新しいストリートカルチャーと共通点
発酵デザイナーの小倉ヒラクさんが、約1ヶ月前にこんなツイートしていた。
今の時代のカルチャーの中で、何が注目を浴びて生活の中で大切にされているのか考えているときに流れてきたツイートでした。
コーヒー、カレー、発酵、サウナ
この4つに共通することって何かなと考えて出た答えが「時間をかける」ということでした。
サードウェーブブームで注目を浴びたコーヒー。そのコーヒーの特徴は、豆や焙煎にこだわり一杯ずつ丁寧にドリップしてコーヒー本来の美味しさを楽しむというものです。この影響か家庭でも自分で時間をかけドリップコーヒーを淹れる人も増えています。
カレーも店主がこだわったスパイスの調合をし、時間をかけてゆっくり仕込んだカレー店が都内を含め日本各地に増えています。また、水野仁輔さんのような方がスパイス調合の本を出すなど、家庭でも本格的なカレーを作る方が出ています。
発酵は、想像できるように時間のかかるものだったり、糠床や日本酒などのように手間をかけないといけないものです。日本酒や発酵食品もブームになりました。
そして、サウナは自分と向き合い、時間をかけじっくりと汗をかくものです。芸能人やIT関係の職種の人にサウナ好きがいて、サウナ付きのスパ施設には多くの人が訪れています。
時間に対する付加価値の増加
でも、なぜ2010年代になり「時間をかける」ということを含んだものが新しいストリートカルチャーになり、実際にマガジンハウス系の雑誌などで特集され、20代〜30代に受け入れられているのか。
考えてみると、忙しさや無駄を省いた生活に対する反動ではないのかなと思いました。
時間に追われる生活の中に、少しでも時間をかけたものを食べたり飲んだり、その時間をかける中で自分の心を落ち着かせたり、そういったものが新たなカルチャーを作り出しているのではないでしょうか。
また、時間をかけるものは、奥が深く入り込む要素や隙間が多いような気がします。
ひと昔前以上に時間に対して付加価値を見出し、時間をかけて作られるものを食べて幸福感を得たり、時間をかけることで日々の生活から離れることができ、特に新しいストリートカルチャーのムーブメントを作るであろうアパレル、IT、デザインなど業種の人に広がっているんじゃないのかなと思います。
忙しけどおしゃれで美味しくいいものを食べたい、忙しいけど自分と向かう時間を確保したい人はこういった業種に多いはずです。
新しいストリートカルチャーの街は賑やかに
コーヒー、カレー、発酵、サウナのお店や施設のある街は、とても賑やかになっているなと実感しています。
コーヒーの街で一躍有名になった「清澄白河」、カレーの街「神保町」と「下北沢」に代表されるように町おこしの一種のコンテンツにもなっています。
また、寂れた商店街の中にある一店の美味しいカレー屋さんをめがけてくるお客さんや新宿から少し離れた所のサウナのためくる人もたくさんいます。
一店のコーヒー店を中心にデザイナーやクリエイターがコラボレーションを起こしたり、カフェ内にギャラリーを併設したり、そのカレーやコーヒーだけでは留まらずに、そのお店のエリアが雰囲気を変えてしまうことも多くあります。
だからこそ、カルチャーではなくストリートカルチャーなのではないかなと思います。
自分もご多分にもれずカレーとコーヒ、日本酒が大好きです。味もですけど、やはり手間がかかっている、時間がかかっている、自分の時間を取れることも何となく好きな理由だとこれを書きながら思いました。
「時間をかける」が今後流行るものや面白いものの一つの要素かもしれません。
オススメのカレー
最後に好きなカレー店を紹介。
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