見出し画像

リーダーは組織間で一緒に問題に取り組むことから連携を始めよ

6月11日(火)に『リーダーは日本史に学べ』(ダイヤモンド社)を出版いたしますが、出版までに本書で取り上げている歴史上の人物について、なぜ取り上げたのかを簡単にご紹介しています。

第11回目は、坂本龍馬(1835年~1867年)です。これも織田信長と同様、言わずとしれた人物ではあります。「好きな日本史人物アンケート」でもだいたい上位にランキングします。ただし、最近ではその業績の真偽については議論があり、本書でもその点については注意を払いながら書きました。

私が本書で坂本龍馬を取り上げた理由は、坂本龍馬を通して、すぐには一体となれない組織間においても、組織間で一緒に問題を解決することで信頼を深め、一体感を持たせることができることを伝えたかったからです。

幕末、江戸幕府に対抗できる勢力として、長州藩と薩摩藩の2藩がありました。しかし、この2藩は京都で権力闘争を繰り返したことにより、犬猿の仲となっていたのです。
そんな犬猿の仲の2藩を連携させるために、坂本龍馬が設立した「亀山社中」を活用して薩摩藩、長州藩の経済連携を図ったのです。

具体的には、幕府の締め付けにより新式の武器を購入できない長州藩に代わり、薩摩藩がイギリスより武器を購入して、長州藩に提供していたのです。このことにより、長州藩は幕府と戦う体勢がつくれました。
一方で長州藩からは薩摩藩にお米が提供されました(諸説あり)。これは京都などに藩兵を置き、兵糧米が必要な薩摩藩にとっては、大変助かることだったのです。
このようにお互いの問題を一緒に解決することにより、徐々に長州藩と薩摩藩の和解が進み、最終的には薩長同盟を結び、倒幕に進むことができたのです。

現代に生きる私たちも、合理的に考えれば組織が一緒になった方がよい場合でも、それまでの事情などから一緒になれないことがあります。
意外に思われる方もいるかもしれませんが、M&Aの現場では他業種間よりも、同業種間の方がM&Aが進みにくいということがあります。それは、同一エリアで同一ビジネスを営んでいるときに、市場縮小などにより合理的には一緒になった方がよい場合でも、それまでの感情などから一緒になれない、ということはよくあることなのです。

そのような時に、はじめから一緒になるということではなくて、お互いの問題について、一緒に解決することから始めることが、有効なことがあります。
例えば、最近の物流の2024年問題に対して企業間で共同配送をはじめるということも、共通に抱える問題について一緒に解決することになったりします。そのような取り組みをきっかけとして、お互いの関係が深まり、更なる取組みにつながることも期待できるのです。

そんなことを伝えたくて、本書では坂本龍馬を取り上げてみました。

※Amazon予約サイト

※楽天ブックス予約サイト


坂本龍馬

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?