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絶対に奪われないドリブルの仕方

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※「いつでも」「どこでも」聞ける『音声配信』を始めました。

ボラスフットボールクラブの情報だけではなく、「サッカーが上手くなりたい人」におすすめの情報を、クラブに所属する海外選手から聞いたことや、スペイン・アルゼンチンでプレーして学んだことを、海外サッカー経験者から直接お届け致します。

音声配信:『VORAZ FUTBOL CLUB』 Anchor/Spotify

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 今日のテーマは、「絶対に奪われないドリブルの仕方」です。「絶対」という言葉を使うと、非常に胡散臭く聞こえます。(笑)ですが、本当に自信を持って「絶対」と言うことができます。この「思考」を頭に入れておくだけで、今後のトレーニングを効率的におこなうことができると思います。自分のチーム内でも、一番ドリブルが上手い選手になれます。

 読んでいただいている読者の中には、サッカー未経験者や初心者もおられるようで、「もう少しサッカー用語も説明してほしいです」というご意見をいただきました。すでにわかっている方も多いと思いますが、説明しながら進めます。

 まず「ドリブル」とは「ボールを足で動かすこと」です。ドリブルには「相手を抜くドリブル」と「ボールを運ぶドリブル」があります。どちらも、相手にボールを奪われないことが重要です。 
 「相手を抜く」プレーは、「ボールを運ぶ」プレーよりも、少しレベルが高いです。「相手を抜く」プレーについては、今後どこかでお伝えします。まずは、「ボールを運ぶ」プレーを身に着けることが大切なので、こちらを中心に説明します。「ボールを運ぶ」プレーというのは、ポジションが凸であろうと、どんなプレースタイルの選手にも必要なプレーです。「運び続けることができるかどうか」で、選手としての価値は大きく変わります。

 ドリブルが苦手な選手は、ボールを運んでいる時に相手が来たら、パスで逃げることが多いです。相手が来たらすぐにパスをしてしまう選手に、「今、本当にパスをしたいタイミングだったのか」「そのタイミングでパスをするのが、チームにとって一番良かったのか」と問うと、答えられない選手は多いです。僕は、チームにとって有効なパスではないパスのことを「逃げパス」と言います。「逃げパス」は、パスの受け手を苦しめることになります。苦し紛れのパスを受けた選手は、相手の激しいプレスを受けてしまったり、相手に囲まれたりする確率が高くなります。だからこそ、選手としての価値を高めるために、「ボールを運び続けることができる選手」にならなければいけません。

 「1対1で絶対に奪われないドリブル」というのは、相手を抜くことができるかどうかではありません。今から説明するのは、「絶対に抜けるドリブル」ではなく「絶対に奪われないドリブル」です。相手からのプレスを受けても、ボールを運び続けることができるかどうかです。


①「思ったところにボールを動かす(テクニック)」

② 「相手から離れる(スピード)」

③「相手の身体をブロックする(フィジカル)」

ドリブルには、この3つの要素があります。


 この3つが「1対1でボールを奪われないドリブル」ができる選手になるためには大切です。

 「思ったところにボールを動かす」というプレーをするためには、まず「まっすぐ進む」ことができなければなりません。ボールを持って「まっすぐ進む」 というのは、実は非常に難しい動きです。これが、ドリブルの基礎中の基礎です。自分が思っている方向にまっすぐ進むことができなければ、思っているところにボールを動かすことができたとは言えません。
 行きたい方向に向かい、「ボールの中心」を「まっすぐ押し出す(触る)」ことがポイントです。これができないと、ドリブル中にボールが浮いたり、左右にずれたりします。ボールの中心をまっすぐ押し出すというポイントを押さえて、「まっすぐ進むドリブル」の練習をしてください。
 ここで、有料読者限定で、僕からの重要なアドバイスをお伝えします。行きたい方向に合わせて、自分の「軸足の位置」を考えてください。軸足をどこに置くのか考えるだけで、ドリブルの質は高くなり、思ったところにボールを動かしやすくなります。

 「相手から離れる」ということは「相手から距離をとる」ということです。相手に近づかれない状況が続けば、絶対にボールを奪われることはありません。スピードというと、「走る速さ」をイメージしてしまいがちですが、スピードには3つの種類がありますね。「ナチュラルな速さ(走る速さ)」「頭の速さ(認知、思考、判断を考える速さ)」「テクニックの速さ(ボールの動かす速さ)」です。

 「相手から離れる」プレーで必要になってくる「スピード」は、直線的な速さのように思われますが違います。「まっすぐ走る」と、相手も走りやすく、加速しやすいです。この状態で、相手から離れ続けることは難しいです。「相手から離れる」時に必要になるスピードは、「俊敏さ」「急な方向転換の速さ」「緩急の速さ」などのイメージが近いです。 
 ちなみに、直線的な速さに近い「ランウィズザボール」というプレーは、「ドリブルの技術」ではなく「走りの技術」が重要なプレーです。
 方向転換の連続によって、どちらの方向に行くのかわからない状態をつくります。ドリブルの向きを変えことで、相手が間違った方向に行ったときに、相手から離れることができるのです。実は、「フェイント」はこの動きを応用したものです。フェイントは「ボールを思ったところに動かす」というテクニックに分類されることが多いですが、「相手の逆をつく」というのは、相手から離れる動きに分類されるべきです。

 「相手の身体をブロックする」プレーができれば、かなり強いです。「相手」と「ボール」の間に自分の身体を入れ続けることができれば、ボールを奪われることはありません。しかし、このプレーを完成させるには、押されても倒れない強さや、バランスを崩さない強さが必要です。 

 「身体を入れていてもボールを奪われる選手を見たことがある」という方も多いかもしれません。ですが、そのエラーは「相手とボールの間に自分の身体を入れ続けることができなかった」か「フィジカルではなくスピードにシフトしてしまった」のどちらかであることが多いです。イメージしてもらえると、理解できると思います。

 実は、ドリブルを「フィジカル」に特化させると、ボールを奪われる確率は非常に低くなります。一番奪われないドリブルに近づきます。「相手」と「ボール」の間に身体を入れ続けることができれば、理論上、ボールを触られてもボールを奪われることはありません。

 絶対に取られないドリブルをするには、①「思ったところにボールを動かす」②「相手から離れる」③「相手の身体をブロックする」の「3つの要素」から、少なくとも2つが必要です。逆に言うと、2つ持っておけば「絶対にボールを奪われないドリブル」を完成させることができます。相手をドリブルで抜くことは無理でも、1対1で奪われることはなくなります。

 「思ったところにボールを動かすのが上手くて、相手から離れることができる選手」(例えば、イニエスタ選手・ネイマール選手・エムバぺ選手・ソンフンミン選手など)は、「小柄な選手」や「細い選手」が多いです。
 「相手の身体をブロックできて、思ったところにボールを動かすのが上手い選手」(例えば、テべス選手・レバンドフスキ選手・イブラヒモビッチ選手など)は、「筋肉がある選手」が多いです。

 「相手の身体をブロックできて、相手から離れることができる選手」(例えば、ハーランド選手・ベイル選手・ロナウド選手)は、「身長が高い選手」が多いです。


 まずは、自分がどんなタイプの選手になれるのかを考えることが大切です。自分自身をよく理解した上で、3つの要素を伸ばすトレーニングをおこなうことができれば、必ず「絶対にボールを奪われないドリブル」ができる選手に成長することができます。

 サッカー選手である以上、ドリブルは絶対に必要です。どんなポジションでも使うプレーがドリブルです。ドリブルでボールを運んでいる時に、相手に囲まれてしまうことは少なくありません。そんな時、パスに逃げるのではなく、相手を抜かずとも、ボールを奪われないドリブルができる選手の価値は高いです。


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VORAZ FUTBOL CLUB(ボラスフットボールクラブ)は、スペイン産ポゼッションフットボールを体現する、滋賀県大津市のサッカークラブです。現在は、日本サッカー協会にチーム登録し、滋賀県・社会人サッカー連盟に加盟しています。活動の場は、主に日本サッカー協会主催の関西社会人サッカー・滋賀県社会人サッカーリーグ戦です。

※ボラスフットボールクラブは、共に戦いたいという情熱をもった選手を募集しています。サッカーが下手でも構いません。謙虚で礼儀正しく、コミュニケーションを積極的に取れる選手を募集しています。チームへの加入を希望される方は、「LaBOLAサイトでのメッセージ」もしくは「Instagram」から参加申請を記入の上、ご連絡ください。

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