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「キャッチボール」を真剣に考えてみた

キャッチボールを
「ボールを扱うキャッチボール」と
「言葉を扱うキャッチボール」の2つの視点から考えてみました。

はじめに:みなさん、「キャッチボール」していますか?

そんなこと何をいまさら、と思われた方もいるかと思います。
たかがキャッチボール、されどキャッチボールです。
キャッチボール、奥が深いです。

そもそも何の競技をしている?

キャッチボールをしようとしているのに、気づいたらドッジボールをしている、なんて時ありませんか?
自分の意見を投げることに意識が向かっていることはありませんか?

キャッチボールは投げたボールを捕ってもらうことが大事です。当てるゲームではありません。

言葉を交わし始める前に、キャッチボールしようね、という認識をそろえましょう。

キャッチボールをすることの認識をそろえる

キャッチボールの目的は何か

プロ野球選手になりたい人と趣味でキャッチボールをやる人では目的やゴールが違うでしょう。

双方にとってのゴールはどこにあるのか、を共有しておくことは対話の質を上げるためには重要なことです。

相手に届いて欲しくて投げた言葉が実は正反対の方向に投げていた、なんてことにはならないと良いですね。

コンディションはどうですか?

同じ人であっても、もちろんあなた自身も日によってコンディションが変わります。

アイスブレイクがてら「調子はどうですか?」と相手のコンディションを確認する習慣をつけておくと良さそうですね。
さらに相手のコンディションも意識しつつ、自分のコンディションにも意識的になることは重要です。

自分のコンディションには無意識であることが多いので、普段から自分の状態に意識を向けることで徐々にコンディションをコントロールできるようになります。

投げ手の心理、聞き手の心理

抜けがちなポイントですがとても大事なポイントです。

キャッチボールを始めるタイミングであなたはどのような気持ちで言葉を交わし始めますか?また相手はどのような気持ちでいるでしょうか?
相手はリラックスしているか、緊張しているか、こわばっているか、混乱しているか、など、相手の感情を意識することで言葉の投げ方が変わってきます。
相手の言動から感じ取れるようになると良いかもしれません。

感情的になっているときは投げない方が良いかもしれません

相手との距離はどのくらいですか?

ボールでキャッチボールをするにあたっては、必ず2者間で距離を取ります。距離に応じて、投げるボールが変わってきますよね。

翻って言葉を交わす場面を考えてみましょう。
あなたと相手との関係性の距離はどのくらいですか?
距離に対して適切なボールを投げていますか?
思いっきりボールを投げ続けていると、ボールを投げ返してくれなくなったりするかもしれないので、距離にあったボールを投げる必要がありますよね。

何人でボールを投げていますか?

キャッチボールを何人でしていますか?
これは組織で考えてみると複数人にまたがることが珍しくないと思います。
誰がどこにポジショニングしていて、どれくらいの距離感で、どういう強みを持っていて、どういう人柄で、などと人数が増えると一気に変数が増えますね。
1対1でのキャッチボールは容易でも、1対Nになると途端に難易度が高くなるのです。
さらにややこしいのが1対1だと双方の関係性に閉じていたものが、1対Nになった途端に「場」や「空気」といったものが出てくるのです。
その場には誰がいて、どのような力学が働いていて、どういう場を作りたいのか、などを意識して、言葉を投げかけてみてはいかがでしょうか?

相手の利き手はどちらですか?

キャッチボールの相手は右利きですか?左利きですか?
言葉を交わしている相手は右脳でキャッチするタイプですか?左脳でキャッチするタイプですか?(インプットのパターン)
そして投げるあなたの利き手はどちらですか?(アウトプットのパターン)
わかりやすい記事があったので貼っておきます。

もしくは優位な感覚は、視覚ですか?聴覚ですか?それとも体感覚ですか?
こちらも興味がある方はVAKをチェックされてみてください。

ここで学びを拾うとするならお互いに強みや特性を知っておくことは大事、ということでしょうか。

あなたはどんなボールを投げますか?

お待たせしました。やっとボールを投げます。
この問いを聞いたときに何を思い浮かべますか?

「豪速球で思いっきり投げます」といったスピードの観点
「山なりにフライを投げます」という入射角度の視点
の人もいれば、競技が変われば
「ソフトボールを投げます」というボールの種類の視点
も出てくるだろうし、
「フォークを投げます」なんて変化球の視点
なんてのも出てくるでしょう。

言葉のキャッチボールに置き換えてみる

まずはスピード。相手が構えていないのに豪速球投げる、なんて怪我に繋がりかねないですよね。そういう意味ではスローボールの方が安全です。拍子抜けはするかもしれないですが、最悪あたっても大事には至りません。
万が一本気で投げる時には「思いっきり投げるよ!」と先に宣言するほうがいいですね。強いフィードバックは相手に怪我をさせます

変化球も似ていますね。ストレートが来ると思っていたのに急にフォークがきたら捕りにくいですよね。どう言葉のニュアンスが変化するかわからない時には「ちょっと言葉が雑かもしれないけど」「ちょっとうまくまとまっていないけど」などとこちらも事前に伝えておくと良いでしょう。(入射角度も同じ)

ボールの種類は、大きさや硬さ/柔らかさ、と考えてみると良いかもしれません。例えば課題の粒度や解決までの道のりがどれくらい見えているのか(硬い課題なのか、柔らかい課題なのか)をすり合わせながら話をしていると目線が合わせやすいです。

何個のボールを投げていますか?

キャッチボールが成立するためには一球投げて、相手がキャッチをして、その往復が続く状態ですよね。相手がしっかりキャッチする前に次から次へと球を投げ続けるのは一方的な投球練習でキャッチボールではありません。

投げ手が意識することはまず一球投げ、投げたボールがきちんと受け取られているかを確認すること。その上でボールが返ってくるのをしっかりと受け取る。
逆に聞き手も相手からのボールをしっかりと受け取ったことを意思表示すること。「ちゃんと聞いているよ。聞いたよ」と。ここ結構抜けがちです。

たくさんボールを投げていませんか?

どれくらいの時間投げましたか?

腕や頭の疲労感はいかがでしょうか?
全身で考え感じながらコミュニケーションすると心地よい疲労感が襲ってくるものです。
誰かが疲れているなと感じたら、その場に休みが必要なサインです。

自分の得意なスタンスは?

みなさん自分の得意なコミュニケーションの方法があると思います。
まずは自分にとってしっくりくるコミュニケーションのスタンスを決めましょう

例えば、私の場合は「聞く」ことに主軸を置いています。とにかく聞きます。意見を求められれば話しますが、基本的に8割以上は聞くことを意識しています。
会議でまったく喋らなくてもあとで自分なりに整理して、言語化は苦手だけれども後で感覚的にアウトプットしているタイプです。

最後に:みんなが良い投げ手/聞き手になれるはず

コミュニケーションに苦手意識を持っている方がいらっしゃるとしたら、上記の何かが相手とずれている可能性を考えてみてください。

そして、それでも全く理由がわからない場合は、身近にいる一番話を聞いてくれそうな人に連絡をしてみてください。きっと話を聞いてくれます。
もし身近に誰も思い当たらなければ私が聞きますので、ご連絡ください。

良い投げ手になるためには、良い聞き手に出会うことが重要です。
そして良い聞き手に聞いてもらうことで、良い投げ手にもなれると信じています。

みんなが「キャッチボールをしよう」と意識することで、
孤独がなくなりココロとモノが豊かな世界になることを祈って。

笑顔も大事


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