不安定な相場模様-マーケット考察-2020.6.18

ダウ平均は4営業日ぶりに反落した一方で、ナスダックは上昇。

ダウ平均は感染「第2波」への懸念と、景気回復への期待を手掛かりに、前日終値を挟んでの動きとなりましたが、前日まで3営業日続伸した後で特段の買い情報が無く、昨日は買いが失速しました。

根底でくすぶっている相場懸念材料は
(1) 米国の経済活動を早期再開した一部の州や中国・北京で新型コロナの新規感染者が増え、感染第2波への警戒感が高まっていること

(2) 米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、前日に続いて議会証言に出席し、議会に対し、新型コロナを受けた景気支援策の早すぎる撤回への懸念と今後のFRBのオペレーションは財政と一体化せざるを得ないので、米議会が志半ばで財政出動を停止してしまうと景気回復に水を差しかねないことを表明したこと

でした。

ただ、数日前にクドロー国家経済会議(NEC)委員長が表明しました通り、今のところ、トランプ政権は感染第2波が広がったとしても経済封鎖を再度実施する意向はないので、市場はまだ危機感を高めてはいないようです。それ故に、景気支援策や早期の景気回復への期待が株価を下支えした。

経済指標に関して、商務省が発表した5月住宅着工件数は前月比+4.3%の97.4万戸と予想110.0万戸を下回ったものの、4カ月ぶりのプラスに改善しました。今後の住宅着工件数の先行指標となる5月の住宅着工許可件数は前月から14.4%増加と4ヶ月ぶりのプラスでしたが予想を下回り、住宅市場は回復基調ながら遅いペースとなりそうです。

テクニカル的には、ダウ平均は先週の急落から200日線付近まで戻していますが、現在の状況下で期待感だけで更なる上値を追って行けるのか懐疑的な声も少なくありません。

引き続き、このような上下動を繰り返す不安定な相場模様になるのではないかと思われます。


立沢 賢一(たつざわ けんいち)
元HSBC証券社長、京都橘大学客員教授。会社経営、投資コンサルタントとして活躍の傍ら、ゴルフティーチングプロ、書道家、米国宝石協会(GIA)会員など多彩な活動を続けている。投資家サロンを通して投資戦略、情報リテラシーの向上に貢献します。

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