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【人には自分の醜さなんて分からないんだから、醜いまま綺麗に生きていけばいい】

冬というのは何でこんなに寒いのだろう…… 

寒いと寒いだけで家から出たくなくなる。

でも今日は昼から予定があった。

家から外にでると

冬特有の日差しに包まれた

古いカメラで写したような日差し。

こちらの寒い気持ちは無視しながら

カンカンと鳴る踏み切りの向こう側には

お母さんとベビーカーに乗りながら

まどろみの中をむにゃむにゃしてる

赤ちゃんがいた。

赤ちゃんは手袋をしていた。

どうやら寒いからではなくて

ひどいアトピーのようだ。

赤ちゃんの手袋は赤茶色になっていた。

可哀想に……

踏み切りが開き

お母さんと赤ちゃんとすれ違う瞬間

会釈した

そして踏み切りを渡りきった後に思った。

俺はなんで会釈したのだろう?

あなた達の事を

心配しているいい人間です

と、

これみよがしにアピールしたかったのだろうか?

なんと卑怯なのだろう……

また踏み切りがカンカンと鳴った。

寒いというより冷たい気分の中

用事を済ませ家に帰った。

運の悪い事に今日はもう1つ予定がある。

夜になり外にでると

今日という日にちがそうさせるのか

道行く人が皆いい人に見えた。

クリスマスマーケットに居る人は皆幸せそうで

ついつい皆は悩みがないんじゃないか?

なんて傲った勘違いをしてしまう。

クリスマスマーケットには雑貨屋があり

いいレターセットを見つけた。

手紙というか飛び出す絵本のようなもので

スイッチがあり、スイッチを押すと

クリスマスソングが流れる仕組みのようだ。

これはいい、母に買っていこう。

そう、

手紙を書く相手も貰う相手も

自分にはいない。

レジに並び会計を済ますと

レジ打ちの男の子が

これいいですよね!!

僕も買おうと思ってたんです!!

と話しかけてきた。

あまりに急だったので何も言えず

会釈をして

その場を去った。

いや、去ろうとしたのだが

雑貨屋を一周して

またレジに並んだ。

すると

レジ打ちの男の子が

え!?同じのですけど、また買うんですか!?

と驚き

さっきと全く同じレターセットを見ながらまた話しかけてきた。

俺)そうなんです。プレゼントしようと思って。

男の子)へぇ~そうなんですね。誰にですか?

俺)……あなたに。

男の子)え!?

俺)今日は、クリスマスやけんね。

男の子)え!?あの、ありがとうございます!!

どうやら、とても喜んでくれたようだ。

クリスマスというのはとてもいい。

少し背伸びをした自分がいいと思う事を

してくれる空気が

クリスマスにはある。

いや、昼の自分のまま何もせずに

今日を終わりたくなかっただけなのかもしれない……

結局

人には自分の意図なんて分からないんだから

自分が思うように

生きればいいだけなのに……

ね?

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