秋山 賢輔

気象予報士の資格は有していますが気象業務の経験はありません。 気象予報について興味をも…

秋山 賢輔

気象予報士の資格は有していますが気象業務の経験はありません。 気象予報について興味をもったことや疑問に思ったことについて 自分なりに調べてお伝えしたいと思っています。

最近の記事

ワンクリックで実況・予報資料が確認できる環境をつくってみました

専門的な実況図や予報資料は予報業務許可事業者、国や地方公共団体等の関係部署に就業している人であれば、身近に閲覧できる環境が整っているかと思います。 一方で民間企業で働いている人や現役を引退した方々にとっては、これらの資料入手は可能ではありますが、”容易に” ”継続的に” ”俯瞰して” という観点でみると閲覧環境が整っているとはいえません。 かくいう私も運行管理を担当していたことがあり、特に悪天候が予想される場合にはナウキャストをみたり、気象庁のHPから予報図をダウンロードし

    • 1か月予報の時系列図に実況データを追記してみる

      長期予報はなかなか利用するのが難しい。どのくらい信用してよいのか、判断がつきません。実際はどうだったのか?今年4月からの時系列図について、予報図に4週後の予報図の実況を追記するプログラムを書いてみました。 4週前までの予報は結果に関しては予報通りのとき、そうはならなかったときと様々でした。今年4月からの図は以下のURLから閲覧できます。 https://seasonal-forecast.com/1m/1m.php ここでは、直近4週前までの朱書き追記した図をご紹介しま

      • 【九州限定】前日天気と気温予報の公開をはじめました

        今回は宣伝です。 いまどきの手法ではないのですが、1日1回の定期的なグラフ画像アップロードという古典的な手法で九州のお天気に関する情報をWEB公開しています。見栄えの良いコンテンツにはなっていませんがお許しください。 情報はこちらから → 「お天気アーカイブ」 提供している情報1.アメダス実況値   ・地図表示(最高・最低気温、降水量、日照時間)  ・地点別表示   ・前日の雨量   ・前日の天気(気温、風向風速(矢羽)、降水量、日照時間)   ・直近5日間の天気(気温、風

        • 10/5)高森の朝の気温が熊本よりも高くなった

          10/3の朝の最低気温について投稿してから、山間部と平野部の朝の気温が気になっていたところ、10/5の朝に珍しい事象がありました。 10/5)朝6時の気温高森:19.2℃ 南阿蘇:18.3℃  熊本:18.5℃ 高森の気温が熊本の気温よりも高い・・ 前回投稿後に知った雲海カメラをみるも時すでに遅し。 twitterを検索してみるとこの日は阿蘇乙姫側は薄く雲海がかかっていた模様 天気は?高森と熊本の前日からの気温などの変化がコチラ 高森は前日の21:00ごろからほとんど気

        ワンクリックで実況・予報資料が確認できる環境をつくってみました

          10/2)南小国 朝の気温があまり下がらなかったのは・・放射冷却について調べてみる

          10月に入っても九州は暑い日が続いています。 一方で、熊本の朝の気温は、台風が通過した17日以降、20℃近くまで下がるようになって、ようやく過ごしやすくなってきました。 <10/4追記> ごちゃごちゃ書いてしまいました。 小国町には雲海がかかっていたとの報道を見つけてしまいました。 https://www.news24.jp/articles/2021/10/02/07949235.html 10/2の朝の最低気温熊本の朝の最低気温は17.6℃。ひんやりと感じられました。

          10/2)南小国 朝の気温があまり下がらなかったのは・・放射冷却について調べてみる

          九州の大雨が続いています

          おとといからの大雨で大きな被害が発生しています。 「こんな時期に・・」と思われている方が多いのではと思います。 被害に遭われていらっしゃる方々、お見舞い申し上げます。 今後も厳しい状況が続くことが見込まれています。 まだ、被害に遭われていない方、 特別警報が発表された長崎、佐賀、福岡ではこんな雨の降り方でした。 九州北部のアメダス雨量グラフ上部の雨量の数値は、目盛の時刻における 上段)1時間、 中段)3時間、 下段)24時間雨量 です。  (降り始めからの積算ではあり

          九州の大雨が続いています

          九州の大雨

          昨日(8/12)から九州は大雨です。 おとといも、かなり強い雨が降りました。 気象庁HPから取得したひまわりの画像を早送り動画に加工してみました。 九州の西の海上でもくもくと雲が湧く様子が しばらくこのような状況が続くようです。要警戒です。 気象衛星ひまわりの早回し画像赤外画像 8/12のお昼~8/13朝まで 水蒸気画像 8/12のお昼~8/13朝まで アメダス(10分値)グラフ九州各地で大雨ですが、場所によって降り方が違います(当然か) 鹿北(熊本県北部) 熊

          九州の大雨

          戦争体験 ならぬ 気候変動体験

          「戦争体験」という言葉はよく耳にする言葉です。 ですが、50も半ばに近づいた私にとって、戦争があったことを感じられた生の光景はもう50年近く前の浅草仲見世通りにしかありません。 軍服を着てアコーディオンオルガンを演奏する元兵隊の方々。 片腕がない人、片足が義足の人がたくさんいました。 昭和前期の戦争の時代を生きた人々は日々何を感じていたのか? 生で戦争を感じる光景は失われて久しい。 「気候変動体験」:造語です。 ですが、気象に関心を持ち続けてきた者として、このような言葉をあ

          戦争体験 ならぬ 気候変動体験

          新平年値もどきを算出してみました(データ品質について)

          データ品質について前回までに取り上げた平均気温、降水量の平年値や階級区分値の算出に際して統計に追加すべきでない値も除外せずに処理しました。 せめて、それぞれの数は提示すべきと思い、追加報告します。 データ品質は気象観測統計指針の中で次のとおり定義されています。 3.1.3 観測値、統計値の分類 観測値、統計値は品質により以下のように共通の分類を行う。 (1) 正常値 正常に観測された値及び全ての資料がそろった状態で統計した値を「正常値」と分類し、通常、値のみを表記する。

          新平年値もどきを算出してみました(データ品質について)

          新平年値もどきを算出してみました(降水量)

          続いて、降水量についてお伝えします。 対象地点は平均気温と同様に5地点です。 降水量平均気温と同じく、気象庁が公開している平年値(1981-2010)と計算により得られた平年値(1981-2010)をグラフ上に表示してあります。重なり合って表示されていますので統計扱いしないデータの影響はほぼないといえそうです。 そのうえで、秋田、山形の平年値はほとんど変わらないようにみえます。また、東京、広島、熊本についても降水量が増えた期間、減った期間がまちまちであまり変わらないように

          新平年値もどきを算出してみました(降水量)

          新平年値もどきを算出してみました(平均気温)

          2021年5月に平年値が更新されます。 気象庁では、西暦年の1の位が1の年から続く30 年間の平均値をもって平年 値とし、10 年ごとに更新しています。これまでの1981~2010年の観測値による平年値から1991~2020年の観測値による平年値に変わります。 1981~1990年の観測値が平年値の対象から外れ、2011~2020年の観測値が平年値の対象に加わることによって、新平年値がどう変わるのかを調べてみました。 対象項目は、平均気温、降水量、日照時間の3項目です。

          新平年値もどきを算出してみました(平均気温)

          1か月予報はどのくらい適中するのか?出現率について

          前回、最終回のつもりでしたが、気象庁の精度評価方法に準じた確率ごとの出現率を出してみましたのでお伝えします。 予報確率ごとの出現率2020年に発表された全52週の気温、降水量、日照時間の予報確率ごとの出現率は次のとおりでした。 出現率=(各予報確率での)出現回数/(各予報確率での)発表回数 なお、グラフ中の数値は発表回数です。 いずれの要素も、予報確率10,20%では過大、30,40%では適切、50%以上では過小となり、気象庁がHPで公開している過去5年間の傾向と同じ

          1か月予報はどのくらい適中するのか?出現率について

          1か月予報はどのくらい適中するのか?(その6)気温 3-4週目予報

          「1か月予報はどのくらい適中するのか」と題して5回にわたってお伝えしてきました。その最終回となる6回目は気温の3-4週目予報です。 予報確率ごとの発表回数1/18からの50週、200回の予報確率ごとの発表回数は次のとおりでした。 気温が高くなる確率が50%以上と予想された回数は102回(51%)と半数を超え、平年並みかやや高いとする20:40:40の確率の64回(32%)を加えると3-4週目予報においても80%を超える割合で気温が高い傾向との予報が出されていました。 予報

          1か月予報はどのくらい適中するのか?(その6)気温 3-4週目予報

          1か月予報はどのくらい適中するのか?(その5)2週目予報 気温

          今回は2020年に気象庁から発表された2週目予報の適中状況についてお伝えします。 予報確率ごとの発表回数1/11からの51週、204回の予報確率ごとの発表回数は次のとおりでした。 2020年は気温が平年よりも高い状況が長い期間予想されたこともあって、気温が高くなる確率が60%以上の発表が全体の37%を占めました。  10:10:80  21回 (10%)  10:20:70  23回 (11%)  10:30:60  33回 (16%) 1週目予報よりも不確実性が増すこと

          1か月予報はどのくらい適中するのか?(その5)2週目予報 気温

          1か月予報はどのくらい適中するのか?(その4)気温 1週目予報

          1か月予報では、この先1か月(28日間)の予報に加え、気温のみ、1週目、2週目、3-4週目の確率予報も発表されます。今回は2020年に気象庁から発表された1週目予報の適中状況についてお伝えします。 予報確率ごとの発表回数1/4からの52週、208回の予報確率ごとの発表回数は次のとおりでした。 2020年は気温が平年よりも高い状況が長い期間予想されたこともあって、気温が高くなる確率が60%以上の発表が全体の半数を占めました。  10:10:80  42回 (20%)  10:

          1か月予報はどのくらい適中するのか?(その4)気温 1週目予報

          天気図のない天気予報・・

          お天気に興味をもったのは小学生のころ。(もう40年以上も前のこと) 何かきっかけがあったのかと振り返るも心当たりなし。 空を見るのが好きとか雲を見るのが好きとかそんなこともない。 唯一思い出したこと。10歳の頃、当時、私は北九州市に住んでいた。 かなり強い台風が接近、上陸、そして通過した。 翌朝、外に出ると木の枝や葉があちこちに散乱していた。 こんなときには昔も今もNHKは台風情報を終夜流してくれる。 深夜は30分か1時間おきに台風の現在位置や勢力、今後の進路を伝える。

          天気図のない天気予報・・