見出し画像

世界で最も過酷な砂漠250㎞マラソン⑲涙、涙、涙。

あらすじ

世界一過酷な砂漠250㎞マラソンに挑戦中のラッキータウン!!

いよいよ初日のゴールまで残り10km、制限時間3hとなった。

足の裏はずる向けのパープル!!親父を超える為に人の荷物を持ったケンシロウ!!

果たして二人は無事にゴール出来るのか!?


前回の記事はこちら

本編

ゴールまで10km3hって事は時速3.5kmで歩けばいい。

今までの時速は4km程度。

だが、荷物を二つ持った状態=30kgの重さ=俺の体重との合計90kg=パープルのダイエット前の体重

さらに、27km歩いた後・・・

言うまでもなく俺の体力は残り3%・・・

まじで、キツイやろ!!これは笑

どうなるか分からないが、とりあえず進むしかないのだ。

一歩を踏みしめると、当然の如く足はさっきよりも砂に取られ

太ももの筋肉がきしむのが分かった。

10分も歩くと、足の裏が革靴で派遣のバイトに入った時以上に痛くなった。

メンバーの光弘さんが、不思議と人の荷物持った方が力わくで!!

と言っていたが、全くの嘘だった!!笑

キツイ・・・てかイタイ・・・

これは参ったね・・・と思いながらも歩き、前を向くと俺が荷物を持った女の子が辛そうに歩いていた。

彼氏と手を繋いでね。

(※チームA☆H☆Oの中にはカップルで参加してる人もいたんです)

いや、おまっ!!

ふざっけんなよおおおおおおおおお!!!!

なんで、俺がこんな辛い目に合っているときにカップルのイチャイチャを見せつけられなくちゃいけないんだよ!!

間違ってるだろ!!笑

俺もそっちがいいわ!!

俺は怒りが爆発しそうになった。

だから、早く

すいません、もう持てないです!!

と言いに行こうと思って歩くスピードを上げた。

そしていよいよ追いつき、俺は持てません!!と言おうとした時

女の子が死にそうな顔で

ケンシロウ、ありがとうね。

そして彼氏も

ケンシロウ、本当に本当にありがとうね。

と言った。

俺はその二人の言葉と必死な顔を見た時、

いやいや!!全然いいですよ!!俺は女にもモテるし、荷物もモテるんです!!笑

と最高級のやせ我慢な冗談で返した。

そしたら、スベッタ。

冗談はすべっていたけど、二人は笑ってくれていた。

俺はそのままペースを変えず歩き続け、カップルが見えなくなると

泣き始めた・・・

本当に、本当に、俺の馬鹿が!!なんで、俺は、こんなに、見栄っ張りなんだ!!

きっちいいいいいいいいいいいい!!!つれええええええええええ!!!!!

自分も限界なのに人を助ける余裕がどこにあると言うんだ!!と思った瞬間、

応援してくれている皆の顔が浮かんだ。

なぜなら、応援してくれた人達も自分が大変な状況の中で俺達が挑戦するなら助けるよ!!

と言ってくれて支援してくれた人たちが何人もいたからだ。

自分が限界なのに人を助けるって、こんなにキツイんや・・・

それなのに、それを分かって俺を応援してくれたんや・・・

本当に

ありがとう。

俺は涙が止まらなかった。

そして、ゴールまで残り5kmになった。

ここで、道が変わった!!

劇的に!!

今まで、砂の道だったのだが、何故か

河原になった!!!

え、え、えええええええええええええ!!!!

そしてこの河原の道は拳程の大きさの石の上を歩く様な道で

踏みしめる度にグラグラして体幹トレーニングをしている様なもんだった!!

最後の最後で・・・俺は重りを30kgもつけてるんだぞ!!(荷物二つ分)

案の定、重りに揺られてこけた・・・

だけどなぜか、俺は笑った。

そしてゴールまで残り1kmになった。

俺は、ゴールが待ち遠しくて待ち遠しくて仕方なかった!!

あと、990m

歩きながら、早く!!早く!!

と思った。

あと、980m

まだかな??

あと970m

あれ?

あと960m

これは??

あと950m

さっき歩いて来た道より、今までの36kmより

長く感じる!!

待ち遠しいって、こういう事なんや。

と思った瞬間、

母の姿が見えた。

頭の中でなんやけど・・・

そして、どうやら母は妊娠している様でお腹の中には俺がいて

もう少し、もう少しと言いながらお腹をさすっている光景だった。

俺の目から涙が溢れた。

今の俺の、ゴールが待ち遠しい気持ちよりも

母は俺が産まれてくるのを待ち遠しく思っていたんだ。

なんて、愛されて産まれてきたんだ。

俺は声に出して、何度も、何度も、

もう少し、もう少し、と言いながら歩いた。

そして、待望の初日のゴールを迎えた。

初日終わり-1024x576

ゴールでは先に歩いていたパープルが待っていると思ったがいなかった笑

あいつも限界だったんだろう。

ゴールをして暫くすると先にたどり着いていたチームメイトたちが出迎えてくれた。

そして、パープルも。

パープル)どう?

俺)イージーですね笑

パ)笑、笑、笑。俺足の裏の皮全部めくれてるわ笑

俺)まじ!?笑、でもいい顔してるからいいんじゃね?

パ)いや、よくねえわ!!笑

こうして、なんとか初日を終えた。

タイムリミットまで残り7分ギリギリだった。

だが、これは初日・・・これから残り6日。

果たしてラッキータウンは完走する事が出来るのか!?


つづきはこちら


より多くの人の話を聞き文章化していきたいと思っております。 取材に際しかかる費用があるので 是非、サポートしていただけると嬉しいです。 絶対に1+1は0にはならないと思っておりますので よろしくお願いします。