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スペインで求められた2つの要素!!

 今回は「スペインで求められた2つの要素」というテーマでお話させていただきます。
 僕は17歳の時にスペイン、バルセロナにあるアカデミーにサッカー留学をしていました。その当時、スペインで17歳ながらに思ったことがあります。それは、日本で教えてもらってきたこと「全て」が間違っていたということです。これまでやってきた「サッカー」というスポーツと、スペインで今やっている「サッカー」というスポーツが、全く違う競技じゃないかと思えるくらい、考え方から求められるプレーまで、全てが違いました。今回のお話は、そんなスペインで、特に大切にされていた「ある2つの要素」についてお話させていただきます。
 スペインがボールポゼッションを大切にする国であることは、皆さんご存知だと思います。「個人」よりも「組織」を大切にし、「ボールを保持し続けること」を大切にする国です。そのためにどのような能力が選手たちに必要なのかを考えて、トレーニングも構成されています。
 トレーニングの中で、コーチや監督がずっと言っている言葉があります。それは「リズム」と「スピード」です。コーチや監督は、「速く!」「リズムをつくれ!」と言います。それは、トレーニングのメニューが変わっても同じです。シュートも、パスも、ドリブルも「リズム」と「スピード」が求められます。
 「リズム」とはいったい何なのでしょうか。スピードはまだわかります。より速くすればいいだけです。ですが、リズムは何が正解なのかわからりづらいです。
 アカデミーの監督さんに聞くと、「リズムを意識することが大切で、正解はないよ!」と笑いながら話していました。感覚的に「スピード」だけを意識してプレーしている人と、「リズムよくプレーすること」も意識してプレーしている人とでは、プレーの切れが違うそうなのです。僕は、論理的に解明していかないと納得できない人です。次に進めない人ですから、その日から、「リズムとはいったい何なのだろう」と考えました。
 監督やコーチがどんな時に「リズムのこと」で褒めているのか注目して分析するようにしました。初めは、リズムを「規則正しいリズムの連続性」か「同じことを何度も同じ時間でやること」かと思いました。しかし、監督がほめているところを見ると、どうやらそうでもないことがわかりました。
 やっていくうちになんとなくわかってきたのは、規則的なリズムが「リズムチェンジ」されたときに褒められているということです。状況やプレーに合わせてリズムを選択できているときに、監督がほめると分かりました。
 つまり、まずは基本となる「規則正しいリズムの連続性」を持つことが大切です。上手い選手は、絶対に自分の「型」があります。規則正しいリズムの連続性があります。そこから、いつもと違う「例外」を生み出すことで、相手ディフェンスを騙したり、混乱させたりするのです。「基本となるリズム+リズムチェンジ」が「良いリズム」の正解なのです。

 スピードの話を最後にしておきます。日本とは違うのは、「正確性」よりも「速さ」を重視するということです。極限まで速いです。パスがシュートのように速いです。「ボールを失わない」という絶対的なルールがあるのですが、スペインだと、パスの受け手は「体の縦線」主軸のところにパスが来たときは、ボールが浮いていようがはねていようが、どんなパスであろうが、受け取らないと受け手のミスとカウントされてしまいます。パスが横にずれた場合も、ある程度は受け手が修正して受けないと、受け手のミスと考えられるのです。スペインでは、受け手の「受けられる範囲」と「プレーの範囲」は広がります。日本では、受け手が受けやすいように、足元にパスを送ります。これでは、相手ディフェンダーが上手くなればなるほど、組織的に守備陣形が完成すればするほど、パスが通らなくなります。受け手の受けやすさについて考えるよりも「どんなボールでも受けられるようになってね!」という考え方なのです。凄いダイレクトパスや連携プレーが得意なのは、この受け手がどんなボールも受けるという理論があるからでしょう。
 リズムとスピードが重要視され、まるで11人が1つの生き物のように見えるのは、「規則正しいリズムの連続性」の中で、予想を超える速さで動くボールと、そこから時に牙を見せる「リズムチェンジ」があるからでしょうあ。これがスペインのフットボール哲学なのです。
 リズムとスピード、これまでの考え方から一新してサッカーをやってみることをおすすめします。そうすれば、サッカーの世界が、これまでと全く違った世界になるでしょう。プレーの幅も、プレーの質も、変わってくると思います。

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※「いつでも」「どこでも」聞ける『音声配信』を始めました。
「サッカーが上手くなりたい人」におすすめの情報を発信しています。スペインバルセロナにあるアカデミーやアルゼンチンのクラブでプレーして学んだことを、海外サッカー経験者から直接お届け致します。
音声配信:『VORAZ FUTBOL CLUB』 Anchor/Spotify
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VORAZ FUTBOL CLUB(ボラスフットボールクラブ)は、スペイン産ポゼッションフットボールを体現する、滋賀県大津市のサッカークラブです。現在は、日本サッカー協会にチーム登録し、滋賀県・社会人サッカー連盟に加盟しています。活動の場は、主に日本サッカー協会主催の関西社会人サッカー・滋賀県社会人サッカーリーグ戦です。
※ボラスフットボールクラブは、共に戦いたいという情熱をもった選手を募集しています。サッカーが下手でも構いません。謙虚で礼儀正しく、コミュニケーションを積極的に取れる選手を募集しています。チームへの加入を希望される方は、「LaBOLAサイトのメッセージ」もしくは「Instagram」から参加申請を記入の上、ご連絡ください。

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