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コロナ問題で苦戦しているかもしれないフィットネスクラブ、ヨガ・ピラティススタジオのマーケティング施策を行動デザイン視点で考えてみる

フィットネスクラブ向け会員管理・予約・決済システムのSaasサービス「hacomono」を開発する株式会社まちいろの蓮田と申します。

コロナの影響で客足が遠ざかってしまったり、運営に苦労しているフィットネスクラブ、ヨガ・ピラティススタジオが多いことと思われます。

外部要因なので今は我慢の時かもしれません。

でも何かできることないかな?と悶々としている中、自分なりのアイデアをまとめてみました。

コロナ問題が落ち着いた後の入会施策を考える上で、一つでも参考になれば幸いです。(突貫で作成しているため、粗い内容である点はご容赦ください)

行動デザインという観点から考えてみる

消費者は自分の目や頭で考えるだけでなく、ニュースや噂を見て影響を受けがち。

デマを元にトイレットペーパーがスーパーから無くなってしまうニュースには「なんだかなあ」と嫌な気分になりますが、残念ながらそれが消費者心理です。

ニュースが過ぎればすぐに忘れ、平常時になったらなったで「なかなか行動に移すことができない」のも消費者の特性

コロナ問題で仮に遠ざかってしまった人たちも、また新たにフィットネスクラブに通おうとした時に、運動がどれだけ大事だとしてもなかなか行動に移してくれない人が多い点も想定されます。

今の時代はモノが溢れてしまっていて、各ジャンルのモノやサービスもコモディティ化が進んでいるため、「平常時になかなか行動に移してくれない」のが消費者心理。

「モノの外側」→「人間(ヒト)」→「ヒトとモノをつなぐ行動」をヒントにマーケティング施策を考えてみたいと思います。

お客様は何のために、どんな行動をしたがっているのか?

「何のために行動するか?」

痩せるためとか運動不足解消のためとか、これまで提唱していたようなコモディティ的訴求では、消費者は動いてくれません。

もう少しターゲット層の解像度を高めて、日常生活やシーンを思い浮かべる中で、クラブに通う理由づくりを考えてみると、

・28歳女性 → "今こそ" もっと綺麗な女性になるため
・42歳主婦 → 子育てが落ち着いて、自分の新しい趣味を見つけるため
・25歳サラリーマン → 趣味がないので暇つぶし解消のため
・38歳会社勤めの課長さん → 仕事ばかりで夜は飲んでばかりだったが、そろそろ規則正しい生活習慣のため

女性であれば、生理痛に苦しんでいるので体質改善につながる何かが響いたり、失恋を忘れるため、不安定な気持ちを安定させるためなどの切り口もあるかもしれない。

パパであれば、自分時間の確保、飲みすぎた自分を償い行動習慣にするためなどもあるかもしれない。

フィットネスクラブだからと「鍛える」「ダイエット」というこれまで通りの訴求ポイントだけでは消費者ゴコロを活性化するのは難しいため、「ヒトの属性」と「行動」をつなぐテーマをピックアップする中で、自店舗にあったヒントを見つけていきたいところです。

行動で発想し、日常生活からヒントを探す

例えば代官山の蔦屋書店。

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ここは本を買う場所ではなく、仲間や彼女と出かけるオシャレな場所。本屋さんの概念を超えられたのは「行動デザイン」がポイントです。

ゆっくりコーヒーを飲む場、ライフスタイルのアンテナを吸収できる場。

アパレルショップであれば、セレクトショップも似た感覚。フィットネスクラブやヨガ・ピラティススタジオを1つの生活習慣提案の場であったり、インスピレーションをもらえる場。そういった切り口もありなので、

・その場でつながる近所の人たちとのコミュニティや仲間づくり
・彼女や友人、ペアで出かけるデート行動
・経営者やエンジニアであれば、瞑想を通じて没頭できる場

その結果として、ストレス解消となり、運動不足解消となり、胃や脳がスッキリする。今までマーケティング訴求の主目的をあえて副次的なポイントにづらして、「ヒト」と「行動」をつなげてみると響くポイントが見つかってきます。

時間軸・季節という切り口で考えてみる

・朝活行動
・朝の目覚め行動
・子供の入学式までに、昔のスーツを着れるようになるための行動
・正月太り、GW太りを解消する行動
・リモートワークで運動不足になってしまったのを解消する行動
・一人クリスマスを避けるために、秋のうちに自分を変える行動
などなど。

生活習慣や季節に紐づけることで、ランニングマシンや筋トレマシンというモノ訴求では刺激できないポイントは色々と思いつく。

新しい生活習慣を作り出すパワーワードから、非合理に振り切ったアイデアまで

例えば、ティップクロスの「1 WEEK CONDITIONING」は、コンディショニング習慣を分かりやすく表現した良いワード。

名前を付ければ人は印象に残るし、動きやすくなる。

だから、「チームマイナス 6%」ならぬ、「チームマイナス 5kg」みたいにして、会社や部署の仲間達みんなで痩せる的なテーマのキャンペーンや、「アフターファイブ」ならぬ「アフターフィットネス」というのも面白い。

大事なのは「正しいだけ、理屈だけで人は動かない」ということ

誰かのために動く、誰かが言うから動く、誰かと一緒なら動きやすい。消費者は本当に非合理で、不思議ですよね。

非合理を前提にすれば、
・寝転んでアニメを見られるストレッチ
・演歌好きが集まるスタジオフィットネス
・料理が学べる女性専用体幹トレーニング
・人前で歌える、舞台に立てるダンススタジオ
こんなテーマに振り切ってしまっても、消費者の行動スイッチには火をつけられるかもしれません。

「ヒト」 + 「気分・反省・シーン」から行動喚起を狙う

・UVケア + 主婦
・疲れやすい + OL
・肩が凝る + エンジニア
・花粉症 + だけど運動好き
・子育て + パパ(肩車を軽々できるようになりたい)
・新入社員 + やる気に満ちた状態
・売上達成 + 営業マン
・働く主婦 + 買い物前の30分フィットネス習慣
・ゲーム好き + ゲームセンターのようなフィットネスクラブ

列挙しただけですが、行動喚起ネタを出すと「週1回からのヨガ習慣」などある人には刺さるようなマーケティングキーワードも浮かんできます。

最後に

高齢化社会、女性の社会進出、リモートワーク、デスクワーク中心の仕事環境などを考えれば、フィットネスクラブ、ヨガ・ピラティススタジオの社会的意義や役割は今後も大きいはず。

コロナ問題で今は運営もスタッフ達も大変かと思いますが、中長期的にはとても素晴らしいビジネスであり、素晴らしいコミュニティの場です。是非そのフィットネスクラブに向いたターゲット層の「ヒト」と絡めた行動デザインで、今後のマーケティング施策を検討していただければと思います。

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