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地銀は公的資金を使ってまで「生き残り」を図るべきか

地方銀行(地銀)の存在意義が今、問われています。

地銀は、地域経済に密着し、地元企業や個人に金融サービスを提供してきました。

しかし、経済環境の変化やデジタル化の進展により、その役割は変わりつつあります。

今回は、公的資金の注入を受けている「じもとホールディングス」が国有化されるニュースから地銀の存在意義について考える記事です。

地銀の将来性や必要性、そして人材の最適活用などについて解説します。

果たして地銀は本当に必要なのか、その答えを一緒に探りましょう。


#日経COMEMO #NIKKEI

地銀の現状と課題

じもとホールディングス(HD)は、きらやか銀行と仙台銀行を傘下に持つ金融グループです。

報道によると、じもとHDは実質的に国有化されることになりました。

国有化の背景は、きらやか銀行が2024年3月期に244億円の赤字を計上し、公的資金の返済が困難になったためです。

この事例は、地銀が抱える課題を浮き彫りにしていると思います。

きらやか銀行の赤字体質は、貸出体制の構造的な問題に起因しているとされています。

特に、新型コロナウイルスの影響で不良債権が急増し、経営が悪化しました。

さらに、経営合理化の一環として店舗削減や人員整理が進められており、地域経済への影響も懸念されています。

地銀の存在意義

地銀の存在意義は、地域経済の発展に寄与することにあります。

地元企業への融資や個人向けの金融サービスを提供し、地域の経済活動を支えてきました。

しかし、近年の経済環境の変化やデジタル化の進展により、地銀の役割は変化してきました。

例えば、メガバンクやネット銀行が提供する金融サービスが全国に普及し、地銀の存在意義は徐々に薄れています

また、人口減少や地方経済の縮小により、地銀の経営環境が厳しくなっているのも事実です。

地域を支える役割どころか、お荷物になっている地方銀行も少なくありません。

本当に、地銀は今後も必要でしょうか

地銀の将来性と必要性

地銀の将来性は、今後の経営合理化やデジタル化への対応が鍵となるでしょう。

例えば、きらやか銀行のように公的資金の注入を受ける地銀は、経営合理化を進めることで再建を図る必要があります

なぜなら、公的資金(税金)を国民に返してもらう必要があるからです。

また、デジタル技術を活用して効率的な金融サービスを提供し、競争力を維持することも求められるでしょう。

しかし、地銀の数を減らしても国内経済に大きな影響はないと考えます。また利便性も損なわれないと思います。

それは以下の理由からです。

1. 経済効率の向上

経営合理化によって、非効率な地銀を整理することは、日本国内全体として考えた場合、経済効率を高めることにつながります。

例えば、経営合理化により、残存する地銀や大手銀行はムダな低金利競争や手数料ダンピングが不要となり、効率的な運営を期待できます。

結果的に、金融サービスの質が向上し、顧客に対する付加価値が高まります。

また、生き残った金融機関同士の付加価値による競争が激化すれば、金融全体の革新と改善が促進されます。

よって非効率な地銀を整理することは、日本国内全体として考えた場合、経済効率を高めることにつながります

いわゆるゾンビ企業と同じく、長生きさせること自体に価値はありません。

2. 代替可能性

セブン銀行など小売業態が展開するATMサービスの機能は、地銀の代替となり得ます。

また、デジタル技術の普及により、地域に限定されない金融サービスは既に実現しています。

例えば、今ではインターネットバンキングやモバイルアプリを通じて、全国どこからでも金融取引が可能です。

地銀の店舗に足を運ぶ必要性は減少しました。

また、フィンテック企業の台頭により、従来の銀行業務はデジタルプラットフォーム上で提供されるケースも増えています。

融資や資産運用などの金融サービスは、WEB上で効率的に提供され、顧客の利便性はリアル店舗以上に向上しています。

地方在住でも金融サービスの提供に大きな支障は生じないでしょう。

3. 人材の最適活用

地銀で働く優秀な人材は、地域金融機関の維持に貢献しています。

一方で、そのような優秀な人材ならば、スタートアップ企業などで更に高い価値を生み出す可能性もあります。

地銀に配置されていた優秀な人材や資本を、成長性のある分野や地域に再配分することで、経済全体の生産性が向上する可能性は高いと考えます。

例えば、フィンテックやデジタルバンキングに人材を移せば、新たな金融サービスの開発や提供が促進されます。

地銀の数を減らし、その分の人材を他の成長分野に配置すれば、経済全体の生産性向上が期待できるのではないでしょうか。

結論

地銀の数を減らしても、国内経済に大きな影響はないでしょう。

むしろ、経営合理化とデジタル化の進展により、効率的な金融サービスが提供されることで、経済全体の健全性が向上すると考えられます。

また、優秀な人材を地銀に留め置くのではなく、より成長性のある分野に配置すれば、社会全体の生産性向上にもつながると考えます。

今後は、地銀がその存在意義を再考し、地域経済への貢献を維持しつつも、新たな経営モデルを模索することが求められるでしょう。

このような視点で、地銀の将来性を考えることが、地域経済の発展と金融システムの安定化につながるのではないでしょうか。

個人的には、地銀の数は今の半分以下でも十分だと思っています。

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