人の実力が半端ないことを示す
・投資で○○億円損してしまった、投資なんてやらなければ…
⇒○○億円も扱うことが出来る権力自慢

意図するにせよ、意図しないにせよ、様々な事がマウントを取るような会話になっている。

ここまでくると、あらゆることに対してわずかに情報を巧みに埋め込めるかどうか次第で、マウントを取ることが出来るような気がする。

マウントを取れれば自分自身に優位に働き、マウントを取れないことは反発されることがあったとしても、苦労エピソードや事実として逃げることも可能。

過去に比べると、マウントを取ることそのものがとても巧妙で洗練されてきているような気がする。

これは直接的に自身の優位性を示すことが嫌われる・炎上することを知っているからこそ、いかに間接的にステレスに伝えられるかという技術が磨かれているからなのだろうか。



ステレスマーケティングならぬ、ステレスマウントが溢れる世の中。

人によって感じようと思えば、全てのことがマウントであるかのように感じてしまうこともあるかもしれない。

時には気が滅入ることもあるかもしれない。

もちろん解釈は自由であり、その中でマウントを感じるか感じないかはその人次第。

絶妙な言葉選びやエピソードの伝え方が、ますます重要になって行く気がする。

同じような立場であっても、発信する技術・言葉の巧みさ次第で、どこまでもマウントを取ろうとすれば可能。

その技術を使うにせよ使わないにせよ、マウントを多くの人が潜在的に取ろうとしていることを認識するのは大切である気がする。

自分の軸に集中しつつ、さりげなく優位性を確保すること。

AIをはじめとする様々な未知なる技術が発達したとしても、適切にマウントを駆使し、相手に対して巧みに優位を保つことが出来る人は、色々な場面で重宝されることがあるかもしれない。

マウントを認識し、さりげなく巧妙に使いこなすこと、今後生き残るためには必須のスキルになっているのかもしれない。




今回の内容については、以下の本がものすごくお勧めであり、とても勉強になりました。

読み進めるたびに大爆笑が抑えられない、とても素晴らしい内容です。

是非一度読んてみることをおすすめします。

(注)本を読んで紹介することも、教養マウントの一種かもしれません



ありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?