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1か月予報はどのくらい適中するのか?(その6)気温 3-4週目予報

「1か月予報はどのくらい適中するのか」と題して5回にわたってお伝えしてきました。その最終回となる6回目は気温の3-4週目予報です。

予報確率ごとの発表回数

1/18からの50週、200回の予報確率ごとの発表回数は次のとおりでした。
気温が高くなる確率が50%以上と予想された回数は102回(51%)と半数を超え、平年並みかやや高いとする20:40:40の確率の64回(32%)を加えると3-4週目予報においても80%を超える割合で気温が高い傾向との予報が出されていました。

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予報確率ごとの適中率

3-4週目も2週目とほぼ変わらない適中率となりました。ここでも集計する意味の有無はともかくとして予報確率ごとにその確率の最大値と実況とが一致(適中)する割合はその確率値よりもやや高い結果になったということが言えるかと思います。
 10:30:6071%  20:30:5069% (予報確率→適中率)

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予報区ごとの適中率

ほぼ適中を含めた適中率は北日本と沖縄・奄美では2週目予報を上回り、東日本と西日本では下回りました。北日本は20:40:40の予報確率が他の予報区の2倍近い24回あって、そのうちの22回がほぼ適中に該当したことが極端に不適中が少なくなった要因になっていると思います。

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予報区分ごとの時系列適中状況

発表回ごとの適中状況をグラフにしました。北日本では不適中がほとんどなく、東日本、西日本、沖縄・奄美はほぼ同じ時期に不適中が目立ちました。また、3-4週目予報で不適中となった時期は1か月先までの予報とほぼ重なっていました。(その2を参照)

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ここまで2020年の1か月予報について予報と実況を比較することによって、どのくらい適中するのかということをみてきました。

この作業は気象学を全く知らなくてもできる作業に過ぎませんが、予報モデルがどうこう、物理過程がどうこうなどとなると全く歯が立たない自身にとって、この分野でできることなのかと思います。

今後もなにかしらテーマを見つけてお伝えできればと考えています。

1か月予報は数値予報を中心とした様々な資料を読み解いて、日々の天気予報とは異なるプロセスを経て発表されているようです。気象庁は1か月予報の作業に関して「季節予報作業指針~基礎から実践まで~(平成25年3月)」という職員向けの研修テキストを発行しています。このテキストは気象庁のHPで公開されていますので、興味のある方は目を通していただければと思います。

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