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kenbunton
2023年8月2日 15:51
その日からというもの、音楽番組を観ては時折映るドラムに釘付けとなり、カーステレオからCDを流せば、(そもそも音楽と触れていない時でさえも)後部座席で太ももを叩き、そのドラマーになりきっていた。四六時中、頭の中で「ドラム」という楽器を描いていた。そもそも田舎にドラムセットがある場所などなく、自分の回りに音楽をやっている人もいなかった。ただ椅子に座り、両手両足でリズムを刻
2023年7月30日 09:55
2006年、茹だるような暑さが落ち着いてきたある日。その日は地元の中学校で文化祭が行われていた。「お前、暇か?」と近所のお兄ちゃんに渋々連れられ、小学校6年生だった僕は中学校の体育館へ。脚が床に届かないパイプ椅子に座り、様々な催しものをみた。そして「バンド演奏」の時間がやってきた。演奏項目はスピッツの「チェリー」と「ひばりのこころ」だった。クラス全員、といっても10