マガジンのカバー画像

マイクロアートワーケーション2023

8
アーツカウンシルしずおか主催のマイクロアートワーケーション2023に参加しました。御殿場市滞在中の日記はこちらで。
運営しているクリエイター

記事一覧

関野佳介「滞在レポート(まとめ)」

関野佳介「滞在レポート(まとめ)」

 2023年度のMAWに旅人として参加させていただきました、関野佳介です。日記を書き、映画を作っています。11月4日(土)〜11月10日(金)の期間、御殿場市に滞在したまとめを書きます。

 と言いつつ、何をまとめたら良いのだろう。滞在中は毎日1000字以上の日記を書いていたし、今さら1日ごとに振り返って書くとなると、おそらく日記との重複になって面白くない。そうして何を書けば良いのやらと、考えを巡

もっとみる
関野佳介「猫と人に連れられて(1日目)」

関野佳介「猫と人に連れられて(1日目)」

2023年11月4日(土)
横浜からバスに乗り、御殿場駅に着いたのは十四時半ごろだった。集合場所となっているマウント劇場まで地図アプリを見ずに行こうと思い、とりあえず歩き出した。十五分ほどふらふら彷徨ったけれどちっとも見つからないので、観光案内所で劇場への行き方を聞いた。私が到着したのは御殿場駅の箱根乙女口のバスターミナルで、マウント劇場は反対の富士山口からすぐのところにあるとのこと。そもそも逆側

もっとみる
関野佳介「おもいおもい揺れる(2日目)」

関野佳介「おもいおもい揺れる(2日目)」

2023年11月5日(日)
朝、宿でコーヒーを飲みながら丹治さんと話した。彼女は沖縄で彫刻を作っている。彼女は沖縄で彫刻を作っている。つい数日前に、様々な分野で芸術に関わる人たちの労働について議論するイベントに参加したとのことだった。話をしているうちに、私も気づかないうちに不安定な労働環境に巻き込まれていっているような気がした。報酬を伝えられないままスケジュールを確保されること、具体的な労働時間や

もっとみる
関野佳介「水めぐる場所(3日目)」

関野佳介「水めぐる場所(3日目)」

2023年11月6日(月)
せっかく劇場に泊まっているので、午前中は日記などの作業をした後、ツァイ・ミンリャン監督の「楽日」を観た。こちらは閉館が決まった劇場で起こる出来事の話。劇場で過ごすにあたって観ておきたかった。そのまま16時ごろまで劇場のスクリーンを使って編集作業をした。なんて贅沢な環境。noctariumの居心地が良すぎて、このままではずっと劇場にいて1日外出せずに終わってしまうと思い、

もっとみる
関野佳介「からだと映画(4日目)」

関野佳介「からだと映画(4日目)」

2023年11月7日(火)
午前中は日記を書いて映像日記を作っていたら終わってしまった。丹治さん、勝呂さん、桜井さんとお昼ご飯を食べに、さかたみという串揚げ屋さんに行った。久しぶりの定食にテンションが上がった。

午後は丹治さんが展示の準備をするのでGotemba Apartment Storeへ。森谷さんが建物の最上階まで案内してくれて、そこからの富士山の眺めは今まで見た中で一番圧倒的だった。遮

もっとみる
関野佳介「聞いて話してを重ねる(5日目)」

関野佳介「聞いて話してを重ねる(5日目)」

2023年11月8日(水)
午前中、7月から中南米を旅している友人から電話があった。彼は今ペルーのアマゾンジャングルの地域にいるらしい。MAWの期間中私たちが「旅人」と呼ばれていることに興味をもっていた。たしかにどういうことなのだろう。昼ごろには前日の日記を書き上げ、今日も劇場へ。昨晩撮影した映像を見返した。結局16時ごろまで作業をしていて、なんとなくラストシーンの方向性が少し分かりそうな気配がし

もっとみる
関野佳介「透明になる(6日目)」

関野佳介「透明になる(6日目)」

2023年11月9日(木)
9時に勝亦さんが車で迎えに来てくれて、國吉さんも一緒に3人で沼津の我入道にある循環ワークスへ。ここではごみとして回収されたり、リサイクル処理される前のものを集め、安い価格で店頭に並べる。回収の基準は土に還れるものかどうか。もしくはガラスや鉄、木材などそのまま素材として使用することができるかどうか。お店を営業するために必要な水、電気、エネルギーもできるだけその場で生み出し

もっとみる
関野佳介「映画のおかげ出会えた旅(7日目)」

関野佳介「映画のおかげ出会えた旅(7日目)」

2023年11月10日(金)
10時ごろ人の声が聞こえて目を覚ましたものの、寝不足気味で眠い。共有スペースで國吉さんと丹治さんが話していた。たしか國吉さんは午前中に出ると言っていたことを思い出し、挨拶しなくてはと思い部屋を出る。

私は明日からの土日で三島に行き、三島満願芸術祭の撮影をする仕事がある。そのため勝呂さんにお願いして一泊分滞在を延長してもらった。だから他のふたりの旅人よりも、結構のんき

もっとみる