契約法務ベース by Resilia Amalgas

legal staffのstereotypesを超えてより事業部門に入って契約法務の仕…

契約法務ベース by Resilia Amalgas

legal staffのstereotypesを超えてより事業部門に入って契約法務の仕事をしたい人、単なる法律の専門家ではなく"Legal X Business"志向の人向けのsiteです。Twitter: https://twitter.com/ResiliaAmalgas

最近の記事

いわゆる「契約リスク」を洗い出すには?

1.「未知」と「リスク」は違う 契約法務担当者としては、契約書を渡されて、「この契約書を読んでリスクを洗い出して」と言われることがあるのではないでしょうか。  しかしそう簡単に言われても、契約書を読んだだけで、契約上のリスクが見えてくるわけではありません。そのため、事業部門の人たちに、そもそもどういうモノもしくはサービスを提供しようとするものなのかや、これまでの経緯などを聞いた上で契約書を読む必要がありますが、事業がまだ始まったばかりのときは、聞き取りをしようとしてもざっく

    • ロイヤルティの算定方法いろいろ

       ライセンサーから何らかの技術ノウハウや著作物等の使用許諾を受けたときにライセンサーに支払うロイヤルティは実に様々な算定方法がありますが、非常に大雑把に以下のようにまとめてみました。  基本的に、ロイヤルティはその技術や著作物等の使用に対する対価だと考えますと、その使用によって価値が付加された範囲を正確に見積もって算定すべきと思え、そうしますと、この表の一番下の「控除式の料率払い」が最も適当ではないかとも思えます。  しかしながら、この方法は集計・算定に時間がかかりますので

      • SustainableでResilientな事業を目指す中での契約法務

        1.契約法務担当者は事業戦略立案にどこまで立ち入るか 企業の中で働いている法務担当者としては、事業部門が立案した事業戦略を聞いて、収益性を上げるにはこうしたほうがいいんじゃないですかとか、一から開発するんじゃなくてあの時に作ったあの商品を流用したほうがいいんじゃないですかとか、そこまで踏み込んで発言することはためらうかもしれません。  確かに、お互いにプロとして能力を発揮する領域が違うわけなので、安易に専門外の領域に立ち入るべきではないともいえます。  他方で、契約書自体

        • 契約交渉・締結にかかる「取引コスト」について

          1.契約の締結と「取引コスト」 顧客や取引先等と契約を結ぶのに多大な時間と労力を要することがあります。  多くの会社・組織では、商品やサービスを提供する場合も調達する場合も、基本契約書の形か個別契約書の形かいずれであっても、ひな形や約款のようなものを用意していて、それをもって契約交渉にほとんど時間をかけることなく、一律に契約を結んでいるものが大半ではないかと思います。  他方で、これから継続的取引関係に入るときに最初に結ぶ基本契約については、契約条件をめぐって、何度も修正

        いわゆる「契約リスク」を洗い出すには?

          事業ポートフォリオの見直しに関する契約法務担当者からの提言

          1.事業ポートフォリオの見直しと契約法務の関わり 2020年の新型コロナウイルスによる感染症(COVID-19)の世界的な蔓延によって、多くの企業・組織の経営状況が悪化し、不採算事業からの撤退や事業譲渡を余儀なくされたり、他方でこういう状況だからこそ将来の布石のために関連する事業への進出や事業の譲受けなどを行ったり、いわゆる事業ポートフォリオの見直しを行う企業・組織が増えると考えられます。  事業ポートフォリオを見直すにあたり、何を外に出し、何を中に入れるかの取捨選択の判断

          事業ポートフォリオの見直しに関する契約法務担当者からの提言

          【再改訂】「契約ブートキャンプ2020」等講義資料

          日本技術士会近畿本部 青年技術士交流委員会様の主催で、2020年2月29日に開催される予定だった演習型の契約法務講座「契約ブートキャンプ2020」(with 特別講演「民法改正に伴う契約対応」)が延期になっていましたが、7月4日(土)9:30~17:00に、大阪市立生涯学習センターで開催されることになりました。 当日受講される皆様用の講義資料は、以下を予定しています。(契約ブートキャンプ2020のほうは以前にアップしたものを一部誤記訂正しただけですが、民法改正のほうは一部加

          【再改訂】「契約ブートキャンプ2020」等講義資料

          製造請負契約における契約的視点から見たリスクマネジメント

           契約の観点からのリスクマネジメントと言うと、例えば、損害賠償や契約解除の条項をどう工夫するかといったことを考えるかもしれませんが、そもそも契約上の問題が起きないようにするための対策を促すことこそが契約法務の仕事においても重要であるとの認識を持つべき時代に来ていると思います。  顧客との間で製造請負契約を結び、顧客の求める製品を作って納品するプロジェクトにおいては、契約の視点から、次のことに注意する必要があります。 まず、契約上のリスクというと、契約書に定められている損害賠

          製造請負契約における契約的視点から見たリスクマネジメント

          キャッシュフローの観点からの契約業務の考察 ~「ROEが奪う競争力」(手島直樹著、日本経済新聞出版社)を読んで~

           契約法務担当者もキャッシュフローの基礎を勉強し、キャッシュフロー経営を意識して仕事をしようという趣旨で以前に書いたものを、少し書き直したものです。 1.ROEとは? 経済産業省が取り組んだ「持続的成長への競争力とインセンティブ~企業と投資家の望ましい関係構築~」プロジェクト(座長:伊藤邦雄 一橋大学大学院商学研究科教授)での議論を経て「最終報告書(伊藤レポート)」が2014年8月6日に公表された。最終報告書は、企業が投資家との対話を通じて持続的成長に向けた資金を獲得し、企

          キャッシュフローの観点からの契約業務の考察 ~「ROEが奪う競争力」(手島直樹著、日本経済新聞出版社)を読んで~

          電機メーカ取引法務担当者向け法令集

          実務上で使う可能性のある法令やガイドライン等へのリンク集です。 民法 商法 会社法 製造物責任法 消費生活用製品安全法(消安法) 電気用品安全法(電安法) 古物営業法 倉庫業法 貨物自動車運送事業法 貨物利用運送事業法 特許法 著作権法 不正競争防止法 産業技術力強化法 独占禁止法 公取委告示:不公正な取引方法 公取委指針:共同研究開発に関する独占禁止法上の指針 公取委指針:知的財産の利用に関する独占禁止法上の指針 公取委指針:流通・取引慣行に関する独占禁止法上の

          電機メーカ取引法務担当者向け法令集