見出し画像

アイシテル
アイシテル
彼の城にいると
満たされた

身につけているものはなにもない
肌と肌が触れ合う
その感触は
ただならぬ恋の魔法


そこでまず身につけたものは
嘘を見つける力




探りたくなるものなのだよ、と
魔女が教えてくれた

その引き出しだよ

ほら
その履歴を見てご覧

あのとき
友達の話していたのは
あの子のことだよ

渡された鍵
これさえも嘘かもしれない


ほぅら
あんたがうっかりと
夢うつつに浸っている間も
やつは
もう一つの手で
あの子の髪を撫でているよ


嫉妬に狂う魔女の囁く声が
まとわりつく


ピシャリ!
ドアを締めてやる

立ち向かうよ

あたし
馬鹿でもいい

あたしにその価値がないなら
自分でけりをつけるだけ


そうすることが
愛だもの


写真の彼女
あの人の休日
窓の外から
見張ってやる



お腹が空いた
ぁああ、
こんな退屈なこと

人が見たら笑うだろう

立ち尽くす姿に
怖すぎて笑えないかもしれないから
怪我をしたふりをした
白い包帯でぐるぐる巻きになった

これなら笑ってもらえるだろう

余計怖くなって
涙が出た



やがて
身にまとったのは
白いドレス
純白の
レースたっぷりの
そのドレス


別の人の
ものになる

あたしはあたしのものになる

あたしはあたしを
アイシテル



私の城から出ていくのはあなただよ
魔女っ子ばあさん




「誰だったんだろうね、あれは」




ひとを好きになるのって
苦しいね
信じればいいよ
騙されてもいいんだから
自分を騙さなければ


少し
怖悲しくなりすぎた

次をお待ち下さい

ナニイロかなー
考え中!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?