ゴールデンサークル

会社説明から事業内容の説明をなくすとどうなるか?

「会社説明の内容がイマイチ候補者に刺さっていないのだが、どうすると良いか?」というご相談は、私が相談をいただくテーマの中でも特に多い内容の1つです。

どうすると良いかはもちろんケースバイケースではあるのですが、そういった中で私からは「事業内容の説明を大幅に減らすことを検討してみてください」というアドバイスをさせていただくことが多いです。

このお話をすると、

 「いやいや、それだと入社後にミスマッチが起きますよ!」
 「ただでさえ事業内容がややこしいのに、そんなことできないですよ!」

といった反応を非常に多くいただくのですが、それでも私が事業内容の説明を減らすことを検討したほうが良いと思っている理由を以下に記載します。

1. そもそも採用候補者向けの内容になっていない。

そもそも、「説明会の内容が刺さらない」という事態が起きている場合、説明の内容が採用候補者向けの内容になっていない場合があります。

ざっくりですが、会社を説明するという行為は、対象者ごとに以下のようなパターンに分類ができ、あくまでも採用候補者向けの説明であるはずなのに、ユーザー向けの商品説明や、投資家向けの細かな事業内容の話ばかりになっているケースが非常によくあります。

▼会社説明の対象者のパターン
・ユーザー/カスタマーが対象の説明
・投資家が対象の説明
・採用候補者が対象の説明

※本当は、採用候補者も新卒向けと中途向けで分けるべきなのですが、ややこしくなるのでいったん今回は割愛します。

特に、IR資料や自社サービスの紹介資料を参考にして会社説明会のスライドを作ると、知らぬ間に採用候補者に刺さらない説明スライドが完成していることがよくあるので、注意してみてると良いと思います。

2. 候補者は自分が本当に聞きたいことを知らない。

「もし顧客に、彼らの望むものを聞いていたら、彼らは『もっと速い馬が欲しい』と答えていただろう。」とヘンリーフォードが言ったように、採用候補者に聞きたいことは何かと聞くと、「もっと事業内容や仕事内容を詳しく聞きたい」と答えることが多いと思います。

しかし、コーポレートサイトやIR資料に書いていない、自社の創業の想いや目指している世界観、社会に対して抱いている課題感など、採用候補者がまだ知らない「本当は話せば圧倒的に魅力に感じるポイント」がどの会社にもいくつもあります。
※そして、上記のようなポイントは、会社のよりコアな重要部分であることが多いので、結果としてミスマッチを減らすことにもつながりやすいです。

そのような点をしっかりとお伝えする方法の1つとして、事業内容の説明を大幅に減らし、そのかわりに上記のようなポイントを中心に説明内容を検討してみると良いと思います。それこそ事業内容の説明を一切なくすくらいの気持ちで、説明内容を再考してみると良いと思います。
※事業内容はその後の選考フローの中などで、別途しっかり説明をします。決して事業内容をぼやかして採用するということではありません、念のため。

ちなみに、この記事はあくまでの説明の「内容」に関する記事なので、「伝え方」に関しては別途まとめますが、サイモン・シネックのTEDの非常に有名なプレゼンで知られている、ゴールデンサークル理論は参考になると思います。

とても有名なのでご存知の方も多いと思いますが、趣旨としては、What→How→Whyの順番で話すのではなく、逆にWhy→How→Whatの順番で話すと魅力が伝わりやすいという内容で、会社説明会向けにまとめると以下のような感じでしょうか。参考にしてみてください。

▼会社説明にあてはめた例
・Why:創業の想い、目指している世界観、社会に対する課題感など
・How:中長期での経営方針など
・What:具体的な事業内容、職種、働き方など

ただし、実際にどのような説明内容にすると良いかは、採用ターゲットや自社をどのように認知してもらいたいか等によって、当然変わってくるので、この点は別途書いていこうと思います。

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