サイモン_シネック

「何を」やるかは真似できても、「なぜ」「どのように」やるかは真似できない。

以前に書いた「会社説明から事業内容の説明をなくすとどうなるか?」のnoteでも少し触れましたが、会社説明では「Why」について話をすることが特に大事だと考えています。

これはサイモン・シネックのTEDのプレゼンにあったとおり、人は「Why」に惹きつけられやすいというのが理由の1つですが、もう一つ、「何を」やるかは真似できても、「なぜ」「どのように」やるかは真似できないというのが大きな理由です。

前提:そもそもベンチャーの事業内容は説明しにくい

本題に入る前に、前提としてそもそもベンチャーの事業内容は説明しにくいという点があります。

馬田隆明さんが「逆説のスタートアップ思考」の中でピーター・ティールの言葉を引用されていましたが、良いアイデアは脱領域的であったり、まだ適切な言葉がなかったり等の理由から、そもそも説明しにくいものだそうです。

そうであれば、新たなチャレンジをしているベンチャーの事業内容が説明しにくいのは当然で、ましてや相手がビジネス経験のない新卒候補者であればなおさらです。


「でもそれって競合他社でもできますよね?」に対する2つの回答パターン

仮に事業内容を理解してもらえたとしても、「でもそれって競合他社でもできますよね?(or 既に他社もやってますよね?)」という疑問が出てくる場合も多いです。この場合の回答として、ロジカルに説明するパターンと、パッションを語るパターンの2つがあると思います。

【1】競合他社に勝てる/参入してこない理由を、ロジカルに説明する
自社の事業の戦略や強み、新規性などについてしっかりと説明をして、競合他社に対して、優位性があることを理解してもらうパターンです。

特に、大企業が競合他社になりそうな場合には、経済合理性や人材の質&量がハードルになり、参入してきても簡単には負けない/そもそも参入してこないというケースが意外と多いこと説明することもあります。

去年話題になった以下の記事では、クックパッドとクラシルを例に、大企業がベンチャーに簡単には勝てない理由が非常に明快に説明されています。

【2】志や取り組む姿勢など、「なぜ」「どのように」が違うことを説明する。
具体的な事業内容の特徴など、「何を」やっているかということではなく、志や取り組む姿勢といった「なぜ」「どのように」やっているかを、パッションを持って説明するパターンです。

上記の2つのパターンどちらもありえますが、結論としては【2】のほうが有効である可能性が高いと思います。「何を」やるかは真似できても、「なぜ」「どのように」やるかは真似ができないからです。


「何を」やるかは真似できても、「なぜ」「どのように」やるかは真似できない。

そもそも「でもそれって競合他社でもできますよね?」といった質問が真っ先に上がってくるということは、競合環境に対する疑問が候補者の脳内を占めてしまっており、よりコアとなる事柄(ex自社の存在意義、目指している未来、事業への姿勢)への共感を得られていない証拠です。

大前提として、「競合他社でもできる」というのは、極めて当たり前なことです。新しい領域でも、上手くいった事例が出てくれば、それを徹底的にパクること(通称TTP)はよくあります。ライブドアがオークションに参入するとき、仕様書に書かれていたのはヤフオクのURLだけだったそうですし、メルカリも先行していたフリル(現ラクマ)を明らかに徹底的に模倣しています。

私が仕事をしている領域もそうです。創業期には代表がアイデアを話すと、ほとんどの人から「絶対に無理だ」と何度も言われた領域ですが、今では毎年多くの新規参入があり、それこそ大学生でもやろうと思えば、(良いものにできるかは否かは一旦おいておいて、)少なくとも参入自体は十分できます。つまり、「何を」やるかは真似することができます。

しかし、そのような「何を」やるかは真似できても、「なぜ」「どのように」やるかは真似できないと思います。

これは自己正当化な部分もあるかも知れませんが、我々も「何を」という点で真似をされることはもちろんありますが、一方で「なぜ」やるのかという確固たる志と、その実現に向けて「どのように」取り組むかという姿勢は、そう簡単には真似できないと思います。そして、この「なぜ」「どのように」に共感したからこそ、入社を決め、日々頑張れているのだと思います。
※我々の志や取り組む姿勢に関してはこちらから。

だからこそ、志や取り組む姿勢といった、自分たちが「なぜ」「どのように」やっているのかを、パッションを持って伝えることが、結果的に数多ある競合企業との明確な差別化となり、採用成功を実現できるようになるんだと思います。

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