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移動の速度が遅いほど旅は豊かになる

こんばんは。不登校大学院生です。
今日は旅トークです。

僕は旅が好きです。
旅と言っても色々あると思いますが、僕が好きな旅は自転車旅や歩き旅です。

なぜ好きかというと遅いからです。
そして圧倒的に体を使うからです。

遅いことというのはネガティブに捉えられることが多いです。
がしかし、旅の場合日常から解き放たれているので効率は無視できます。すぐに目的地に着くのは旅行であって旅ではないです。

今日は旅の話をするので遅いということはそれほど旅が濃くなるということです。
これが素晴らしく尊いことで、ゆっくりになればなるほど何でもない道に対しての感受性が豊かになります。

車で通っていたら、電車で通っていたら、絶対に感じられないことを感じられるのが自転車です。
さらに自転車では感じられないことを感じられるのが歩きです。

絶対に通り過ぎてしまうような道や建物。
ネットにも雑誌にも載っておらず、旅行者が目を向けない部分に目を向けられる。
これが旅の素晴らしいところだと思います。

この感覚は本当に心が豊かになります。
情報とか全てを抜きにして自分の感性だけがキャッチする情景。
出発から日が経つと共に、非日常だった旅が日常化していく。
その中で研ぎ澄まされていく感覚。
その感覚に刺さる経験。
病みつきになります。

僕は本当にこの感覚が好きです。

体を外に出していること、体が外に触れていること、これも旅において重要だと思います。

気温の変化や風向きの変化に敏感になり、また疲労や爽快感もより強く感じられます。

バイクでも頭以外は外に出てるので爽快感は感じられますが、スピードが速すぎることと、人間の力で進むわけではないことから気温の変化や風向きの変化は感じにくいです。

自転車はもろに風の影響を感じやすいし、暑さや寒さにも敏感になります。歩きの場合は1番これらの変化に気付きやすいです。
1日のほとんどを外で過ごすことでこういった変化にも過敏になります。
この感覚も動物の本能みたいでワクワクします。

さらに、自転車や歩きは過酷度が増します。
過酷な環境が毎日続くと人間は強くなります。

旅先で起きた話ですが、友達が
「俺、今本能出てきてる」
と言って小石を投げて食べ物に集るハエを仕留めていました。
止まったところを狙ったとはいえ、避けられる前に仕留めるところや、小石を小蝿に命中させるコントロール。
圧倒的に本能を感じました。

これは鹿児島の最南端から北海道の最北端まで自転車で行く道中、奥穂高という3190mの山を登山しているときに起こった出来事でした。
友達と僕は少年なのでオスとしての狩猟本能が芽生え始めたのかもしれないなんて言って興奮していたのを覚えています。

こういう風に日本国内を自転車や徒歩で旅するだけでも感性が研ぎ澄まされていきます。
このフィールドが世界だったらどうなるでしょう。
想像が付かないです。
だからこそワクワクが止まらないです。

旅行ではなく旅をしたいとはそういうことです。
ワクワクレベルが違います。

あともう一つ重要なことがあります。
自転車や徒歩など自力で移動する旅の場合、人に話しかけられることが圧倒的に多いです。
つまり出会いの数がとても増えます。会う予定の無かった人と出会えて、そこで旅の話をして、「気をつけて」「頑張って」の言葉とともに送り出してもらえる。
食糧を渡してくれることも沢山ある。
初対面の人にたくさん助けてもらえる経験は中々できないです。
そして、知らない人を助けようとしてくれる人の優しさに触れることはまた心を豊かにしてくれます。

この経験も速い移動手段での旅より遅い方が濃厚です。

旅行は行きたい場所が目的ですが、旅は知らない道や知らない人が目的になります。

豊かな遊びです。

今日は以上ですが、良かったら僕の初めての記事でおかわり旅トークどうぞ。

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