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実録・連合赤軍 あさま山荘への道程 (映画046)

「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」

「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」は2008年に公開された若松孝二監督作品です。実話が元になっている作品、三時間を超える大作、そのような共通項から「タイタニック」を連想、「タイタニック」は事故ですが本作は事件、つまり、実際にあった出来事が元になっている映画で個人的に最も印象に残る作品として位置付けしているのが事故の「タイタニック」、事件の本作であります。寒々しい「タイタニック」でしたが本作も雪深い環境、そのような事柄も冷静は追いやられ惨劇に繋がる要因だったのかもしれませんが元々は正義感や良心から行われた革命があのような惨劇、悲劇になってしまったのはなんとも言えない皮肉であります。極端な話、教室や職場で行われるイジメは山岳ベース事件と共通していると思います。身を守る為に暴力を加える、背けばリンチにされて埋められるなんて恐ろしいですし、人は瀬戸際に立つと何もできないことを痛感させられます。無名の俳優が多かったですが先入観が働かないので効果的だったと思います。特に永田洋子を演じた並木愛枝が素晴らしい演技、後の「十三人の刺客」の稲垣吾郎、「凶悪」のピエール瀧、リリー・フランキーと並ぶ並木愛枝の極悪ぶりでありました。本作の公開を待ち望んでいて撮影していたのも知っていましたし、予算が足らずカンパを集めていたのも知っていました。カンパはできませんでしたが映画館で入場料を払って鑑賞、通常よりも高かったのは製作側の苦労が滲み出ていて鉄球のような重みも加わる作品でした。

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