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サポーターやファンで終わらない!プロを目指すなら知っておきたいスポーツマンシップとマリーシア!!

 今日は、「サポーターやファンで終わらない!プロを目指すなら知っておきたいスポーツマンシップとマリーシア」というテーマでお話させていただきます。
 スポーツって「フェアプレー精神」が大切だという話をよく聞きます。僕もとてもいいなと思います。スポーツマンシップとも言いますよね。対戦相手であっても、同じスポーツをする「仲間」と考え、相手に対する尊敬の心を持ってプレーすることがスポーツマンシップだと思います。僕も、この気持ちはとても大切だと思っていて、いつもチームメイトや対戦相手に敬意をを持っています。

 「尊敬の心」を持っているからこそ、対戦相手には全力で挑みます。全ての力を出し切って戦います。「テクニック」「スピード」「パワー」だけではなく、頭を使って「どうにかして勝つ方法はないか」と考えます。

 僕は、スペインとアルゼンチンでプレーしてサッカーを学びましたが、どちらの国でも共通していたのは「マリーシア」があったということです。マリーシアとはポルトガル語で「ずるがしこさ」という意味だそうです。多くの日本人が「マリーシア」と、「フェアプレー」や「スポーツマンシップ」が対極にあると思っています。ですが、スペインとアルゼンチンで、これは対極にあるものではなく、マリーシアもスポーツマンシップも「両立できるもの」だとわかりました。
 そもそも、スペインやアルゼンチンにある「レベルの高いクラブの選手」は、サッカーに対する情熱がメラメラに燃え上がっています。いつだって命がけでボールを追いかけています。人生をかけてサッカーをしているのが伝わってきます。
 時には、相手に抜かれるくらいなら足を削ってでも止めようとしてきます。自分の体を犠牲にするようなタックルでボールを奪いに来るディフェンダーがいます。本当に命がけでボールを奪いに来るのです。そのようなディフェンダーを相手にするには、審判にファールをとってもらうことが、自分の体を守ることにつながります。一刻も早く「イエローカード」で相手に手錠をかけておかなければ(ファールをしにくくしておかなければ)、自分の身を守れません。相手を自由にしたまま守備をさせてしまっては、こちらの体が潰されてしまうのです。だからこそ、足が引っかかっていなくても、わざと転倒して痛がる必要があります。他にも、腕や足でディフェンダーの体をブロックします。相手の足を踏んだり、足を引っかけたり、ひじを入れたりしながら、ディフェンダーを自由にさせないようにプレーします。
 当然ですが、これは「審判に見られていたらファール」です。「足を引っかける」「ひじを入れる」は、オフェンス側であっても、危険で悪いプレーだと言われます。このようなマリーシアが、スペインでもアルゼンチンでもあるのは事実です。実際に、マリーシアのやり方をトレーニングで教わります。これをやらなければ、相手ディフェンダーからの危険なタックルを受けることになります。最悪の場合、自分の選手生命が終わってしまうこともあるのです。
 ここまでの話を読んで、「何かサッカーって嫌なスポーツだな」「僕はそんなサッカー選手にならないぞ」と思っているのであれば、あくまで僕の個人の考えですが、「世界トップレベルの選手にはなれない」と思います。
 サッカーというスポーツは、相手を手玉に取り、欺いてゴールを決めることもあるスポーツです。ファンやサポーターは、思ってもないプレーが出たときに興奮します。フェイントという足技がありますが、あれは「誰かを騙すプレー」のことです。それもテクニックの一つなのです。マリーシアは、「審判を手玉に取って、欺いて、相手に何もさせない」というテクニックです。これも立派なサッカーなのです。
 マリーシアも含めて、フェアプレーやスポーツマンシップというのはあります。対戦相手であっても、同じスポーツをする仲間と考え、相手に対する尊敬の心を持ってプレーすることは大切です。同時に、相手や審判を試合の中で手玉に取ったり、欺いたりすることがあるのも事実です。両立できないことはありません。「相手や審判に対して敬意をもっていること」と「試合中にマリーシアを使う」というのは別なのだと、スペインとアルゼンチンで教わりました。

 スペインやアルゼンチンでは、サッカーは「格闘技だ」と言われることもあります。昔、イタリアのセリエAでは、試合中に耳を引っ張られてちぎられた選手がいました。激しく体と体がぶつかってボールを奪い合うこともあります。そんなスポーツの中で、体の細い選手が生き残る手段として、頭を使ってマリーシアをするのもありなのではないかと思います。
 僕は、美しくて華麗なマリーシアをスペインとアルゼンチンで体験しました。

話をまとめると、
 勝敗を決めるスポーツである以上、闘う情熱がある相手に対しては、全力でぶつかるのが大切だと思います。審判が笛を吹くまでは、戦い続けないと相手にも失礼だと思っています。同時に思うことは「戦えない相手に対して殴り続けるのは間違っている」ということで、これは「マリーシアではない」ですし、「フェアプレーとはいえない」と断言します。

 自分の身を守るためのテクニックとして、マリーシアを使うこともあります。自分の全ての力で戦うという意味で「頭を使って試合を優位に進める」「相手の能力を消すマリーシアを使う」こともあります。
 こういった「マリーシア」と「相手に対する尊敬の心」は、どちらも持つことができるのだと思います。

 サッカーというスポーツは、相手を手玉に取って、欺いてゴールを決めることもあるスポーツです。審判を手玉に取って、欺いて、相手に何もさせないというテクニックも立派なサッカーです。
 今日は「スポーツマンシップとマリーシア」というテーマでお話させていただきました。
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※「いつでも」「どこでも」聞ける『音声配信』(ラジオ・ポッドキャスト)を始めました。
「サッカーの動画を見ても、どうやっているのかわからない…」「これからサッカーを始めようと思う」「感覚的にではなく、サッカーを論理的に理解したい」「通勤通学の合間にサッカーを勉強したい」「もっとサッカーが上手くなりたい」といった人におすすめのラジオ、ポッドキャストです。スペインバルセロナにあるアカデミーやアルゼンチンのクラブでプレーして学んだことを、海外サッカー経験者から直接お届け致します。

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