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マリモナカ
2020年2月24日 13:46
二階の喫茶店でジンジャーティーを飲みながら人々の行きかう大通りを見下ろす右へ左へ種々様々な横顔が通り過ぎていくあの雑踏に入っていきたいと郷愁に似た何かを抱くのは都会に慣れた証拠だろうか
2019年1月28日 00:48
段ボール箱にものを一つしまうたび部屋から色が消えていくゴミ袋にガラクタを一つ捨てるたび過ごした日々も消えていく端の折れた雑誌何かを入れていたガラス瓶3ページだけ書いたノート白い壁紙は、少しくすんだだろうか?最初からこんな色だったような気もする思い出を茶色の段ボール箱に押し込んで窮屈な布団で寝返りを打つ
2018年11月8日 12:36
今度久しぶりに遊ぶ友達を驚かせようと休日の公園でこっそりとジャグリングの芸を練習する何度も玉を投げ、落としては拾い、玉を投げ、落としては拾い、この分なら会うまでには一芸になるだろうと思った矢先に向こうから歩いてきた友と目が遭う
2018年10月21日 15:54
始めたばかりのジャグリングの練習をしようと思い立って日曜日の公園に赴く水彩画を描く老人、ダンスの練習をする若者たち追いかけっこで遊ぶ子供の姿そして、スマホを片手に歩く人々その中に紛れ四色のボールを三つ持ち二つの手で投げ上げて一つの滝を作るボールを一つ取り損ねて落とした時、スマホを見ながら歩いているカップルが気付いて拾ってくれた時計の無い公園の時間の流
2018年10月19日 20:40
ボタンを一つクリックすれば消える、消える、世界が消える画面の中ならどこへでも誰とでも繋がれるのにその糸はあっけないほど簡単に断ち切れる独り、独り、世界に一人部屋に一人ぼっちで椅子に座る自分の姿が画面に映るこのまま二度とアクセスしなければ人間なんて簡単に消えられるそう思いながらまた今日もログイン画面にキーを打つすっかり指に染み込んだメールアドレスと
2018年10月4日 02:33
公園を歩いていると大学生たちがジャグリングの練習をしていた。ボール、クラブに、ディアボロ、シガーボックス。いくつもの道具が軽やかに宙を舞い、時に手から滑り落ちて、地面に空しく音を響かせる。休憩するふりをしてベンチに座り、いつまでもいつまでも眺めていた。青空の下で、入場料の無いショーを。
2018年8月27日 17:23
眠れない夜はやるばかりの心「何かしなければ」と思うのにするべきことなど見つからぬまま時刻表示はうつろうぼんやりと淡いスマートフォンの光が顔を照らした眠る前の自分と起きたあとの自分が眠りによって断ち切られるのが恐ろしいどうして信じられるだろう?眠り、起きたあとも自分が自分のままだなんて #詩 #ポエム (ここより下に文章はありません)
2018年9月15日 13:26
幼いときから暇なときふと手近にあるものを積み上げる癖があった小銭を一枚ずつ積んで塔を作るトランプを慎重に組んでピラミッドを作るマッチ棒を置いていきやぐらを作るテーブルの上で高くなっていくオブジェそれを眺めるのはひどく楽しいけれど一番楽しいのは、作り上げた塔を壊すとき重力に逆らえず無情に崩れていくコイン、トランプ、マッチそして後に残ったのはかつてあった塔の残骸
2018年9月14日 17:34
外で大雨が地面を打ち風が唸り声を上げるのを聞くときほど自分の部屋に安らぎを感じることはない世界でただひとつここだけはどんな不安や恐怖からも隔絶した聖域だ好きな本に囲まれ、好きな音楽を聴き、菓子を食べる雑誌を開き、古いラジオを聞きながら、災害のニュースを聞くただ見たいもの聞きたいものだけに意識を傾ける心地よい孤独
2018年9月13日 15:47
一駅向こうの花火大会を見に行こうとして乗る電車を間違えた先は田舎の無人駅引き返そうにも次の電車は一時間後タクシーを呼べば一時間半後に来るという何故そう遅いのかと聞けば花火大会で予約が埋まっているからとのこと仕方なく待合室で一人ベンチに座っていると遠くから響く花火の音見えない花火はひどく寂しげに夜空に轟いていた
2018年9月12日 15:31
もう長く使い込んで度の合わなくなった眼鏡を変えられないのは何故だろうそれはもうすっかり自分の身体になってしまったからだろうか手や足を付け替えることができないのと同じようにあまりにも長く、共にいすぎてモノだと思えなくなってしまったのかならばカラダとモノとはどこに境目があるのだろう
2018年9月11日 03:18
うつらうつらと眠りに落ちるちょうどその瞬間にスマートフォンの音が枕もとで響く人差し指でロックを解除して他愛の無い通知を確かめては再び布団に潜り込むだけど、またしばらくしたら通知が鳴って……電源を切ればいいのにと思うけれどどうしてもできない何故ならあまりにも恐ろしいから私が夢を見ている間にも世界が動いているということが
2018年9月10日 14:20
2018年9月9日 12:05
「休みが取れたらやろう」とがむしゃらに働く最中は確かに思っていたのにいざ休日の朝になるとすっかり忘却の彼方ベッドの上で身を起こし空白の一日を前にしてただ呆然とする自分がやりたかったことは何だったのか(ここより下に文章はありません)