【認知的不協和理論】「ネトウヨ」と「リベラル」を分けるもの【脳の構造】/「歴史否認」「陰謀論」はどこから生まれるのか?――④「ネトウヨ・カルト」が生まれる仕組み
「ネトウヨ・カルト」が生まれる仕組み
その1.「脳の依存状態」と『ピラミッド支配構造』の絶対化
受験競争や体育会系、あるいは企業や官僚機構などのような『ピラミッド支配構造』の中で、「競争に勝たなければならない。負けたら生きる価値がない」というような社会的・精神的・物理的圧力(ストレス)の中で、ひたすら頂上を目指し 、「勝った!、負けた⋯」と繰り返していく内に、いつの間にかその『ピラミッド支配構造』を絶対化するようになる。
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そこでは、「権力者に認められること」、そして「他者に勝つこと」が生きる目的・喜び・快感となる。
そのピラミッド構造の中では、権力者の命令は絶対であり、他者との「比較・競争・勝敗・強弱・優劣・上下⋯」が価値(行動)の全てとなり、規則ルールや習慣・風習・慣例・競争・お金・国旗国歌・特攻・靖国などの「幻想」を絶対化し、それを他者に強制し、敗者・弱者・少数者を差別・蔑視し、その構造に対する反対者・批判者を弾圧・排除しようとする。
そして、その構造の中で必死に競争している内に、いつの間にか一つの価値観に凝り固まって、融通が効かなく、周りが見えなく、生きる選択肢がなくなり、自分を客観的に見れなくなり、共感能力がなくなり、相手の立場に立って考えることができなくなる。⋯脳が『依存状態』になる。
そこでは、「自分の行動こそ正義」と思い込み、「反対者・批判者は悪」というような善悪二元論に陥ってしまう。「自分は優秀で、相手は劣っている」「自分は理性的で、相手は感情的だ」「自分はいつも冷静で、相手はすぐ怒る」「自分は愛国者で、相手は日本を貶めようとしている」というような妄想や錯覚に襲われ、攻撃的になり、誹謗中傷する。
それは、「自分の行動を正当化したい。存在を否定されたくない。認められたい」という心理的メカニズム(防衛機制)から生じる。
ピラミッド支配構造=規則ルール・競争の絶対化
国家・権力者・強者
“服従・忠誠” Ⅱ(依存・同一化)
自分「自分は正義、優秀、愛国者」
“差別・蔑視・バッシング” ⬇ “ハラスメント・支配”
他者・弱者・少数者「劣っている」
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それは、「親や権力者に認められたい。いい学校に入りたい。他者に勝ちたい。お金持ちになりたい」というような欲望の中で、『理想の自分』と、「うまく行かない。失敗した。負けた」というような『現実の自分』との不協和が拡大する中で、増大する「不安・恐怖・不全感・劣等感」を解消しようとする心理的メカニズムから生じる依存行動だと言える。
凝り固まった価値観(ピラミッド支配構造社会)の中で
『理想の自分』→〈認知的不協和〉←『現実の自分』
↓(拡大)
「ストレス・不安・恐怖・不全感・劣等感」の増大
↓
解消しようとする心理的メカニズム(防衛機制)→《依存行動・誹謗中傷》
それは、“ギャンブル・薬・虐め・煽り運転・買い物(ブランド・車など)・SNS・痴漢・万引き・自傷行為・仕事中毒(ワーカホリック)など”と同じで、その根底にはストレスなどによる脳の神経伝達物質のバランスの崩壊による「前頭葉の機能低下」と、「扁桃体の活性化」に伴う「不安・恐怖」の暴走がある。
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その「不安・恐怖・不全感・劣等感」が増大する中で、快感(ドーパミン放出)を求めて無意識の内に行動を起こし、1度その『報酬系の回路』が出来上がると、その“快感”を求めて「やめたくても、やめられない」状態になり、自分の行動を制御・抑制できなくなる。
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その2.「脳の依存状態」と「被害妄想」
“依存症”は『ドーパミン』が大きく関係していることが言われている。『ドーパミン』は快感・優越感をもたらす神経伝達物質で、ストレスが増大し、「不安・恐怖」が暴走する中で、依存行動(いじめ・差別・誹謗中傷・万引き・痴漢・自傷など)をすることで、快感・安心感・優越感を得ようと、身体が無意識の内に動いてしまうのである。
それと同時に『ドーパミン』が過剰になると“妄想・幻覚”が酷くなることも知られている。
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つまり、「不安・恐怖・不全感・劣等感」を解消しようとする心理的メカニズムの中で、何か大きなもの、権力者・強者に「依存・服従・同一化」することで優越感を得ようするとともに、その行動を正当化するために、心の中の「不安・恐怖」を投影した幻覚・妄想を作り出す。例えば、悪魔や幽霊や妖怪や仮想敵を作り出すことで、自分の行動を正当化しようとするのである。
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心の中の「不安・恐怖・不全感・劣等感」を解消しようとする防衛機制
教祖・権力者(依存・同一化)⇦ 自分 ➡(被害妄想)悪魔・妖怪・幻覚
↓
「自分は正義。優秀。強い」(快感・優越感)
その3.「脳の依存状態」と「優越の錯覚」
また、『ドーパミン』は「優越の錯覚」とも関係していることが言われている。
脳内のドーパミンと脳活動ネットワークの相互関係が、「優越の錯覚」に影響を与えることを世界で初めて発見(JST)
「優越の錯覚」とは、“他者との比較において、自分は平均より優れている”と思う心の錯覚で、“『前部帯状回』と『線条体』の機能的結合が弱い→ドーパミン放出量が多い→「優越の錯覚」が強い”という傾向がある。
そのことは、「脳の依存状態」が進めば進むほど、「前頭葉」と「大脳辺縁系・報酬系」との間の抑制機能が低下し、心の葛藤が無くなり、「優越の錯覚」が強くなることを意味している。
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その4まとめ.「ネトウヨ・カルト」が生まれる仕組み
以上のことから、「脳の依存状態」「被害妄想」「優越の錯覚」は、相関関係にあると仮定できる。
『ピラミッド支配構造』の管理競争社会の中で、「負けてはいけない、逃げてはいけない。教祖に認められたい。他者に勝ちたい。いい学校に入りたい。金持ちになりたい」というようなストレスが強まるとともに神経伝達物質のバランスが崩れ、
その1.【依存心・愛国心】(組織・権威への依存・服従・忠誠・帰属意識)が強くなり、
その2.【優越の錯覚・選民意識】(「自分は優れている。選ばれた人間」)が強くなり、
その3.【被害妄想・他責思考】(「自分は攻撃されている。自分は悪くない」)が強くなる。
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《ネトウヨ・カルト》
【依存心・愛国心】
↗ 「脳の依存状態」 ↖
↙ (ドーパミン過剰放出) ↘
【優越の錯覚・選民意識】 ← → 【被害妄想・他責思考】
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そうして「ネトウヨ・カルト」や「ファシズム」が生まれる。
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それは心の中の「不安・恐怖・不全感・劣等感」を解消しようとする心理的メカニズム。
『理想の自分』と『現実の自分』との認知的不協和が大きいほど、「こうでなければならない」というストレスが大きいほど、脳が依存状態になり、国への「愛国心」(帰属意識・服従・忠誠心)が強くなり、「優越の錯覚」や「被害妄想」が強くなり、ネトウヨ・カルトになりやすくなる。
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【権力志向】と 『御用学者』
そうして脳が『依存状態』になっていくと、客観的視点が失われ、論理的・体系的・多角的・科学的思考ができなくなり、自分の保身と、権力者・企業・組織・既得権益を守ることが全てとなる。
(例;水俣病における御用学者→「チッソの工場排水が原因でない。貧乏人が腐った魚を食べたためだ」)
ものごとを一面的にしか見れなくなる。思考が「敵が味方か、善か悪か」の二項対立に陥ってしまう。
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『古い認知』(管理競争社会・過干渉)の中で「勝ちたい、認められたい。いい学校に入りたい」という思いの中で、『ピラミッド支配構造』に依存し、その支配構造を絶対化しようとし、同時に、それを壊そうとする者、否定する者たちに対して嫌悪感を示す。
ピラミッド支配構造
国家・権力者・企業
(依存同一化) ⅼⅼ (忠誠・服従)
自己《愛国心・万能感・優越感》
(体罰・差別)⬇ (支配・コントロール)
子ども・弱者・少数者
組織・権力者・強者に服従し、“とんでも校則・規則ルール・道徳・慣習・国旗国歌・教育勅語・靖国神社・特攻など”を絶対化し、それを他者・子ども・弱者・少数者・反対者に強制することで、万能感・優越感を得ようとする。そうすることで、自分があたかも強者になったかのように錯覚してしまう。
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そして、その自分の行動・欲望(忠誠欲・服従欲、支配欲・コントロール欲)を正当化するために認知を改変する。
「“国の為に死ぬ”ことが正義」「国旗国歌を敬うのが常識」「夫婦同姓が日本の伝統」「靖国神社は日本の古くからの文化」「特攻のおかげで今の日本の平和繁栄がある」「南京虐殺や731部隊の人体実験はなかった」「マイナカードが普及すれば便利になる」など
その『とんでも校則・規則・道徳・靖国神社など』を守ることで、組織・権力者への「忠誠欲・服従欲」を示すとともに、それを他者に強制する(服従させる)ことで、「支配欲・コントロール欲」を満たそうとする→【権力志向】
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「自分の存在を正当化すること=その“権力構造(教祖・組織)”を絶対化すること」で、万能感・優越感・安心感を得ようとする“認知バイアス(確証バイアス)”がかかり、「企業や権力を批判し、責任を追及する者たち=その構造を壊そうとする者たち(リベラル・野党・学者・弱者・被害者・少数者)」に対して、自分を守ろうとする『防衛本能』から攻撃的になる。
そこでは、“権力者に気に入られること”が全てとなり、権力者に“媚を売る”と同時に、反対者・被害者・少数者に対して、より過激に“誹謗中傷”することで、仲間に自分の『存在価値』を誇示しようとする。
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“強者・権力者・独裁者”を支持し、“弱者・少数者・批判者”を攻撃することで、自分が“強者”になったように錯覚し、気持ちが良くなっている。それは、まさに“肉屋を支持する豚”、“統一教会を支持するネトウヨ”⋯
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しかし、どんなに弱者・少数者を攻撃しても、決して潜在意識の中の「不安・恐怖」は治まることはない。自分の置かれている、状況(抑圧・ストレス)は改善するすることはない。どんなに他者(弱者・少数者・反対者)を攻撃しても、誹謗中傷しても、自分の置かれている状況は良くならない。
どんなに馬車馬のように働き続けても、カネを稼いでも、心は豊かにならない。どんなに薬を飲み続けても、心の中の不安は収まることはない。どんなに原発再稼働や核武装しても安心感は得られない。
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