【イベントレポ】JBUG Summer 2022
今回は2022年7月28日に開催されたJBUG(Japan Backlog User Group)の夏の祭典であるJBUG Summer 2022に参加しました。今回もいろいろな活用の講演・LTがありましたのでしっかり紹介していきたいと思います。
オープニング:JBUG運営
今回のファシリテーターは「Backlogポリス」の恩田さんです。運営初参加だそうです。
最初はアンチハラスメントポリシーの説明とフィードバック大歓迎のお話からJbugの説明です。もうイベント数も80を超えて、Connpass登録者数も2000名を超えているそうです
そこからコミュニティのテーマ
「プロジェクトマネジメントを身近なものに」
大切にしていること
「皆でより良い仕事のやり方を探そう」
の紹介です
今年も年末のアドベントカレンダーをやるそうです。
今回は安積さんのリアルタイムグラレコをやっています。
これだけでも楽しみです
セッション1
年90回以上のアップデートを実現する、Backlogを使ったスクラム開発:TOWN株式会社 岩崎 善光さん
2つあるセッションの1つめはTOWN株式会社でaipoというグループウェアのプロダクトマネージャーをしている岩崎さんからです。
AWSの東京r−ジョンが出来たときからSaaSとして提供しているそうです。
しくじりが続いた10年のふりかえりから、顧客の声を可視化した話、そしてBacklogを使ったアジャイル開発の紹介がありました。
最初の頃は1年かけてもリリースできるものがなかったり、1年かけて作ってみたらその機能が顧客に全くつかってくれなかった、反響が大きくてリr−スが怖くてできない・・・などの失敗があり、ユーザーからの声を可視化しながら開発スタイルを短いサイクルを設定するアジャイル開発に移行したそうです。
そこからお客様のニーズを数や重み付けで「ニーズカウンター」という仕組みでユーザーの要望を見える化する仕組みをBacklogに集めたデータで実現したとのことでした。いまでは要望は4000件にのぼるそうで、ここからプロダクトバックログを決めているそうです。
現在行っている2週間スプリントのスクラム開発ではプロダクトバックログとスプリントバックログでBacklogを使用しているそうです。
プロダクトバックログのストーリーポイントは時間ベースで1,3、5の3つに分類し「予定時間」の欄を使用して管理しているそうです。これによりリリース時期が見積もりしやすくなり、遅れの対応もしやすくなったとのことです。単位を小さくすることで週に10時間しかコミットできないメンバーでも成果を出せるようになったそうです。
スプリントはデイリーなどでボードの機能を使って運営しているそうです。
そのあとのリリースでは「ユーザー毎リリース」「フェーズ毎リリース」「一括リリース」と3つのリリースフローを使い分け、小さく素早く検証し、問題があれば早く撤退できるといった感じでリリースのインパクトをコントロールし「リリースのお祭り感」をゼロになるようにしているそうです。
ストーリーポイントの付け方やリリースフローの考え方など参考になりました。
<資料も公開されています>
セッション2
Backlog×RPAでいろいろ捗った話:株式会社ミツエーリンクス 山下 徹治さん
セッションの2番手はWeb制作をしているミツエーリンクスの山下さんはRPAを活用してBacklogによるプロジェクト管理を更に自動化して効果を上げた話でした。
セッションで紹介された事例は4つでした。
期限が過ぎた課題の進捗チェックの自動化
忘れがちな期限を過ぎてしまった課題の進捗チェックは手間がかかる上に催促される側にも、する側にも精神的な負担が大きいものですが、これをRPAに実施させることで、お互いストレスなく、確実に進捗が出来るようになりました。
稼働明細の集計
Webサイトの運用は従量課金で売上をするため、月末に作業工数の集計をします。これが未登録の実績チェックを含めて1日がかりの大作業なので、その作業を月末集中ではなく日々行い、週次で報告することで、締め日の翌日には自動的に稼動明細ができるようにしました。記憶がちゃんと残っている時期にチェックされるので内容も正確になりました。
お客様がBacklogを使えないプロジェクトにBacklogに転機する
会社のセキュリティポリシーなどでお客様がBacklogを使用できない場合に、従来はディレクターがお客様からもらった情報を手で転記していましたが、これをRPAに任せるようにしました。価値を産まない時間を削減し、実働作業の時間が増えた事で効率が上がり70%近くも生産性が上がり、お客さんからのパフォーマンスに対する評価も上がったとのことです
Backlog自体の管理をRPAで自動化
高いセキュリティ確保のため新しいプロジェクトの作成・命名やプロジェクトメンバーのメンテナンスは時間がかかりますが、それをRPAに任せることで解決しました。月間40〜50時間かかっていた作業が省力化され月間250件以上の申請に対応しています。RPAは不安定で止まりやすいイメージがありますがBacklogとはAPIで連携できるので安定して動いているそうです。またBacklogサーバの移行(1400プロジェクト)時にもRPAを活用したそうです。
たしかにプロジェクトで自分がやるべきことを取捨選択する際の選択肢のひとつに「RPAに任せる」があるといいですよね。
<資料が公開されています>
休憩時間
ここから休憩時間に入りますが、その間は安積さんのグラレコ作成の様子が映し出されました。いまはいろんなコミュニティでグラレコそのものは見られるようになってきましたが、作成している様子を見られるのは貴重な体験でした。
LT1
BacklogやCacooでみんなが笑顔に!:株式会社ADX Consulting金本 孝泰さん
ここからLTに入ります。一番手はSalesforceのコンサルティングパートナーでもあるADX Consultingの金本さんです。
今回はBacklogとSalesforceを連携して活用した事例が紹介されました。
お客様からWebフォームで送られてきた問い合わせ(ケース)をディスパッチャーが簡単な操作でコンサルが使い慣れているBacklogにエスカレーションし回答を戻すという連携です。
これらの成果により、他の事業部でも活用しようという機運が高まり、Teamsで行われていた課題管理をBacklogでの運用に切り替え、課題管理の精度や効率が上がったとのことでした。導入前は新しいツール導入に対する不安もあったようですが、成果が出て今ではSalesforceとの連携など利用者からの要望も多いとのことでした。
LT2
Backlogから始めるe-世界生活:株式会社DELTA藤岡 博文さん
LT二番手は株式会社DELTAの藤岡さんからの個人的に行っているBacklogの活用についてのお話でした。
前の会社では紙の日報を使っていましたが面倒な上に情報が使われる期間もとても短いので検索性が上がるようにBacklogを活用して日報を作って共有するようにしました。
ポイントとしては「自分に関わる事象はすべて入力」「関連事項のリンク」「期限は必ず設定」などです。とにかく自分に関わることは漏らさずBacklogに入れてしまうことが大事とのことでした。
その結果、自分の仕事量が可視化され、散らばっ他情報も辿れるようになりデータの利活用シーンが増え、効率が上がりました。入力するのは大変ですが、入力結果は必ず将来自分を助けてくれます。「明日の自分への共有」ですね。
その結果、Backlogの活用が前者に広がり、紙の日報提出の義務も免除されたとのことでした。
<資料が公開されています>
LT3
Backlogをサポート窓口にしたら、サポート対応の生産性が上がった話:株式会社カサレアル伊藤雅人さん
ラストのLTは株式会社カサレアルで研修の開発や講師をしている伊藤さんのお話です。(すごく癒やされる声の方でした)
テーマは従来メールとEXCELで行っていた問い合わせをBacklogに切り替えたお話でした。
サポート窓口として使用する場合にメールを使用する場合だと色々な決め事が必要ですがBacklogの場合は設定をしてしまえば標準機能で使い始められます。
実際の運用でもメールの場合は顧客名の記載やメールの宛先の確認など注意が必要なことも多く、管理表への転記も必要で回答そのものに集中できませんがBacklogは注意スべきことも少なくなく、管理も容易になります。関係者間の情報量の差もなくなり、クローズまでの時間も短くなり対応漏れもなくなります。
Backlogからの通知でチャットが埋まってしまう、つい即レスを期待してしまう・・・などの課題はありますがメールからBacklogをサポート窓口に帰ると管理が効率化され、問い合わせ回答の速度向上につながるということでした。
<資料が公開されています>
感想です
いつもそうなんですが、今回はいつもよりさらに各登壇者の話がバラエティーに富んでいて、非常に勉強になったことが多かったです。特に山下さんのRPAや金本さんのSalesforceなど個人的に興味があることも重なって心のなかでは狂喜乱舞してしまいました。ぜひRPACommunityやSalesforceのユーザーグループでも発表してBacklogを広めてほしいです。
恩田さんも最後に言っていましたが、今回の登壇全てBacklogネタという奇跡も起きていますね。
恩田さんをはじめとする運営の皆さん、登壇者の皆さんお疲れさまでした&大変貴重な時間と知識をありがとうございました。
そして最後は素晴らしい安積さんのグラレコです
JBUG(ジェイバグ)とは
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