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Q.セブンイレブンがアプリに注力する理由とは?

Q. セブンイレブンがアプリに注力する理由とは?

A. 個人情報に紐付いた形で購買データを獲得し、マーケティング活用すること。

昨年6月1日に日経新聞が出した下記の記事について、より詳しくセブンイレブンがこれからどんなことをしていきたいかを読み解きたいと思います。

セブン&アイ、2つのデータ戦略始動 アプリとビッグデータ共有

記事のポイントは、

1、利用者がスマホ画面上に表示されるバーコードをレジで提示すると、商品の購入実績が蓄積されていく。購入額に応じた特典を用意し、優良顧客を囲い込む。
2、研究組織「セブン&アイ・データラボ」も発足した。NTTドコモや三井住友フィナンシャルグループ、ANAホールディングスなど異業種10社が参加し、各社が持つビッグデータをつなげる。

POSデータ→個人情報に紐付いた購買データの取得へ

もともとセブンイレブンは大量のPOSデータを強みとして、個店ごとの在庫管理や商品開発、立地の最適化を図ってきました。POSデータとはどのようなものかというと、(年齢×性別)×(購入商品)のデータで、レジのスタッフがお客さんの見た目の性別と年齢を指定することでどのような商品がどのような年代にウケているかを把握できるものです。これを活用することで、「最近主婦世代に◯◯が売れているな」とか「この店舗は年齢層高めのお客さんが多いな」といったデータ活用をし、商品開発や個店ごとの在庫の最適化を図ってきました。

従来はこの程度のデータ粒度で十分でした。しかし、例えばアマゾンで商品を買うときを想像してください。アマゾンの画面には自分の過去に行った購買履歴を元にした商品のレコメンドが並んでいると思います。一つ商品を買うと、「この商品を買った人はこちらの商品もおすすめです。」といった個人に最適化されたレコメンドが出てきます。私もこれに訴求され多くの書籍を買わされました笑

セブンイレブンの持つデータとアマゾンの持つデータの一番の違いは、購買データが個人に紐づいているかどうかです。

アマゾンは個々人に最適な商品を紹介できるのに対し、セブンイレブンはある年代に売れている商品はわかっても、あるAさんが過去に買った商品がわからないため個別のレコメンドができません。この差を埋めるための手段がセブンイレブンアプリというわけです。買い物の度にアプリでスキャンしてくれると、そのアプリのID(=あるAさん)に紐づく形で購買データが蓄積され、Aさんが過去に買った商品を知ることができます。そして次に大切になってくるのが、お客さんにいかに買い物の度にアプリをスキャンしてもらえるかです。そのメリットしてセブンイレブンが考えたのが「バッジポイント」です。このバッジポイントの戦略についても後日詳細を考察したいと思います。

外部データと連携し顧客の財布をまるごと理解する

セブンイレブンのデータ戦略の重要な点として2つ目は、NTTドコモや三井住友フィナンシャルグループ、ANAホールディングスとの提携を発表したことです。

これの意味することは、これまでPOSデータしかわからなかったのを個人情報と紐づけた形でデータを保有し、次はコンビニ以外の購買データもまるごと理解しようとしていることです。この点についてはより詳細は明かしてないのであくまで想像ですが、三井住友フィナンシャルグループはクレジットカード会員に関して多くの購買データを保有しています。個人情報保護の観点でNGですが、理論上はあるAさんの購買データをすべてセブンイレブンに渡すこともでき、Aさんがスーパーマーケットで1ヶ月に一度洗濯洗剤を購入している場合、そのタイミングに合わせてセブンイレブンが自社ブランドのクーポンを配布すれば洗濯洗剤のシェアをスーパーマーケットから奪うことも可能です。少し極端な例ですが外部データを取り込むとはおおよそこのようなことです。

以上が冒頭にシェアした日経新聞の記事から読み取れるセブンイレブンのデータ戦略についての解説です。

アプリのポイント戦略については別の機会でご紹介します。それではお読みいただきありがとうございました。

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