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最後に成功する人間の器をもっていたかっこいいリーダー

6月11日(火)に『リーダーは日本史に学べ』(ダイヤモンド社)を出版いたしますが、出版までに本書で取り上げている歴史上の人物について、なぜこの人物を取り上げたのかを簡単にご紹介していきます。

第3回目は、前田利家(1538年~1599年)です。江戸時代の加賀100万石の祖として知られた人物です。私のなかでは、2002年の大河ドラマ『利家とまつ~加賀百万石物語~』で唐沢寿明さんが演じた前田利家のイメージがあります。唐沢さん演じる利家はとにかくかっこよかった。

今回、私が本書のなかで前田利家を取り上げた理由は、利家のなかに「最後に成功する人間の器」を感じ続けてきたからです。

利家は、織田信長に仕えていましたが、この時、羽柴(のちの豊臣)秀吉とは同僚であり、親友でもあったのです。しかし、時間の経過とともに、秀吉は出世し、利家との間には格差が生まれていきました。
利家は尾張の豪族の生まれに対して、秀吉は貧しい農民の出身。当時の感覚でいえば、利家は出世した秀吉にわだかまりをもち、疎遠になったり、抵抗してもおかしくありません。
実際、利家と同僚であった武将のなかには、秀吉に抵抗し続けるものも少なくありませんでした。

しかし、利家はそのようなわだかまりを持たず、秀吉との友情を大事にしつつ、スムーズに主従関係をもつことができました。そして、秀吉の天下統一事業を懸命に助けていきます。
そして、急速な出世のなかで孤独になっていた秀吉も、利家を大事にし、大きな領地や重臣としての地位を利家に与えたのです。

同僚、親友の出世にひがむこともなく、その力量を素直に認めたうえで、自分がやれることを精一杯頑張った。
やはり前田利家は、もし唐沢さんが演じていなくても、人間の器が大きくて、かっこいいやつだったのです。
そして、この人間の器は、最終的には加賀百万石の繁栄につながり、それは、なんと秀吉の豊臣家が滅亡したのちも長く続いたのです。

現代を生きる私たちも、人間である以上、他人の成功などに複雑な感情をもつことも多々あります。それもごく自然な感情です。しかし、長い歴史のなかで考えれば、そのような感情も些末なことかもしれません。そんな状況になっても、その人と関係を続け、学びつつ、自分ができることを精一杯やる。そんな人には、おのずと最終的な成功は舞い降りてくるのです。

そんなことが伝えたくて、かっこいい前田利家を本書のなかで取り上げました。
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前田利家


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