新人 1-2 北池袋に進路を取る
先輩が出て行くと、所属するMRは全員出払っていて、所長と新人だけが取り残された。所長は相変わらず誰か、外国人と思しき人と電話で盛り上がっていた。
靴を履いたままの足をデスクの上に投げ出し、禁煙オフィスではあるが、タバコをふかしながら一頻り話が終わって電話を切るや否や、新人に話しかけてきた。
「おい、新人君、わりーけど乗っけてくれねーか?」
聞き治すと、北池袋まで営業車で乗せて行って欲しいと言うことだった。定時にはまだ1時間半ほど早いが、営業所には何も監視カメラがあるわけ