追加刺激策に相場は好転-マーケット考察-2020.6.23

米国株式市場は上昇。

ダウ平均は朝方に203ドル安まで下落したものの、153.50ドル高(+0.59%)と4日ぶりに反発して終了。S&P500も0.65%高と反発し、ナスダック総合指数は1.11%高と7日続伸し、終値で6月10日以来の史上最高値更新となりました。iPhoneのOSアップデートを発表したアップルが2.62%高となったほか、マイクロソフトも2.78%高となりともに上場来高値を更新。ネットフリックス、アマゾン・ドット・コムも上昇しました。更に、小型株も1%超上昇しました。

マイナス要因は金曜日の全米の新型コロナウイルス感染者数は3万人を超え、一日の感染者数としては5月1日以来の多さとなり、ネバダ、フロリダ、カリフォルニアなどでは一日の感染者数が過去最高を記録したことやテキサス州知事が感染拡大は許容できない水準だと表明したことでした。

然し乍ら、全米各地で経済活動の再開が進んでいることやトランプ大統領が第2弾の直接的現金供給も支持する考えを示しますと相場は大きく上昇に転じたのです。クドロー国家経済会議(NEC)委員長は、追加刺激策の実施は「ほぼ確定」で、7月4日の連休明けに上院と案を協議する計画を明らかにしました。

米国株式市場はプライスアクションからも明らかな通り、GAAFAを中心としたナスダック銘柄が牽引役として市場を牽引している一方で、航空株やクルーズなどの旅行関連株は依然として弱く、これが米ダウ平均の上昇を抑えている状況です。結局1ヶ月程度続く足元の調整局面において、市場は一部の負け組を除いて、かなり広範に押し目買いを続けているような印象です。

それでもメディアのコメントは結構慎重なものが多いですし、市場のベアセンチメントを表象するゴールドも再び高値を更新しています。3月の底値から早めに市場に入っている個人投資家はかなりブリッシュモードな一方で、多くの機関投資家はまだ警戒感を持ち続けている感があります。どちらが正しいかは今後の市場が教えてくれるのでしょう。


立沢 賢一(たつざわ けんいち)
元HSBC証券社長、京都橘大学客員教授。会社経営、投資コンサルタントとして活躍の傍ら、ゴルフティーチングプロ、書道家、米国宝石協会(GIA)会員など多彩な活動を続けている。投資家サロンを通して投資戦略、情報リテラシーの向上に貢献します。

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