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スティーブ・ジョブズ伝説のスピーチの真意は何か#5

2020年がスタートしてはや数日が経ちました。今回はスティーブ・ジョブズのスタンフォード大学卒業式講演のスピーチについて話したいと思います。なぜ今頃?と思われるかもしれまんが、僕は初めてこのスピーチを聞いたときから何か心に残るものがあって、大学のとある授業でこのスピーチについて扱ったので、ちょうど良い機会だと思い、久しぶりに聞き直してみました。

すると繰り返しスピーチを聞くなかで、この15分のなかには人の人生を一変させてしまうような大きな学びが、たくさん含まれていることに気づいたのです。原文にもあるように、文字通り頭をレンガで殴られたような衝撃を受けました。生きる目標と生きる意義と意味を与えてくれるもの、それがスタンフォード大学卒業式のジョブズのスピーチなのだと感じました。

そんなスティーブ・ジョブズのスピーチから、僕がどんなことを感じ、どう自分の人生に活かしていきたいかについて、原文を交えながら深掘りして語っていきます。思ったことや感じたことを書いただけで、ぐちゃぐちゃな部分がありますが文の拙さには多少目を瞑ってもらえれば幸いです(笑)学んだことは主に4つに分けることができます。

①決断するということは、スティーブ・ジョブズでさえも怖いもの

②今の状況だけ見て判断しないこと

③自分の人生、本当にやりたいことをやること

④明日死んでもいいように毎日を生きること

一つずつ順を追って説明していきます。


①決断するということは、スティーブ・ジョブズでさえも怖いもの

"It was pretty scary at the time, but looking back, it was one of the best decisions I ever made.

当時は怖かったけど、後から振り返ると大学を中退したことは、これまで私が下してきた決断のなかでも最良のものでした。"

あのスティーブ・ジョブズですら、大学を辞めるという決断は怖いものなんだなあと率直に思いました。世間から見た社会的成功者と呼ばれる人物でも、一人の人間であって、結果として紆余曲折があってそれが人生の肥やしになっているのかもしれません。

人には決断しないといけないことってたくさんあると思います。何をしたって不安という要素は付きまとうものです。でもこのスピーチを聞いて、それは自然なことなんだと思いました。そう考えたら不安にフォーカスするのではなくて、自分がすべきことに集中しようって思うことがベストな選択のはずです。


②今の状況だけ見て判断しないこと

"Of course it was impossible to connect the dots looking forward when I was in college. But it was very, very clear looking backwards ten years later. Again, you can't connect the dots looking forward: you can only connect them looking forwards. So you have to trust that the dots will somehow connect in your future. You have to trust in something - your gut, destiny, life, karma, whatever, because believing that the dots will connect down the road will give you the confidence to follow your heart, even when it leads you off the well-worn path, and that will make all the difference.

もちろん、私が大学にいたときは、今の自分と将来の自分を結び付けることなんてできませんでした。でも10年後に振り返ってみると、過去と未来は結ばれていたんだとはっきりと分かります。もう一度言いますが、先を見ても分かりません。後から振り返ってしか結びつけることはできないのです。だからこそ、点と点は必ずや将来、何らかの形で結ばれるのだということを確信してもらいたいのです。何かを信じてください。根性や宿命、そして運命やカルマ、何でもいいのです。なぜならば、点と点がいずれ結び付くということを信じれば、必ずや自分の気持ちに正直になれるからです。そうすることにより、たとえ普通の人と違う人生を歩み、そして他人とは全く違う人生を歩むようになったとしてもです。"

今これをやるべきなのかな?と悩むことはあると思います。僕も今は「ブログを書いて自分の気持ちを言語化にして整理しよう、発信しよう」と思って書いていますけど、その前は「ブログは書いてみたいけど、本当にそれは今やるべきことなのかな?」って思ったように、悩んだり迷ったりすることなんていっぱいあります。

そんなときは、先々どうなるかを考えて悩むのではなくて、まずは自分のやりたいことを目一杯やること。それが将来どんな結果をもたらすかが分からないから悩んでしまう。でも、悩んでも分からないんだから、本当にやりたいことをやるべきです。そしたら、そこから何か新たなことに繋がるかもしれないし、思ってもみない方向に話が進むこともあるかもしれないし、それはそれで面白いと思います。それが人生。楽観主義も大切です。

さらに人生とは経験の積み重ねであり、経験が人生を作り上げている。確か本田宗一郎さんも似たようなことを言っていたような気がします。「人生は見たり、聞いたり、試したりの3つの知恵でまとまっているが、多くの人は見たり聞いたりばかりで一番重要な「試したり」をほとんどしない。ありふれたことだが、失敗と成功は裏腹になっている。みんな失敗を恐れるから成功のチャンスも少ない」と言っています。

これは、経験しないことには失敗も成功もできないということだと思います。試したり(つまりチャレンジ)した数だけ人生という線は太く長くなるものであり、やってみないことには分からないこともあれば、一回やってみただけでも分かることもあるということです。要は「百聞は一見に如かず」ですね。


③自分の人生、本当にやりたいことをやること

"Your work is going to fill a large part of your life, and the only way to be truly satisfied is to do what you believe is great work. And the only way to do great work is to love what you do. If you haven't found it yet, keep looking. Don't settle.

仕事というのは自分の人生の大半を占める大きなものだから、満足いく人生を送りたければ「これだ!」と思える仕事をしなければなりません。そして、最高の仕事ができる唯一の方法、それは自分のすることを愛することです。やりたいことがまだ見つかっていないのであれば、探し続けてください。そして、絶対に妥協しないことです。"

"Your time is limited, so don't waste it living someone else's life. Don't be trapped by dogma - which is living with results of other people's thinking. Don't let the noise of other's opinions drown out your own inner voice. And most important, have the courage to follow your heart and intuition. They somehow already know what you truly want to become. Everything else is secondary.

時間は限られています。だからこそ、他人の人生を歩んで時間を無駄にするようなことはしないでください。「こうあるべき」という考えに囚われるのは、他人の意見に流されているということです。他人の声という雑音によって自分の内なる声がかき消されてしまってはダメなのです。自分で一番大事にしていることと自分の直観、これに忠実になれる勇気を持って頂きたいのです。この二つはあなたがどうなりたいのかを既に知っているはずです。これ以外のものは二の次でいいのです。"

「こうしなければいけない」という固定概念はたくさんあると思います。「大学に行かなきゃいけない」「良い会社に入らなきゃいけない」「上司に気に入られるように仕事しなきゃいけない」「いつまでもフラフラしないで、ある程度妥協しなきゃいけない」などなど…。

しかし、こういう縛りがあればあるほど、人生の満足度や幸福度は下がってしまうと思います。「〇〇しなければいけない」と考えながら生きるよりも、自分の興味あることを仕事にするのが一番だし、そのほうが死ぬときに「やりたいことやったな」と思えると僕は思います。

でも、やりたいこと見つかるまで探し続けろとはいうものの、ある程度の期限は設けたほうがいいと思います。そのほうが集中して取り組めるはずだからです。一つのことに熱中しすぎてマンネリ化してしまうのは、あまり得策ではないはずです。


④明日死んでもいいように毎日を生きること

"If you live each day as if it was your last, someday you'll most certainly be right. It made an impression on me, and since then, for past 33 years, I have looked in the mirror every morning and asked myself. If today were the last day of my life, would I want to do what I am about to do today? And whenever the answer has been “No” for too many days in a row. I know I need to change something.

「今日が人生最後の日だと思って過ごしていれば、いつの日かその通りになるだろう」というものです。この言葉を聞いてから33年間、毎朝鏡に向かって自分に問いかけています。「もし今日が人生最後の日だったら、今日やろうとしていることを自分は本当にやりたいだろうか」と。もしその答えが何日も続けて「No」だったら、それは何かを変える必要があります。"

"Remembering that I'll be dead soon is the most important tool I've ever encountered to help me make the big choices in life.

人はいつか死ぬということを覚えておくことは、人生の様々な選択をするうえで、とても大きな助けになります。"

この言葉の意味するところは、「もし今日が人生最後の日だったとしても、後悔しない?」かなと僕は思います。ほとんどの場合、人生は明日も明後日も続いていきます。だから、毎日に締まりがなくついダラけてしまう。でも、もし突然「はい、人生終わり」と言われたら、絶対後悔すると思います。

だから、「今日やろうとしていることをやって、もしそれで人生終わりだとしても、本当に後悔しない?」と聞かれているという風に解釈しました。そうしたらこの言葉が凄く現実的に思えたんです。

もし今日が人生最後だったら、本当にダラダラとテレビやYouTubeを見るのか?つまらない言い合いを誰かとするのか?もしくは、今日が自分の家族の人生最後の日だったら?親孝行しないで後悔しない?自分の大切な人達と本気で向き合わないで後悔しない?そんな風に考えるようになりました。誰もが生まれた瞬間に死に近づいていて、避けることはできない。だからこそ、今を集中して生きるべきだと思います。


まとめると、このスピーチは大きく3つに分かれています。

1.点と点を繋げる:今やっていることは将来どこかで繋がると信じること。

2.愛と敗北(喪失):自分が愛する、素晴らしいと思える仕事をするべき。

3.死:自分の心と直観に従って生きること。

これらに首尾一貫して言われていることは、「手放すことを恐れるな」ということです。人間は日々多くのものを手に入れています。それは経験であったり、能力や技術、スキルであったり、例えばお金であったり、人間関係であったり、それらは今後ずっと大事にしようと思って手にしたはずなのに、いつしか自分を縛る重い鎖になっていることがあるということです。まるで過去に囚われてしまって未来に前に進めていないのか、そんな気すらしてしまいます。

最後に、ジョブズといえばミニマリズムとして知られています。このスピーチにも余分な言葉は一切なく、簡潔に言いたいことを主張してきます。ここで僕はふと「死」はモノを捨てることと似ているかもしれないと思いました。シンプルな暮らしを求めて、断捨離することは、そのたびに自分が死ぬということと近いかもしれません。

もちろん実際に死ぬわけではありません。古いものを捨てる、手放すことは、殺すことに似ているということです。死は新しい物を生み出すから、断捨離している人は、物を手放すたびに、新しい「何か」を手にしているのではないでしょうか? この世の中は、古いものがなくならないと、新しいものは登場しません。古いものを取っ払う、つまり捨てないと、新しいものは生まれないのです。もちろん共存している期間はありますが。

だからこそもう終わっていたり、古かったり、いらない物は断捨離すべきなのでしょう。新しいものを手に入れるために。 人生はいつも変化しています。ガラクタで、その変化を停滞させてはいけません。 進化、成長、発展、進歩といったものは、常にそれまであったものを捨てたり、否定することで生まれるはずです。少しずつ積み上げていくものもありますが、AがA’になったら、その2つは決して同じものではありません。 昨日の自分と今日の自分が違うように。

ジョブズの言うように死が人生の最高の発明なら、「捨てること」も生活において、最良のやり方だという気がします。 もし前に進みたかったら、「捨てる」という行為は避けて通れないと僕は思います。

もしかすると捨てて身軽になっていけば、ジョブズの言う、自分の心や直感に気付くことができるのかもしれません。やりたいことが見つかったら、たとえそれが世間の常識からはずれていたり、時の流れに合わなくても、自分自身を信じて、やり続けるべきなのかもしれません。この道はきっとどこかにつながっていると信じて。

そしてジョブスはスピーチの終わりに、この言葉を繰り返しています。

「Stay hungry, Stay foolish.」「常に挑戦者であれ。そして愚かであれ。」

挑戦者(ハングリー)であり続けること、愚かであり続けることは、いつも挑戦を続けることにほかなりません。変化を恐れずに。 そうやって、前に進み続けるのが人生の醍醐味であり、「生きるとは何か」を我々に伝えているのかもしれません。だいぶ推敲したつもりでしたがこんなにも長くなってしまいました。拙い文章ですが最後まで読んでくれてありがとうございます!

















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